CREフォーラム レポート
参天製薬株式会社

(レポート)参天製薬 グローバルサプライチェーン改革 ~サプライチェーンの向上により海外市場での成長をドライブ~

参天製薬の事業概要

参天製薬の事業概要

参天製薬株式会社
サプライチェーン本部 SCMシステム ヘッド
業務受託コンサルタント
別所 眞 (べっしょ まこと) 氏

参天製薬は、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研究、開発、販売・マーケティング活動を行っています。

現在、60を超える国・地域で製品を販売しており、国内の医療用眼科薬市場においてはナンバーワンのシェアを有しています。

経営ビジョン

参天製薬は眼科に特化している会社なので、今後、ビジネスを伸ばしていくには、海外の売上高を増やしていかなければなりません。現在、海外売上比率は約30%ですが、2020年度にはそれを40~50%に伸ばしていき、将来的には、アジアでナンバーワン、グローバルではトップ3の会社に成長したいと考えています。

導入したサプライチェーンプランニングシステム-「Rapid Response」

将来的に海外での売上げを伸ばしていくために必要になってくるのは、サプライチェーンの計画です。いくらロジスティクスがよくても、計画がよくなければいい結果にはなりません。

そこで、参天製薬は、さまざまなソフトウェア会社を比較検討した結果、複雑な管理をシンプル化することが可能なKinaxis社の「Rapid Response」を導入しました。

「薬」を海外展開するとは

医薬品を海外展開することのメリットは、同じ製品を使ってくれるお客様が増えることにより、全体としてのコストを低減できる点にあります。

一方、海外展開するにあたって、医薬品ならではの困難さがあります。薬は、タンクで調剤しますが、タンクの容量分は「どの製品でいくつ使うか」という割り当てを計画し、委託先に発注しなければなりません。この割り当て計画は複雑なので、手間がかかります。

また、許可承認の制度や、薬の「使用期限残」の扱いは、それぞれの国で異なるので、それも配慮しながら、計画を立てなければなりません。

薬の消費期限(残り何カ月まで取引可?)

卸売会社に売れる薬の最低消費期限は、例えばデンマークは5カ月、フランスは12カ月というように国によって異なります。また、国によっては、ベトナムやカンボジア、インドのように、輸入通関を通る際の消費期限が規定されている国もあります。

消費期限残をどう管理するか?

そこで、薬を海外展開する際には、各国で薬の消費期限が異なるということを頭に入れた上で消費期限残を管理していくことが重要になってきます。

欠品を避けるために、卸売会社に買ってもらえなくなる在庫は廃棄されることを前提に補充計画を作ったり、また廃棄を少なくするために、近未来に卸売会社に買ってもらえなくなる在庫を可視化してプロモーション等の必要なアクションを促すなど、卸売会社が買ってくれる時期を過ぎて余るものを常に最新の需給バランスで計算していきます。

また、廃棄を避けるために、日本や欧州で在庫している製品を輸入通関の消費期限の規定がある国に輸出する場合、その期限に間に合うように警告を出すことが必要になります。

サプライチェーンプランニングシステム「Rapid Response」導入前は、これらの作業を担当者が独自のエクセルで行っていたため、漏れや忘れ、記憶違い等のリスクが多くありました。

「Rapid Response」導入の直接効果

今述べた消費期限残の管理を初めとして、今まで担当者がエクセルという閉じた世界でやっていた作業を、「Rapid Response」を導入することで見える化し、情報を共有することで、協働作業ができるようになり、さまざまな効果を実現できました。

具体的には、今まで作るのに40日かかっていたMRP(資材所要量計画)は20~30日でできるようになり、今後もさらに短縮していくための活動を進めております。また、25日かかっていたKPI(重要業績評価指標)の発行も1~5日でできるようになりました。

また、不確実で遅かった例外の発見も、確実に素早くできるようになり、ローカルだった状況の把握も、グローバルにできるようになり、個々人の暗黙知だったものも、見える化することで組織知にすることが可能になりました。

海外展開に関しては、共通材料の複数製品への割り当て計画や発注が柔軟にできるようになり、また、国によって異なる薬の認可承認においては、可視化されることで協働作業が可能になり、国によって異なる薬の「使用期限残」については、例外管理が容易になりました。

「Rapid Response」を使ったレポート作成

さらに、「Rapid Response」のメリットは、短時間で必要なレポートを自分たちで自由に作成できるという点があります。

また、情報の自動配信も可能で、その情報も、例えばベトナムや韓国といった特定の国の情報のみを自動配信することも可能な点も「Rapid Response」の特徴です。

最後に

参天製薬は、ビジネスを成長させるために海外シェアを増やす必要がありました。しかし、海外への薬の供給にはさまざまな課題があり、エクセル管理では「迅速」、「柔軟」、「効果的」な対応はできませんでした。

そこで、私たちは、Kinaxisのサプライチェーンプランニングシステム「Rapid Response」を導入し、「情報の一元化」、「迅速な対応」、「迅速な計画変更」が可能になりました。

さらに、私たちは、「Rapid Response」を利用してレポートを自分たちで独自に作成し、サプライチェーンプランニングシステムを日々進化させている最中です。これにより、今後の海外展開をより加速させていきたいと考えています。

講師紹介

参天製薬株式会社
サプライチェーン本部 SCMシステム ヘッド
業務受託コンサルタント
別所 眞 (べっしょ まこと) 氏

参天製薬株式会社
サプライチェーン本部 SCMシステム ヘッド
業務受託コンサルタント
別所 眞 (べっしょ まこと) 氏

米国系グローバル企業(Hewlett Packard、Agilent technologies、LS&CO)において、ITマネジメント、サプライチェーン業務を歴任。
現在は、コンサルタントとして、参天製薬株式会社のサプライチェーン組織のグローバルシステムを担当している。

企業 参天製薬株式会社

募集要項

イベント名 第10回CREフォーラムin大阪|『参天製薬 グローバルサプライチェーン改革 ~ サプライチェーンの向上により海外市場での成長をドライブ ~』
日時 2019年 11月 8日(金) 15:00開場 15:30開始 17:10終了
会場 イオンコンパスENDO堺筋会議室
大阪府大阪市中央区備後町1-7-3 ENDO堺筋ビル2階
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 無料/60名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティングチーム
担当:
石原圭子(イシハラ) 近藤玲奈(コンドウ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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