CREフォーラム レポート
株式会社 MUJIN

(レポート)MUJIN 知能ロボットコントローラによる 物流現場でのロボットピッキング自動化

会社概要

会社概要

株式会社 MUJIN
営業本部長
海野 義郎(うみの よしお) 氏

MUJINは、2011年7月に設立され、現在、従業員数が約100人の産業用知能ロボットコントローラメーカーです。ハードウェアであるロボット自体を作る会社ではなく、コントローラというロボットの脳味噌を作るソフトウェアの会社で、「ロボットをソフトウェアの力によって自動化し世界の生産性向上に貢献する」ことを企業使命としています。

MUJINがロボットを知能化して展開する3つの事業

私たちは、「MUJINコントローラ」でロボットを知能化して、3つの事業を展開しています。

1つ目は、FA(工場自動化)向けソリューションです。これは、ティーチングを不要にすることで、従来の技術では難しかったばら積みピッキングを可能にし、工場自動化を加速させていく事業です。

2つ目は、コントローラOEMソリューションです。例えば、工作機械内蔵のロボットアームの制御等を行う、汎用知能コントローラのOEM提供などが該当します。

3つ目は、物流向けソリューションです。倉庫物流上流のデバンニングから中流のピースピッキング、下流のパレタイジングまで、さまざまなロボット自動化アプリケーションを提供する事業です。

物流業界を取り巻く環境とロボットの需要

本日は、3つ目の物流向けソリューション中心の話になりますが、物流の現場でロボット導入が急務である理由はいくつかあります。

現在、世界中でeコマースの市場が拡大し続けており、倉庫作業を担う労働力の確保が重要になっています。にもかかわらず、日本の労働人口は、現在、1日に約2,000人減少しています。また、倉庫のオペレーション費用も年間8%増加していて、4年後には1.5倍になると言われています。

このように物流業界における需給ギャップはどんどん拡大しているので、限られたリソースで高い生産性を目指さなくてはなりません。つまり、物流の世界においては、製造業以上にロボットが必須の時代となっているのです。

産業用ロボット3大問題

物流の現場においてロボットが必須であるにもかかわらず、完全自動無人倉庫が増えていないのは、お金の問題ではなく、ロボットが根源的に持つ3つの技術的な問題が関わっています。

1つ目の問題は、メーカーごとにロボットの操作方法が全く異なるということです。それぞれのメーカー間のロボットのインターフェースに互換性がなく、使い勝手が悪いという問題です。

2つ目の問題は、ロボット操作が非常に難解で、ティーチング(プログラミング)はプロにしかできない高度に専門的な作業である点です。

3つ目の問題は、センサーと連携する知能化が難しいという点です。実際にロボットを現場で活用するためにはさまざまなセンシング技術と組み合わせて臨機応変に動かすことが必要になるのですが、それをできる人材はプロの中でもさらに限られます。

3大問題を解決するロボットコントローラ

そこで、私たちは、上述の3大問題を解決するロボットコントローラを開発しました。それが、どのロボットも同じ操作性で使え、ティーチング不要で、センサーとの連携を含めた知能化が容易にできるロボットコントローラ、「MUJINコントローラ」です。

MUJINコントローラの技術の特徴 ~モーションプランニング~

MUJINコントローラは、モーションプランニングAIが搭載された世界で唯一の汎用的な知能ロボットコントローラです。モーションプランニングというのは、ロボットに自分で必要な動作を考えさせる技術です。この技術により、今までロボットを動かすのに必須だったティーチング作業が不要になります。

モーションプランニング技術による物流商品の「認識」

先ほど完全自動無人倉庫が増えない理由を述べましたが、もう一つ、物流倉庫ならではの難しさがあります。それは扱う物の種類の多さです。それは工場の比ではありません。多くの種類の物の特徴をロボットにその都度ティーチングしてピッキング作業を行うのは、とても困難でした。

ピッキング作業には「認識」「動作」「把持」という3つの要素があり、種類が多い物流の世界では、「認識」が非常に難しいです。そこで私たちは、モーションプランニングAIをベースに、高性能3Dビジョン認識という独自技術を開発して、物流の商品を正確に認識することを可能にしました。

