インタビュー
アサヒビール株式会社

モーダルシフトを積極推進

アサヒビールは、モーダルシフトを積極的に推進している。2010年に、アサヒグループで「環境ビジョン2020」を制定。二酸化炭素(CO2)排出量の2008年比30%削減を目標に掲げた。

モーダルシフトを積極推進

物流部門での取り組みに関し、グループ連携を目的とした「アサヒグループモーダルシフト推進協議会」を立ち上げた。具体的には、長距離トラック輸送から、鉄道輸送による31ftコンテナ往復定期便への転換を図った。アサヒビールとアサヒ飲料が連携し、関東(東京・茨城)~関西(大阪、兵庫)の工場間輸送における31ft往復定期便を実施している。また、食品部門の和光堂と天野実業も栃木~岡山の輸送において、31ft往復定期便を行っている。その結果、2014年:CO2排出量を1,179t、トラック輸送に比べ73.9%の削減に成功した。

グループ内の連携に止まらず、社外の企業との連携も深めている。2014年12月には、イオン鉄道輸送研究会に参加するイオングループ、花王、ネスレ日本、江崎グリコと合同で、東京~大阪の専用コンテナ列車を仕立てた。24車両600t編成、12月14日、21日の両日運行し、大幅なCO2削減とトラックドライバー不足に対応した。

さらに、九州~大阪の貨物鉄道輸送のダイヤにゆとりがあることに注目し、その区間をビン、樽、パレットなど空き容器の返還といった静脈物流に利用するプロジェクトを進めている。現在、早期に500km以上の静脈物流でのモーダルシフト率50%達成を目指している。

最近物流業界を悩ませている労働力不足に、モーダルシフトとともに取り組んでいるのが、トラック輸送の効率化だ。輸送力の確保が懸案となっているが、物流部門のみの改善では限界があり、営業部門との連携を強化している。得意先への納品時間のピークをずらす施策を取り入れた。

納品のピークが午前中に集中しておりで、トラックの有効活用が制限されていた。そこで、納品時間の午前中から朝一届けや午後届けへ変更することでピークを緩和し、車両の効率化を図っている。

また、庫内の労働力不足への対策として、新たなマテハン機器を導入している。酒類、飲料の物流の中で、手間がかかるのは庫内でのピッキングだ。3000ケースを扱えるオートケースピッカーを2014年に取り入れた。清涼飲料水、洋酒など少量多品種の貨物を出荷する際の業務の平準化を図っている。フォークリフト台数の削減を目指し、2015年内には運用をかためる。

アサヒビール経営企画本部物流システム部の児玉徹夫部長は、「『協調と競争の領域を分ける』のが、当社の方針。協調領域においては、業界の枠を超えて積極的に共同・連携の取組みを推進していく。また、資産の共有化として、ビール用パレットの共同使用の推進と管理強化による環境負荷低減を目指していく」と話す。

共同配送については、「キリン社とは、両社拠点の立地を活かし、出荷拠点として相互の物流拠点を活用している。主に首都圏での小ロット貨物をエリアごとにお互いの物流拠点に集約し、配送ロットのアップと配送距離の短縮を図っている。今後もグループ内外のインフラを最大活用し、業界内外と連携した物流改革を進めていく」と意気込みを語っている。


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