CREフォーラム レポート
オイシックス・ラ・大地株式会社

(レポート)オイシックス・ラ・大地 売れ続ける仕組みづくり ~デジタルマーケティングで売上の壁を越える方法~

会社概要

会社概要

オイシックス・ラ・大地株式会社
執行役員 CMT
兼 株式会社シンクロ 代表取締役社長 
西井 敏恭(にしい としやす)氏

オイシックス・ラ・大地株式会社は、「オイシックス」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」等、有機野菜や添加物をなるべく使わない加工食品など安心・安全に配慮した食品の宅配サービスを主に提供しています。

私たちは、「これからの食卓、これからの畑」を理念として掲げて、豊かな食卓を作ることをミッションにしています。また、2年前の中期成長戦略において、「食」×「サブスクリプション(定期購入)コマース」の圧倒的No.1プレイヤーへの成長を目標に掲げ、事業を展開しています。

「マーケティング」の日本語の意味

本日は「デジタルマーケティングで売上を上げる」という話を中心にしますが、本題に入る前に、まず「マーケティング」の意味をおさらいします。マーケティングというと、商品開発や市場調査、広告、プロモーションのことだと思われがちですが、私はマーケティングの根本的な意味は、「売れる仕組みづくり」「買いたい気持ちづくり」のことだと捉えています。

自社の正しい現状分析

企業にとっての最重要課題である「売れる仕組みづくり」のために、最初に行うべきことは、自社の現状分析です。その分析をもとに、売れる仕組みを構築し、接客し、集客するという、このサイクルを回していくことが売上を上げるためには重要です。

現状分析で売上を見るにあたっては、既存顧客からの売上と新規顧客からの売上を分けることが肝要です。両者を分けて分析すると、売上が伸びない原因が、継続率の悪さにあるのか、年間購入金額の少なさにあるのか、新規顧客の少なさにあるのかというのがわかります。

売れる仕組みの変化(オフラインからオンラインへ)

現状分析をした上で、自社の売れる仕組みを考えていくわけですが、オフライン中心の時代とデジタル中心の時代ではその仕組みも変化しています。

オフライン中心の時代は、まず、テレビや新聞に広告を打ち、その広告に興味を持った人から電話やFAXで注文が来ます。
その後、DMや電話などで、継続して購入してもらえるようにコミュニケーションをとっていきます。

一方、デジタル中心の時代になると、従来のような広告ももちろんありますが、検索やSNSなどを通じて自社ウェブサイトにユーザーが来る場合が多くなります。そこで、サイト上でコミュニケーションをとったり、またメール等で、継続して使ってもらえるようにお客様とやりとりをします。デジタルマーケティングにおいては、広告による集客、自社ウェブサイトでの接客、長期で使い続けてもらうためのコミュニケーションの3点が重要になります。

オイシックスのデジタルマーケティング

ここで、オイシックスではどのようなデジタルマーケティングを行っているかを紹介します。

・集客
オイシックスでは、まず集客のために、野菜を中心とした「お試しセット」を準備しています。最初に来たお客様には、オイシックスの主力商品であり、また継続購入に結びつきやすい野菜を使ってもらえるような体験設定をしています。

・接客
次に、継続してオイシックスを使ってもらうために、私たちは定期購入という仕組みを作っています。「おいしいものセレクトコース」「Kit Oisix献立コース」「プレママ&ママコース」という3つのコースの中から選択してもらい、毎週あるいは隔週お届けするという仕組みです。

・長期的に使い続けてもらう
さらに長期的に使い続けてもらうために、たくさん買ってくださるお客様のためだけのVIP専用売り場を設けたり、使えば使うほど得になるポイント制度も作っています。

売れる仕組みづくりの注意点

今、オイシックスの例を紹介しましたが、売れる仕組みづくりには大事な点が4つあると考えます。
1つ目は、集客ポイントを間違えないということです。
集客は大変重要で、最初の体験設計がずれていると、1回目の購入後、顧客がなかなか定着してくれません。
2つ目は、2回目以降定期的に使ってもらえる受け皿を用意しておくということです。
3つ目は、購入後のコミュニケーションです。
4つ目は、定期的に利用してもらえる仕組みを作るということです。

