その他イベント レポート
株式会社シーアールイー

上場記念シンポジウム 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスへの期待と課題」

上場記念シンポジウム 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスへの期待と課題」

基調講演 「ASEAN経済共同体で何が変わるのか」

基調講演 「ASEAN経済共同体で何が変わるのか」

日本総合研究所 上席主任研究員 大泉啓一郎氏

ASEAN経済共同体(ASEAN Economic Community;AEC)は何かが大きく変わるわけではない。私が申し上げたいのはASEAN経済共同体に向けて、ASEANはすでに様変わりしていることと、ASEAN経済共同体を経てこれからさらに変化していくこと――、の2点となる。ASEANを牽引しているのは国単位ではなく、その中心となるメガ都市である。

ASEAN経済共同体とは「ヒト・モノ・カネの動きが自由化」することが目的。ASEAN域内では物品やサービス、投資分野の自由化が既に進んでおり、特に貿易面では1992年に始まった規約が1998年にはASEAN物品貿易協定(ATIGA)に変わり、すでに原則関税撤廃にこぎつけている。

なぜASEANなのか

日本と東アジア(韓国、台湾、香港、中国、ASEAN加盟10か国)の名目GDPは、2004年に日本を上回った。

これまで私たちは「アジアと日本」または「日本とアジア」という観点からアジアのビジネスを考えてきたが、そのようなパラダイムは改めないといけない。今後は、「アジアの中の日本」という見方が有効である。ASEANの経済規模は日本の7割程度にすぎず、一人当たりのGDPではみると、まだ水準は低いが、衣食住のコストが安いため、購買力平価GDPでみれば2009年段階でASEANはすでに日本を上回っている。そしてメガ都市には日本と同水準の富裕層が多い。

ASEAN共同体とは経済だけではなく、政治、社会の3つの文化から構成される。目指すのは(1)単一市場・生産基地、(2)競争力ある地域、(3)公平な経済発展、(4)グローバル経済への統一、の4点。ただし、加盟国の所得水準は大きく異なるため、EUのように通貨統合は計画されてないが、ASEANは1993年より経済自由貿易圏を目指し、関税料を引き下げてきた。その過程で、事実上の経済統合は進んでいる状態であることが重要である。

もっともASEAN、2000~2005年にかけて中国経済が台頭するなかで軽視されてきたが、日本企業が進出して四半世紀が過ぎ、ASEANの競争力のある工業国に変貌している。またこれまでは欧米や日本などの先進国がメインの取引先だったが、現在はASEAN域内での取引が増え、中国向け輸出も好調である。とくに加工品、部品の中間財の割合が高く、東アジアの分業体制で重要な位置を占めている。
ASEAN経済共同体の発足は2015年の末。

ASEANの目はすでに2025年に向かっており、示されるビジョンはより具体化されたものになっている。高度に結束された経済圏を目指し、物流インフラも今後急速に整備されていくだろう。このような変化を見逃さず、日本企業はASEANの生産体制を見直すべき時期に来ており、新しいサプライチェーンを構築すべきである。

日本総合研究所 調査部上席主任研究員 大泉啓一郎 氏

日本総合研究所 調査部上席主任研究員 大泉啓一郎 氏

1988年京都大学農学研究科大学院修士課程を修了。2012年京都大学博士(地域研究)1990年より調査業務を開始。三井銀総合研究所・さくら総合研究所を経て、現在、日本総合研究所調査部でアジアの経済動向の調査に従事。専門分野はアジアの人口変化と経済発展。近年の注力テーマはASEANの経済統合。

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【1】

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【1】

モデレータ/東海大学教授 石原伸志氏

現在、各地でASEANに関するシンポジウムが開催されているが、ロジスティクス、サプライチェーンの観点からしたら、物流のハードのインフラ部分や通関だけを考えればよいものではない。ロジスティクスにSCM戦略マーケティング戦略もあわせて考える必要がある。

企画・調達・生産・販売・物流にいたる広い領域をカバーするだけではなく、国、地域、企業、品目、産業、インフラ等その事情が異なってくるためオーダーメイド的なシステム構築が欠かせない。またASEANだけでなく、インド、バングラデシュ、中国、日本も含めて全体で考えていく必要がある。

