CREフォーラム レポート
株式会社セブン銀行

(レポート)セブン銀行 新規事業創造への挑戦

セブン銀行の会社概要

セブン銀行の会社概要

セブン銀行は、2001年4月、セブン&アイ・ホールディングス傘下の銀行として設立され、2017年3月末現在、従業員数は472人、経常収益は1,131億円で、経常利益は389億円になります。

ATMの設置台数は全国に2万3,000台以上、提携金融機関は600社超という、国内有数のATMネットワークを築き上げています。

今でもATMの設置台数は、年間1,000台のペースで増やし続けています。これは単に売り上げを伸ばすためではなく、台数を増やすことでお客様との距離が縮まり、利便性が高まり、結果ビジネスが拡大するという発想から進めています。

当社が現在の挑戦風土のある企業になれたのは、設立時に銀行免許を取得する際に、「3年以内の黒字化」という条件があったため、ベンチャーマインドが醸成されたからだと考えています。

新しいビジネスモデルの構築~ATMサービス事業を中心に据えた銀行~

(1) 提携金融機関からいただく手数料で成り立つビジネス
当社のATM事業を中心としたビジネスモデルは、融資や投資等の運用により利益を得るという従来の銀行のビジネスモデルとは異なります。お客様からいただくATM取引手数料は提携金融機関が決定し、当社は提携金融機関から代行手数料をいただく仕組みです。これにより、提携金融機関は当社ATMを自行の顧客に合わせ、戦略的に活用できるという、プラットフォーム事業を展開しています。

(2) いつでも、どこでも、誰でも安心して使えるATMサービス
今でこそ、ATMが24時間365日稼働しているのは当たり前のことですが、セブン銀行を設立した2001年当時は、夜間はほぼ使えませんでした。。そこで私たちは、24時間365日使えるATMネットワークを自分たちでつくり、いつでも、どこでも、誰でも安心して使えるATMサービスの提供を始めました。

インターネット技術による再編~業務委託先を含めた全体最適化~

当社は常にIT技術を取り入れて自己革新を行なっています。例えば、ATMの防犯対策。異なる企業が提供するさまざまな警備機器と運用システムを組み合わせて使うのが一般的ですが、当社はこれらをすべて統合的にデザインしています。例えば、「ATMの防犯用ボタンが押されると、そのエリアにいる警備員に情報が送られて、もっとも近い場所にいる警備員が急行する」など、運用の自動化の仕組みを随所に作り上げています。

現金管理の革新~データ突合による現物突合の極小化~

また、現金管理の面においても、私たちはIT技術を導入して革新的な取り組みを行いました。定期的に行う現金突合を極小化するためのビッグデータ管理システムを構築することによって、ローコストな業務運営を行えるようになっています。

ユニークなサービス展開~お客様中心のアプローチ~(海外発行カード対応・海外送金サービス)

当社は提携金融機関と競争するのではなく、共存共栄していくことを大切にしています。そのため、既存にはないお客様視点での独自サービスの開発に積極的に取り組んできました。

その1つが、来日外国人向けの「海外発行カード対応サービス」です。海外で発行されたキャッシュカードやクレジットカードは、券面やセキュリティ仕様が日本の仕様と異なりますので、ATM本体も含め難易度の高いシステム開発を乗り越え提供できています。日本を便利な国にし、観光振興を推進する一助になっていると確信しています。

もう1つは、在住外国人向けの「海外送金サービス」です。日本の労働力不足の解消に少しでも貢献したいという思いで、多言語対応を進めたり、民間の国際送金ネットワークを使うなど、独自の発想でサービス提供を実施しています。仕事帰りの買い物ついでに母国へ送金できる、そんな生活の一部に当社のサービスを位置付けたいと常に考えています。

時代の変化に合わせて進化

当社は「変化への対応と基本の徹底」をスローガンとして掲げ、日々業務を行っています。よって当社は、ATM自体も時代に合わせてつくり替えており、現在は23,000台以上のATMを第3世代の統一機種で利用しています。2019年に向け次のATM作りにも着手しました。スマホネイティブの若者、あるいは高齢者等、あらゆる世代に使いやすく、また環境にも配慮したATMを目指し、検討を進めています。

