合同会社西友

西友 オンライングロッサリーマーケットの未来 ~中国、米国のトレンドから~

西友のネット事業

西友のネット事業は主に2つあります。1つはネットスーパー事業です。これは、店舗にある商品を店の近隣(5~8㎞圏内)のお客様のご自宅にお届けするというサービスです。

もう1つは「ビッグセーブ」事業です。これは、西友が持っているFC(フルフィルメントセンター:ネット通販における受注・梱包・発送までの一連のプロセス行う拠点・倉庫)から、商品を日本全国にお届けするサービスです。

中国EC市場の著しい発展(「Tmall」(アリババグループ)、「JD.com」(JD.com))

今後、日本のオンライングロッサリー(食品雑貨)マーケットがどのように進展していくかを見るために、昨今、著しく発展している中国のEC市場の現状をまずご紹介します。

EC(Electronic Commerce:コンピューターネットワーク上での電子化された商取引全般)の市場規模は、現在、中国が圧倒的に世界で一番大きいです。中国のEC市場規模は、2015年、67兆円で、アメリカの2倍、日本の7~8倍になります。また市場の成長率も40%超で、日本の3倍です。

中国のECマーケットでシェア率が一番高いのが、アリババグループの「Tmall」で約60%、2番目がJD.com社の「JD.com」で約20%です。この2つで市場の約8割を占めています。中国においては、Amazonは1%のシェアもありません。

中国のラストワンマイル配送

中国では物流企業があまり発展していないので、お客様に荷物を受け渡す最後の区間、「ラストワンマイル」の配送は、個人事業主が行うのが一般的です。荷主側のニーズと配送ドライバーをマッチングさせるサービスを提供する代表的な企業に「Dada」があります。Dadaは、中国最大のクラウド型配送プラットフォームを持っています。西友の親会社であるウォルマートは、Dadaに5,000万ドル出資をしてパートナーシップを組み、中国での配送事業を行っています。

Dadaは、350都市以上をカバーしていて、260万人のドライバーを有し、1時間以内の配送サービスを提供しています。

新たな購買チャネル(「WeChat」)

中国には「WeChat」という、日本のLINEのようなチャットアプリがあります。WeChatは、最初はチャットをするために使われていましたが、最近では、買い物や、「WeChatペイ」というペイメントのサー ビスとしても使われています。アリババの「Tmall」やJD.comの「JD.com」だけではなく、WeChatのようなSNSを経由して買い物をするというように、中国では商取引のチャネルが広がってきています。

ネット決済の拡大

また、中国では、「WeChatペイ」のモバイルペイメントをはじめとして、ネット決済が拡大してきています。ネット決済が増えてきている理由の1つには、中国の文化・社会的な背景があります。中国ではお金を支払っても商品が届かないという例が多くあります。そのような消費者の心配を取り除いてくれるサービスとして、WeChatペイがあるのです。WeChatペイは、商品がお客様に届いたという確認がない限り、セラーにはお金が入らないという仕組みになっています。

アリペイ(アリババグループのオンライン決済サービス)

中国のオンライン決済サービスには、「WeChatペイ」のほかに、アリババグループの「アリペイ」があります。アリペイは中国最大規模のオンライン決済サービスです。アリペイの2016年の年間アクティブユーザー数は4億5,000万人で、1日当たりの平均決済金額は168億円です。

中国のモバイル決済のマーケットは4兆ドルあると言われていて、そのうち5割のシェアをアリペイが持っていて、約4割をWeChatが持っています。

エコシステムの形成(テンセントとアリババ)

1つの会社が複数のサービスを束ねるプラットフォームをつくり、1つの経済圏を形成することを「エ コシステム」と言いますが、中国には大きなエコシステムが2つあります。テンセントとアリババが作るエコシステムです。

テンセントはWeChatを提供している会社です。テンセントはJD.comと提携しているので、Eコマースサービスもありますし、そのほかにも、アプリやゲーム、サーチエンジン、ペイメントサービスがあり、それらのネット上でのサービスを網羅するような形でエコシステムを作っています。