MUJINの物流事業戦略 ~知能ロボットをかなめとした完全自動物流センター~

ここからはMUJINが、完全自動無人倉庫化に向けて、現在行っているサービス、また将来的に実現させたいサービスを紹介します。

・デバンニングロボット
これは、コンテナからの荷下ろしを自動化するロボットです。コンテナからの荷下ろし作業においては、カメラでの投影を上からでなく横でからしかできないことと、また作業する環境が日照変化の大きいエリアになってしまうため、正確な物の認識が難しいです。そのため、デバンニングは現在開発途上の段階です。

・デパレタイズロボット
パレット等にランダムに積まれた荷物を下ろす作業をするデパレタイズロボットは、パレットにもカゴ台車にも対応可能で、事前情報は一切不要、積み方も問わず、荷下ろし作業を自動化できています。スーバー、ホームセンターなどの小売業のDCやTCなどで、現在最も現場導入が進んでいるロボットです。

・ピースピッキングロボット
これは物流センターの大部分を締めるピッキング作業を自動化するロボットです。ピースピッキングロボットに限らず、能力に影響を与える重要な点があります。それはロボットのレイアウトです。この事例では、カメラを2台併用し、ピックポイントを二カ所に設ける事で、ロボットの能力を大きく引き出せます。

・ソーター投入ロボット
これはトータルピックした混載コンテナから商品を自動でソーターへ投入するロボットです。比較的能力が高く、ソーターへの投入口で使われるケースが多いです。

・パレタイズロボット
これはさまざまな荷物を最小限の隙間で最適積み付けをするロボットです。パレタイズは物を積んでいく作業なので、マテハン機器メーカーとの連係プレーになります。MUJINが事前に積み付け計算を行い、それをマテハン側に情報伝達し、マテハン側が順立ててロボットに荷物を流す事で実現されます。

物流センター自動化の例

ここからはMUJINが行った物流センター自動化の具体的な例を紹介します。

1つ目は、アスクル株式会社で行った事例です。私たちは、アスクル株式会社とロボティクス技術開発に関わる業務提携契約を締結し、ピッキング工程をロボットにより自動化する研究開発・実証実験・導入を進めています。多種多様な商品を扱う必要があることから自動化が難しいピッキング工程において、ピッキングロボットの継続的な機能向上を押し進め、物流センターにおける生産性の向上を行っています。

2つ目は、株式会社PALTACで行った事例です。PALTACが新たに開設した次世代型システムを導入した物流センターに、さまざまな形状やサイズの箱を認識するMUJIN独自の3DビジョンシステムとMUJINコントローラによって高度に制御されたデパレタイズロボットを導入し、重労働工程へのロボットケースピッキングによる自動化を実現しました。

「物流=戦略」と考える会社とともに

ロボットは、使う側が持つノウハウで能力が変わってきます。ノウハウの蓄積があればあるほど、ロボットをうまく使いこなせるので、ロボット化、自動化を考えている皆様には、なるべく早く導入することをお勧めします。

私たちは、物流は「コスト」ではなく、「戦略」だと捉えています。MUJINの知能ロボットコントローラを使用したピッキング工程の自動化を通じて、私たちと同じように物流を「戦略」と考える会社様のサポートを今後もしていきたいと思っています。

講師紹介

株式会社 MUJIN
営業本部長
海野 義郎(うみの よしお) 氏

株式会社 MUJIN
営業本部長
海野 義郎(うみの よしお) 氏

一橋大学卒業後、日本興業銀行に入社。その後ミスミグループ本社にて、
経営企画室、韓国工場長、中国金型事業責任者、モールド事業部長を歴任。
グローバルの事業責任者として、製造・営業の両面で戦略立案と実行を推進。
2016年に株式会社MUJINに営業第1号社員として入社。
現在、急成長を遂げるMUJINの営業およびマーケティング部門を総括。

企業 株式会MUJIN

募集要項

イベント名 第8回CREフォーラムin大阪|MUJIN 知能ロボットコントローラによる 物流現場でのロボットピッキング自動化
日時 2019年 6月 27日(木) 15:00開場 15:30開始 17:15終了
会場 大阪府大阪市北区芝田2-7-18 『 CIVI北梅田研修センター 』
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 無料/60名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティングチーム
担当:
石原圭子(イシハラ) 近藤玲奈(コンドウ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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