顧客の継続率を上げる(1回の利用から2回目へ)

一般的に顧客の継続率は、1回目から2回目にがくっと落ちて、その後、3回、4回と回を重ねるごとに安定してきます。
つまり、1回使ってもらったお客様に2回目も使ってもらうというところが継続率向上の鍵になります。

・プロダクト面の工夫
1回目から2回目へと継続してもらうためには、2つの面の工夫が必要です。まず1つ目はプロダクト面です。プロダクト面においては、初回利用を短めに設定することと他社との違いがわかる実感度の高い商品を最初に使ってもらうこと、そして、もっと続けてみたいと思う信頼関係を築くことが重要です。

・コミュニケーション面の工夫
2つ目は、コミュニケーション面の工夫です。2カ月以内リピートしないお客様は、それ以後、リピートすることはないというデータがあります。それゆえ、初回の契約の利用日数は短く設定し、一度利用してもらったらすぐにお客様とコミュニケーションをとり、継続使用してもらうことが重要になってきます。
まめな連絡、もう1回使いたくなるオファー、忘れられないための期限設定とリマインド等の丁寧なコミュニケーションが、2回目も使ってもらえるキーになります。最近は、即時性のあるデジタル技術を活用することで、お客様との適切なタイミングでのコミュニケーションがしやすくなっています。

最後に:オフライン中心企業がデジタルへ転換する際の留意点

最後に、今までオフラインが中心だった企業がデジタルに転換する際の留意点をお話しします。

ウェブ(オンライン)とオフラインは特性がかなり異なるので、オフラインで売れる仕組みが作れていても、同じやり方ではウェブでは通用しないことがあります。

・「比較しない情報」から「検索(比較)できる情報」へ
ウェブの特性の1つとして、検索して他の商品と比較できるという点があります。例えばオフラインで「コラーゲン1,000ミリ入って、たったの1万円」という広告を打ってうまくいっていた化粧品があったとしても、同じ文面をウェブに出したら、検索でそれより安い商品があるということがわかってしまう場合があります。そのため、情報の出し方は、オフラインのときとは変えていく必要があります。

・「一方的発信」から「双方向」へ
オフラインのときは企業からの一方的発信だけでしたが、ウェブ上では、お客様からのさまざまな口コミや意見を閲覧できます。お客様からの悪い口コミや意見があったら、その意見を取り入れ、商品を改善していくことが求められてきます。

オフラインでは、商品に対する自社のこだわりや思いを伝えられるという良い面もあります。オンライン、オフラインのそれぞれの特性を踏まえて、それに合った方策を考え、売れる仕組みづくりを構築していくことが重要だと考えます。

講師紹介

オイシックス・ラ・大地株式会社
執行役員 CMT
兼 株式会社シンクロ 代表取締役社長 
西井 敏恭(にしい としやす)氏

オイシックス・ラ・大地株式会社
執行役員 CMT
兼 株式会社シンクロ 代表取締役社長 
西井 敏恭(にしい としやす)氏

1975年福井県生まれ。2001年から世界一周の旅に出る。帰国後、旅の本を出版して、ECの世界へ。各社で10年ほどECを経験し、株式会社ドクターシーラボにてデジタルマーケティングの責任者を務め、2013年末に退社し独立。起業しながら、オイシックス(現オイシックス・ラ・大地)に2014年にジョイン。オイシックス・ラ・大地株式会社では執行役員CMT(チーフマーケティングテクノロジスト)としてサブスクリプションモデルのEC戦略を担当している。

企業 オイシックス・ラ・大地株式会社

募集要項

イベント名 第52回CREフォーラム|オイシックス・ラ・大地 売れ続ける仕組づくり~デジタルマーケティングで売上の壁を越える方法~
日時 2019年 3月 15日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了
会場 虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階
東京都港区虎ノ門2-10-1
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 無料/70名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティングチーム
担当:
石原圭子(イシハラ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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