ASEANは、GDPや国土面積の異なる国の集合体である。最近のアジアのASEANの月額賃金の2014年・15年のデータを比較すると、ミャンマーの人件費は確実に上昇、既にバングラデシュやカンボジアより高騰している。ミャンマーに対して、安い人件費を期待できない時代となった。

また東西回路、南部回路の整備に伴い、タイプラスワンとしてカンボジアが注目されているが、数年先にはミャンマーが労働集約型の自動車部品の保管基地に、繊維製品においてはバングラデシュに集約されるのではないだろうか。

労働集約型の典型パターンである繊維製品と自動車産業は同じ土俵で論じることはできない。衣料品を見ると、日本への輸入量は現在でも中国が圧倒的に多いが、中でも最近、バングラデシュ、ベトナム、インドネシアが徐々に増加している。関税緩和に伴い、カジュアル系の衣装では、生地生産は中国、それらをバングラデシュ、ミャンマーに輸送し、縫製加工を行い、完成品を日本に輸入する流れとなるだろう。

ASEANの国別自動車生産台数は、下図のように推移している。

各国自動車工業会資料、 ASEAN Automotive Federation /AAF資料等より、FOURIN作成

各国自動車工業会資料、 ASEAN Automotive Federation /AAF資料等より、FOURIN作成

マーケティング戦略の成功事例

マーケティング戦略の成功事例

イオンが2014年6月にオープンさせたプノンペンのイオンモールでは1日5~10万人の買い物客が訪れている。

一人あたりのGDPが1,000ドルに満たず、平均年収5,000ドルのカンボジアにおいて、家電製品や化粧品などが売られており成功を収めている。これはなぜか・・・。

イオンでは店舗の5km圏内の150軒の家庭を選択して調査を実施。一軒ごとに冷蔵庫、トイレ、台所等の写真を撮り、どのような製品が家庭にあるのか分析を行った。その結果、「ある程度の高級品でも売れる」との見込みができたという。一人当たりの収入は少ないが、家庭では働き手が複数名いるから、購入も可能となるのだ。

日本の果物もよく売れて、5,000円もする水蜜桃やマスクメロンも品切れを起こすほどに人気が高い。

これから考えていかないといけないのは、FTA(Free Trade Agreemen;FTA/自由貿易協定)。避けて通ることはできないもので、2か国以上の国・地域が関税、輸入割当など貿易制限的な措置を一定の期間内に撤廃・削減することを定めたものだ。今後、注意していかないといけないだろう。

東海大学 教授 石原伸志 氏

東海大学 教授 石原伸志 氏

1974年早稲田大学商学部卒業後、三井倉庫株式会社入社。国際部やタイ駐在を経験し、在職時からアジアでの物流に関する論文を執筆。2006年東海大学航海学科国際物流専攻教授。専門分野はアジアを中心にした国際物流。アジア域内の国際物流の現状と今後の日系企業の動向を研究テーマとしている。日本貿易学会・日本物流学会・日本港湾経済学会会員。

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【2】

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【2】

パナソニック 関西渉外室 部長 増森毅氏

ASEANにおけるモノの動きと市場のパラダイムはここ数年で大きく様変わりを見せている。我々のようなグローバル展開する企業から見たら、企業のさまざまな諸活動が幅広く分業されている。

ASEANから中国、インドも同様だが、いわゆるアジア域内物流は非常に増加に一途を辿り、期待が高まっていることと同時に、生産拠点やロジのコストなど急激な人件費の高騰、生産コスト、物流コストが増大しているのが現状だ。

未発達な輸送インフラ、複雑な通関システム

インフラ部分では残念ながら、未発達な輸送システムがいまだ存在しており、複雑な通関システムもあり、それが複雑さを増しているのが現状だ。昨今ではオンラインのNACCS導入も進んでいるが、まだまだ限定的な使用が多く、港や地域によって進行度合いがかなりの温度差がある。

加えて、物流事業者に外資規制を導入していることが多く(現地企業との合弁など)、輸送品質やシステム連携など日本のような有能なパートナーが少ないことも事実だ。そこで、以下3つの問題提起を通して、今後のASEAN市場のありかた、取組みについて示唆したい。


