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JR貨物 × シーアールイー主催

「環境型総合物流セミナー」〜倉庫保管と鉄道貨物輸送で見直すこれからの環境型物流〜

「環境型総合物流セミナー」〜倉庫保管と鉄道貨物輸送で見直すこれからの環境型物流〜

2016年7月21日、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)と株式会社シーアールイーは、合同で「環境型総合物流セミナー」を開催しました。“鉄道貨物輸送”と“倉庫保管”という組み合わせは、現在の物流業界が抱える課題にどのようなソリューションを提供するのでしょうか。セミナーの様子をお届けします。

物流業界が直面する課題

物流業界が直面する課題

日本貨物鉄道株式会社
執行役員 関東支社長 犬飼新 氏

物流業界は、CO2の削減など従来からの課題である環境への取り組みに加えて、トラックドライバーなどの人手不足という新たな課題に直面しています。そしてその解決策のひとつとして、AIを活用した自動運転や、倉庫作業の無人化などの開発が進んでいます。

当社は、貨物駅から貨物駅へと、鉄道を用いて貨物を運んでいますが、当然これ単体ではサービスとして完結しません。したがって、駅からお客様のところまでトラックを使うことでサービスを完結させる「複合一貫輸送」のサービスを行っています。

いかに輸送を効率化するか

いかに輸送を効率化するか

株式会社シーアールイー
専務取締役 近藤正昭

当社は、不動産の企画開発、管理、リーシング、物流投資事業、アセットマネジメント事業などを、物流不動産に特化してワンストップで提供しています。

今、物流業界では競争が激化しています。特に注目されているのは、いわゆる「ワンマイル輸送」、つまり近隣での輸送に、皆さん力を注いでおられます。しかし反面、このことにより、労働条件の悪化などの問題が顕在化してきています。

このような状況のなか、「物流施設をどのように配置すれば、輸送を効率化できるだろうか」と我々は日々考えています。今回、その解決策のひとつとして、「鉄道輸送に付随した物流倉庫」をご提案いたします。

なかでも今回ご紹介する「ロジスクエア新座」は、「新座貨物ターミナル駅」から約3kmの距離に開発中の、約7,800坪の物流施設です。当社はこのほか、東京、神奈川、千葉、埼玉を中心に、中小規模の倉庫から1万坪前後の物流施設までを幅広く取り扱っており、ロジスクエア新座やこれらの施設を、配送センターとして鉄道輸送の拠点にお使いいただくことで、皆様の課題解決のお役に立てるのではないかと考えています。

鉄道コンテナ輸送のメリット

鉄道コンテナ輸送のメリット

日本貨物鉄道株式会社
鉄道ロジスティクス本部 営業統括部 営業開発室 係長 渡部純也 氏

埼玉県新座市にあります「新座貨物ターミナル駅」は、1973年に開業しました約4万2,500坪のターミナル駅です。

鉄道輸送は「時間がかかる」と思われることが多いですが、実は、主要都市間の輸送は中1日の3日ほどで行うことができます。埼玉エリアから札幌、福岡へも中1日の3日で輸送でき、その他の区間も、概ねトラックと比べて遜色のない設定をすることが可能です。また列車は、ダイヤで運行が決まっているため、計画的な出荷予定を組み立てる際にも最適な輸送方法といえます。

物流業界においてトラックドライバー不足が顕在化したのは、一昨年秋のことでした。公益社団法人 鉄道貨物協会「平成25年度本部委員会報告書」によると、2020年の東京オリンピックの年をピークに、必要となるトラックドライバー全体の約10%が供給不足になるといわれており、その後も労働力不足やコンプライアンスの問題などを背景に、需給ギャップが広がると考えられています。そういった状況下においては、長距離トラックドライバーを必要としない鉄道貨物輸送も選択肢のひとつとして考えられるのではないでしょうか。

また鉄道輸送は、最もCO2の排出量が少ない輸送モードであるという統計データが、あらゆる機関から出されております。国土交通省によると、鉄道の輸送量当たりのCO2排出量は、トラックの約8分の1です。鉄道貨物輸送は環境型の輸送スキームにつながるといえます。