このエコシステムの利点の1つは、例えばあるお客様がWeChat上で商品を買ったら、そのデータがビッグデータ化され、ほかのサービスでも活用できるということです。

一方、アリババは、ロジスティクスやトラベル、エンターテインメント、また、アリペ イというペイメントソリューションも持ち、1つのエコシステムを形成しています。これによって、アリババは、アリババの経済圏ですべての買い物を完結させることを狙っています。

中国におけるO2Oの発展(「滴滴出行」、「Ele.me」)

ここ数年、中国ではオンラインとオフラインを結ぶO2Oビジネスが伸びてきています。その背景には、スマートフォンのユーザー数の増加や、アリペイやWeChatペイのようなモバイルペイメントの普及等があります。

中国のO2O企業で代表的なのが、ライドシェアサービスを提供している中国版Uber「滴滴出行」と、フードデリバリーサービスを提供している「Ele.me」です。

中国では、この2社をはじめとして、 クラウドソーシングのプラットフォームを作り、マーケットで資金調達し、ビジネスを拡大していくという会社が多く生まれています。

アメリカのグロッサリーマーケットにおけるリアルとネットの垣根を越えた競争

ここまでは、中国のEC市場の現状について話してきましたが、次にアメリカのオンライングロッサリーマーケットの状況をお話しします。

・ウォルマート対アマゾン
世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートが、今、一番の競合相手と考えているのはアマゾンです。アマゾンに対抗するために、ウォルマートは2016年にオンライン専門ショッピングサイトのJet.comを33億ドルで買収し、ネットサービスを強化しています 。

アメリカでは車を持っている人がほとんどです。そこでウォルマートは、ネットで注文して、お客様が店頭でピックアップすれば商品を値引きするというサービスを始めていて、現在、このサービスが一番伸びている状況です。

・ホールフーズをアマゾンが買収
一方、アマゾンは、先日、高級スーパーのホールフーズ・マーケットを137億ドルで買収することを発表しました。アメリカでは、商品を自宅に届けるよりも、お店に行ったついでにピックアップしたいというニーズのほうが大きいので、ホールフーズが持つ店舗をピックアップのロケーションとして利用するために、アマゾンはホールフーズを買収したと言われています。

このように、ア メリカのグロッサリーマーケットでは、リアルの強みとネットの強みを融合させたサービスをお客様に提供して、市場競争に勝とうという動きが出てきています。

今後の日本のオンライングロッサリーマーケットをめぐる状況

日本でも海外の事例と同様にリアルとネットの垣根を越えたエコシステム醸成の動きがあると推測します。日本でもネット企業がリアル店舗を持つ時代が来ると思います。

また、日本では現在、規制が厳しく、ラストワンマイルにおけるクラウドソーシング型の配送ができません。しかし、大手運送会社のヤマト運輸の値上げや、ドライバー不足等の問題が出てきているので、今後は、規制が緩和され、クラウドソースに集めてきた ドライバーたちが商品を運べるようになる環境、また外国人労働者をドライバーとして採用できるようになる環境が作られていくのではないかと考えます。

講師紹介

合同会社西友 ドットコム事業本部
オペレーションエクセレンス バイスプレジデント
佐々木 喜仁 (ささき よしひと) 氏

1997年~2004年システムエンジニアとして、テレコムのシステムインテグレーション、および、ERPシステムのプリセールス、導入コンサルティングに従事。流通・消費財向け外資系経営コンサルティング会社を経て、2008年~2011年西友のサプライチェーンマネジメント本部シニアディレクターとして、ウォルマートグループ内で日本物流センターの生産性改善、輸送コスト削減の対前年比改善度世界一位国に2年連続で導く。
2011年Eコマース企業に転職、2014年西友に復職し、ドットコム事業のオペレーション全般を統括している。 1974年生まれ、宮城県出身。

募集要項

イベント名 第35回CREフォーラム|『オンライングロッサリーマーケットの未来』
日時 2017年 6月23日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了
会場 虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階
東京都港区虎ノ門2-10-1 google map
参加対象者 荷主企業 様、物流会社 様
参加費/定員 無料/70名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング部
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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