インタビュー
株式会社タカラトミーマーケティング

納品改善で三方よしの物流を実現

タカラトミーマーケティングは、タカラトミーグループのロジスティクス事業部門として、様々な物流改善に取り組んでいる。最近では、繁忙期における納品の改善において、神戸(兵庫県)で納入先の玩具専門チェーン店、協力物流会社、自社の三方よしの成功をおさめた。

納品改善で三方よしの物流を実現

玩具業界では、9月はクリスマス・年末商戦に向け、繁忙期を迎える。タカラトミーの商材は、SKUが多く、荷姿も様々な上、短期間で大量納品するため、荷受側の作業の負荷が大きいという問題点を抱えていた。トラックが一挙に納品にくると荷受けする量販店のセンターが混雑し、作業効率が悪くなれば、器物破損事故や納品先の残業が発生する。

また、納品するタカラトミーマーケティングでも、一括で大量に納品するため、メイン物流拠点である市川ロジスティクスセンター(千葉県、以下市川LC)では、夜遅くまで納期に間に合うように出荷作業を行い、残業となっていた。無事、商品を送り出し、トラックが午前九時に到着しても、午後にならないと荷降ろしができないような混雑が起きると待機料が発生する。すると、次回トラックを配車する際も希望の台数、料金で依頼できないといった事態が起きていた。

この納品先での混雑、配送するトラックの待機、自社内での作業効率の低下といった問題を解決するべく取り組んだのが、納入先の近くに自社の物流をまとめるセンター前センターを開設する試みだった。神戸の納品先センターを運営する物流会社が、近くに別の物流施設を保有していたため、そこを一時保管用施設として賃借した。

納期前日に一時保管施設へ商品を納入し、バラ積みだった商品をパレタイズしたり、センターが混雑していない時間帯に横持ち移動できたりするため、余裕をもって荷受けできる。センターでの作業が平準化したことにより、事故の危険、残業が削減した。

市川LCでも、大量の車両を一気に一日で手配せず、2日間に分けて配送を依頼できるため、庫内作業の生産性アップ、平準化が実現できた。

ロジスティクス事業本部オペレーション推進部の村上義己部長は、「センター前センターを置くことは、費用がかかるので一見コストアップするかのように感じるかもしれないが、トータルコストをみると改善効果が高かった。納入先での作業の平準化する事によるお客様へのサービスの提供(単に残業代として掛かっていたコストを弊社のサービス代として使う事によるメリット)、市川LCの効率アップ、物流会社の無駄の少ない配車計画を考えるとメリットが大きい」と話す。

2014年末は同じような発想で、中部の量販店納品先でも一時保管のセンター前センターを利用。物量と荷受を調整することで、こちらも三方よしを実現させた。

今後、中国から日本への輸入の改善を進めていく。グループの商品の一部の検品作業を中国へ移管し、数量の調整や品質の保持を図る。生産地側での物流をより効率化し、日本国内での物流改善につなげていく考えだ。

村上氏は、「玩具は部材の調達から生産、販売まで一般的に約3ヶ月かかり、生産リーダタイムが長く保管の期間もかかる。製・販とも協力し、適正な在庫、ムダ・ムリ・ムラのない輸配送計画が、経営への貢献に重要になってくると考えている」。

今後の展開について、「現在行っている家電量販店の共同配送、玩具専門チェーンセンター納品共同配送など含め、これからも荷主、物流会社ともに協力体制を築いていく。1社でできることには、限界があるが、様々な会社が知恵を出し合うことで、よりよい物流を実現してきたい」と意気込みを語っている。


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