(1)歴史・文化・生活習慣の違いを理解する
成長に期待する側面があるが、そこで売られている商品は国、地域によって千差万別。
歴史が違う、文化が違う、生活習慣が違うことをよく理解したうえでビジネスを行う必要がある。冷蔵庫を例に取ると、ベトナムでは2ドアが主流となるわけだがインドネシアでは大多数が1ドアの製品となる。生活習慣や背景を理解することが重要だろう。

(2)調達~生産~販売~物流拠点に関わるインフラの状況
空港、道路、港湾、電気、ガス、水道、IT環境などのほか、経済政策や投資政策、行政を見極めた上でのノード・フロー・モードを選択する。

(3)コラボレーションを検討
ロジスティクス主体が現地サイドにあるため、複合的な視点で他社とのコラボレーションを含めた創意工夫が必要。

マーケティング・ロジスティクス

近年、オムニチャネルなどが取り沙汰されているが、市場についてはミクロとマクロの側面からインフラ周りを含めて鳥瞰する必要があるだろう。例えばインドは、まだまだ伸び代はあると見ているが、ロジスティクスの観点としては、州ごとに関税が発生するなど、インフラ整備も必須と考える。

パナソニック株式会社 関西渉外室 部長 増森毅 氏

パナソニック株式会社 関西渉外室 部長 増森毅 氏

グループの物流システム統合やグローバルロジスティクス本部立ち上げに従事。グローバルロジスティクスに関する著書・セミナー講演も多数。

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【3】

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【3】

味の素物流 理事 魚住和宏氏

味の素の地域別売上額は海外が日本を大きく上回り、アジアでの売上は2,604億円、営業利益で303億円を計上した。

味の素の営業利率は約12%、欧米の大手食品メーカーと比べると自慢できる程ではないが、他エリアと比較すると利益率の高さをお分かりいただけるだろう。営業利益ではアジア全体の合算が日本をわずかに上回る41%となり、その存在感は大きくなってきた。実は304億円のうち約半分はタイで、それを支えているのが食品事業となる。
味の素ではアミノ酸、医薬分など、さまざまな事業を展開、商品販売する国・地域は130以上、今後も拡大計画中だ。工場は全世界で120拠点に配し、うち83拠点が日本を含むアジア地域となる。

もともと味の素のアジア進出への歴史は古く、1958年ユニオンケミカルズ(現フィリピン味の素)設立以来、各地域に進出してきたが、ミャンマーは2004年軍政下のもと閉鎖を余儀なくされてきたが、現在は事業再開を申請中となる。

グローバル・ロジスティクスサポート

味の素ではASEAN地域において、2倍、3倍の拡大戦略を描いているが、現在の輸送網では立ちゆかなくなることは確実だ。「2倍、3倍の販売は2倍、3倍運ぶこと」になるためで、そこまで拡大した場合、現在の物流ネットワークでは使い物にならない。

またSCM・ロジスティクスには、これまで日本人出向者があまり関与しておらず、東京本社からは実態が見えにくかった。私は昨年9月からほぼ毎月の割合でASEANに行っているが、直送化の進行度合いはかなり進行している。

ただし、輸送は地場の中小物流事業者に委託するため、延着、破損などのクレームも多く、物流品質管理や配車システムなどのロジスティクス近代化が大きな課題となっている。

今後の課題

(1)コールドチェーン整備
冷凍食品、乳製品等の定温管理品の飛躍的な増大が見込まれる中、倉庫や車両などのハードのみならず、ソフト面の整備が重要だ。サプライチェーン全体での温度管理マインドの醸成は必須だろう。

(2)HALAL物流動向のフォロー
マレーシアのHALAL団体であるJAKIM(マレーシア政府ハラール認証機関)の動きをウォッチ。

味の素株式会社 物流企画部 専任部長 魚住和宏 氏

味の素株式会社 物流企画部 専任部長 魚住和宏 氏

アメリカ・インドネシアに駐在歴あり。現在は海外現地法人のロジスティクスサポートに注力。

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【4】

パネルディスカッション  「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【4】

イオングローバルSCM 取締役 経営管理本部長 太田年和氏

イオンは13か国で事業展開、ASEAN地域では8か国で事業を展開中だ。ASEANでは1984年にマレーシア1号店を出店、マレーシアでGMSとして事業を開始、2000年まではショッピングセンターモデルで拡張スーパーマーケット、ドラッグストア、専門事業等多角化を実施した。