新規事業への挑戦~オープンイノベーションを中心に(セブン・ラボ)~

時代の変化スピードはさらに速くなっています。これに対応するため、オープンイノベーションを推進するチーム「セブン・ラボ」を2016年に立ち上げました。

新規事業(現金受取サービスと即払い給与サービス)

当社が取り組んでいる新規事業のうち、代表的な2つをご紹介します。

(1) ATMとレジで口座不要の現金受取サービス
1つ目は、現金受取サービスです。ネット通販で購入した商品の返品により生じる返金等の送金を、紙幣はセブン銀行ATMで、千円未満はセブン銀行ATMでのnanacoチャージ、またはセブン-イレブンのレジで受け取ることができるようになります。2018年の春から開始する予定です。

個人のお客様は、電子メール等で企業から送付される番号をセブン銀行ATMに入力するだけで現金を受け取ることができるため、口座情報を企業に知らせる必要がなくなります。

(2) 即払い給与サービス
2つ目のサービスは、即払い給与サービスです。これは、セブン銀行が提供する「リアルタイム振込機能」と、ドレミング株式会社が提供する「リアルタイム給与計算機能」を組み合わせたサービスです。昨今、働き方が多様化しているにもかかわらず、いまだに給料の支払いは、月末締めの翌月末払いが大半です。このような慣例となっている給料や報酬の支払い方を変え、欲しいときにそれらを手に入れられる環境を整えるのが「即払い給与サービス」です。

現在、このサービスの実現に向けて取り組んでおり、2017年秋にサービス開始を予定しています。

引き続き「スマートフォン」「新たなスタイル」「働き方多様化」「口座レス決済」「決済多様化」をキーワードに、時代の変化に対応した新しいサービスを提供していきます。

業界を超えたネットワークづくり

イノベーションは新たな知の結合から産れますので、当社も引き続き他業界との連携を進めていきます。そのためにも、スタートアップ企業をはじめ、他業界の方々との新しいネットワークを自らつくり続けなければならないと考えています。是非、物流・倉庫業界の方々とも連携し、新たな知の結合を行っていきたい考えており、情報交換の機会をいただけますようお願いします。

新規事業を推進するために~人材発掘~

新規事業を推進していくために、社内の協力は欠かせません。事業遂行をしていく上で、自律的に動く小さなチームを作り、走りながら考え、流れを作っていくことが重要だと実感しています。加えて、「やりたい人を募る」、人材発掘を心がけています。手を挙げれる環境づくりや機会提供、共同ワーク。その中で、覚醒の可能性を感じれば、次のステップにという形で、取り組んでいます。

基幹事業と新規事業に共通すること~お客様のニーズ変化への対応~

後半は新規事業を中心にお話ししましたが、基幹事業と新規事業には重要な共通点があります。それは「お客様のニーズの変化に対応していく」ということです。今後も、私たちは、お客様のニーズを第一に考え、事業に取り組んでいきたいと考えています。

講師紹介

株式会社セブン銀行 常務執行役員
松橋 正明 (まつはし まさあき) 氏

株式会社セブン銀行 常務執行役員
松橋 正明 (まつはし まさあき) 氏

ITエンジニアのスキルを活かして、ビジネスやサービスを開発する開発するITアーキテクト。

2001年セブン銀行(当時IYバンク銀行)設立時より、ATM事業のサービス/IT開発に従事。海外カード、インターホン取引など他ATMに先行しサービスを実現。2016年より新規事業推進チーム「セブン・ラボ」を立ち上げ、オープンイノベーションや産学連携、AI活用など、多岐に渡る活動を展開中。

募集要項

イベント名 第38回CREフォーラム|『新事業創造への挑戦』
日時 2017年 8月21日(月) 14:30開場 15:00開始 16:40終了
会場 虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階
東京都港区虎ノ門2-10-1
参加対象者 荷主企業 様、物流会社 様
参加費/定員 無料/70名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング室
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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