新座貨物ターミナル駅

新座貨物ターミナル駅

所在:埼玉県新座市大和田2-1-9(駅本屋)
面積:約4万2,500坪
取扱い実績:349千トン(平成27年度)
おもな取扱い荷物:【発送】加工紙製品等、自動車部品、路線貨物、郵便物【到着】製紙品、書籍、路線貨物、食料工業品

「ロジスクエア新座」について

「ロジスクエア新座」について

株式会社シーアールイー
不動産営業本部 リーシング第一事業部部長 本間良生

当社では、2013年6月竣工のロジスクエア草加を皮切りに、ロジスクエア八潮、ロジスクエア日高、ロジスクエア久喜、ロジスクエア羽生を開発いたしました。また、ロジスクエア久喜Ⅱ、ロジスクエア浦和美園、ロジスクエア新座、ロジスクエア守谷、ロジスクエア鳥栖などを現在開発しております。

2017年4月に竣工予定の「ロジスクエア新座」は、関越自動車道「所沢」ICまで約2km、東京都心まで約20km強という好立地に開発中の物流施設です。新座貨物ターミナル駅にも約3kmと近いため、モーダルシフトを視野に入れたお客様にもご検討いただける物件になっています。

3階建てのボックスタイプで敷地面積は約7,800坪。40フィートコンテナが接車できるトラックバースを備え、各階の有効高は6m。環境対応にも取り組んでおり、APRプラチナ認証(土壌汚染対策法に基づく指定基準を超える土壌汚染が確認されない状態)を取得、またCASBEE埼玉県Aランク認証およびBELS評価も取得予定です。

ロジスクエア新座建設予定地

 ロジスクエア新座建設予定地

所在:埼玉県新座市中野1
延べ面積:約7,800坪
建物構造:【柱】鉄筋コンクリート造【梁】鉄骨造 地上4階建て(倉庫階3階)竣工:2017年4月30日(予定)

鉄道と倉庫が機能補完する輸送モデルとは

鉄道と倉庫が機能補完する輸送モデルとは

日本貨物鉄道株式会社
営業開発室室長 松本尚士 氏

今回、「倉庫保管と鉄道貨物輸送で見直すこれからの環境型物流」というテーマを設定させていただきました。では、物流を取り巻く「環境」には、どのようなものがあるのでしょうか。

1つめは「地球環境」、地球温暖化や大気汚染の問題が挙げられます。輸送による対策としては「モーダルシフト(トラックによる幹線貨物輸送を、地球に優しく、大量輸送が可能な海運または鉄道に転換すること)」が考えられます。また共同配送を行ったり、工場を省エネ化したり、車両をグリーン化するなども考えられます。

2つめは「労働環境」、労働力不足の問題です。トラックドライバー不足もそうですが、近年はEC物流が急増し、倉庫作業員の確保もだんだんと難しくなってきています。

3つめは「社会環境」、交通渋滞や安全の確保、コンプライアンスの順守が挙げられます。トラックによる輸送が減れば、交通渋滞や交通事故が減り、環境が良くなるのではないでしょうか。

次に、「鉄道と倉庫をリンクさせることで、どんな相互連携ができるか」を、アイデアとしてご報告したいと思います。

まず、鉄道輸送は「安定的に運べる」「定時で運行できる」メリットがあります。しかし逆にいうと「ダイヤに制限される」ことにもなります。そこで近接の倉庫を物流センターとして使い、配送タイミングを調整します。こうすれば貨物列車の発車時間に合わせて、直前まで出荷が可能になります。

さらに鉄道輸送では、12フィートコンテナをメインに扱います。毎日運行という多頻度輸送ができ、中ロットで運べる。この特徴と倉庫を組み合わせていけば、倉庫の在庫回転率を高められるのではないでしょうか。

レールは全国につながっています。そしてお客様の「倉庫・物流センター」にもつながっていきます。鉄道貨物駅と近接の倉庫を組み合わせて使えば、トラック輸送を短くし、トータルコストの削減につながります。鉄道と倉庫が生み出す価値は、今後、既存の物流会社様も含めて、様々なアイデアを生み出していくでしょう。

募集要項

日時 2016年 7月21日(木)
13:00 〜 16:30
会場 新座貨物ターミナル駅、ロジスクエア新座
参加費 無料

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング部
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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