またタイにおいても、マレーシア同様にGMSで事業を開始したが、思うような拡大ができずスーパーマーケット業態にシフトしたほか、都市型小型店で展開している。

両国とも店舗中心のサプライチェーン(外部依存)から単機能物流(店舗配送の効率化)を行い、機能拡大を行った。そこでマレーシアでは多業態SCM体制構築、タイではスーパーマーケット用サプライチェーン体制をそれぞれ構築した。

イオングローバルSCM株式会社 取締役 経営管理本部長 太田年和 氏

イオングローバルSCM株式会社 取締役 経営管理本部長 太田年和 氏

SCM低温物流部長、企画部長等を経て現職。

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【5】

パネルディスカッション  「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【5】

日本通運 海外事業本部海外管理部 専任部長 柿山慎一氏

ASEANで事業活動をしている日系企業のなかでも特に伸張著しい自動車産業とクロスボーダー輸送について活用事例などを紹介したい。

ASEANを中心とした自由貿易エリアの拡大により、生産地は当然のこと、消費地としても魅力が今後も増大すると見ている。特に自動車産業ではASEAN部品相互供給の活性化され、相互補完ができる体制にできる環境が整いつつあるのが現状だ。

ASEANと自動車の製造を語るうえで、非常に関連性が高いのはインドとなる。ASEANおよびインドの年間自動車生産台数は約800万台となり、日本の980万台の規模に迫りつつある。

インド国内をターゲットに各社とも低価格車戦略を掲げ、将来構想に中近東、アフリカ、EU向け輸出拠点としての位置付けとなる。

日系大手3メーカーは各社とも現地調達を基本としているが、タイでは部品メーカー集積が顕著となり、ASEAN地区での部品供給基地という位置づけとなる。またマレーシアではKD生産(Knock-Down Assembly:ノックダウン)によるKD部品比率が高く、特にタイからの部品供給が多い。

その他、優遇税制等によりハイブリットに代表されるエコカー志向も強い。インドネシアでは優遇税制の下、低価格車(アジアカー)戦略により、低燃費小型車を投入している。

域内部品輸送

ASEAN域内において現地で調達できない自動車部品は、部品メーカーが集積するタイや日本から供給している形を採ってきた。昨今の低価格化や同一車種を複数国で生産する流れから生産コスト軽減を図るため、現在では集中購買を行った後で他拠点に供給する体制を採用。現在はタイ、インドやインドネシアでも保管拠点からも部品は供給されている。

このような状況の中、各メーカーは円滑な生産活動を行うために、拠点間の部品総合補給体制により効率的な物流体制の構築が課題となった。

自動車部品調達スキームは下図のとおり。基本的にはJIT(カンバン方式)での納入で、トラック1台分の荷物がある際にはダイレクト方式、それに満たない場合はミルクラン方式で巡回、集荷していく拠点を経由した後に納入される。海外からの場合、通関というプロセスも加わる。

陸続きのASEANにおけるクロスボーダー輸送

自動車部品メーカーが集積するタイとその周辺国ではタイとマレーシア、タイとベトナムの間での輸送は、陸続きであるのだが海上輸送が主体となっていた。ガントリークレーンの荷役は衝撃に耐えることができるよう、輸送用の木箱梱包を採用、とにかく頑丈に梱包されて運ばれてきた。

バンコクからクアラルンプールまでは約1,500㎞、比較的陸路が整備されている地域となる。これは日本では仙台-福岡に相当する距離で、日本では木箱梱包はせず、大多数を陸送している距離でもある。

そこで国内輸送と同じスキームを目指したところ、(1)振動衝撃による部品へのダメージ、(2)通い容器を免税で往復可能か、(3)海上輸送と比べた輸送コスト、の3点を課題として抽出。それらの検証を行った結果、ASEAN陸続きの輸送でも、日本同様トラック輸送が使えるとの結論に至った。

鉄道利用のクロスボーダー輸送

鉄道利用のクロスボーダー輸送

またタイとマレーシア間(バンコク~クアラルンプール)では、鉄道を利用したクロスボーダー輸送も活用されている。トラックドライバー不足による慢性的な輸送キャパシティ不足を解決するための輸送スキームとして期待されたもので、バンコク~クアラルンプール間を約60時間で繋ぐ、環境にもやさしい輸送モードである。現在、週一便運行、今後順次増便される予定だ。

また当社は国土交通省のパイロット事業「シンガポール~ジャカルタRORO船実証実験」に採択され、国際高速RORO船を活用した海陸一貫輸送システム実証事業に参画した。RORO船のメリットは、(1)荷物を車両ごとに搬出入でき、荷役時間の短縮、積替時の衝撃振動を抑制可能、(2)クレーン等の整備なしに就航でき、大規模投資が不要、(3)中小規模港湾にも対応、新たなルート開拓が可能となる点だ。

日本通運株式会社 海外事業本部海外管理部専任部長 柿山慎一 氏

日本通運株式会社 海外事業本部海外管理部専任部長 柿山慎一 氏

ASEAN、南アジアでのマーケティング、クロスボーダー輸送などに精通。

パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【6】

 パネルディスカッション 「ASEAN経済統合を睨んだロジスティクスのあり方」【6】

鴻池運輸 執行役員 海外事業本部副本部長 伊藤敏明氏

鴻池運輸ではクロスボーダー輸送の取組みの狙いを以下2点に定めた。

(1)食習慣の変化
日本食等外国食材の需要の高まりを受け、冷凍冷蔵食品・生鮮の流通をはじめ、コンビニ。ファーストフード・大型ショッピングモール等、流通業の発展に寄与

(2)新・新興国の物資不足
CLMVと称すカンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナムの新・新興国における建築資材・原材料・食材の周辺近隣諸国からの調達で輸送時間の短縮を図る。


産地から消費者への物流がターゲットだ。ホーチミン・プノンペン・バンコク・ヤンゴンの間で、輸送を実施。

ホーチミン・プノンペン間では生鮮・冷凍・冷蔵品の食材、部品・原材料・建材。またバンコク・プノンペン間では生鮮・冷凍・冷蔵品のほか。部品・原材料・建材。バンコク・ヤンゴン間では、建材・縫製材料・部品・原材料の輸送を行う。

クロスボーダー輸送の課題

クロスボーダー物流の課題点は多い。その際たるものは膨大な輸送コストとなるが、貨物集荷は片荷状態が恒常的となっており、非効率な物流を強いられているのが現状。

また国境での貨物の積み替え作業も発生することから、低温輸送時の品質管理上の問題が懸念される点や、税関対応・通関手続きが煩雑で一本化できていない。これらは各国貿易や通関手続きの電子化と一本化が実現するASEANシングルウィンドウ構築に大いに期待している点だ。

その他、保険が適用不明な地域や、カンボジアの高額な通関費用や所要日数が長すぎる点、輸入ライセンス制度・輸入規制の存在もあり、円滑な貿易の阻害要因となっていることも多々見られる。

カンボジアの通関簡素化に向けて

カンボジアの通関業務の簡素化について、カンボジア・日本間で官民合同会議とカンボジア税関と民間企業間でも協議を継続的に実施中だ。

現状、プノンペンにある税関本庁での事前確認後に、カムコントロール(カンボジアの検査機関)の検査を経て、各港・国境での税関において通関申告を行い、輸出・輸入許可を取得しているのだが、プノンペン税関本庁から各港・国境税関への権限移譲、各港・国境で、審査が完結する仕組みを検討している。

また現行の電子通関システムを改善し、シングルウィンドウによる、物理的プロセスの削減や、カムコントロール自体を廃止し、税関との2重行政の解消、プロセスの簡素化、コスト削減も目指している。

鴻池運輸株式会社 執行役員 海外事業本部 副本部長 伊藤敏明 氏

鴻池運輸株式会社 執行役員 海外事業本部 副本部長 伊藤敏明 氏

ロサンゼルスに11年駐在。国際関東支店長を経て現職。海外拠点立ち上げに注力。

募集要項

日時 2015年 7月27日 (月)
14:00開場 14:30開始 17:30終了
会場 イイノホール 東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディング4階
交通 東京メトロ日比谷線・千代田線「霞が関駅」C4出口直結
参加費 無料

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング部
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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