(レポート)現場と築く運送事業のDX ~事例から学ぶDX展開のポイント~
アセンド株式会社について
アセンドは「物流業界の価値最大化」をミッションとし、事業を推進しています。おもな事業は「システム事業」と「コンサルティング事業」です。
システム事業
運送管理SaaS「ロジックス」の開発・販売を行っています。
「ロジックス」は運送管理業務全体を一気通貫でデジタル化することにより「業務の効率化」と「経営の高度化」を同時に実現。送業の事務現場で発生するおもな業務に対応しており、点呼システムやデジタコとも併せてご活用いただけます。
コンサルティング事業
国土交通省、内閣府、全日本トラック協会、大手荷主企業物流部門、大手・中堅運送企業を主要顧客とし、物流DX関連のコンサルティングを行っています。
DXとデジタル化の違い
DX(デジタル・トランスフォーメーション)は「デジタル技術を用いた経営改革」を意味し、単に個別業務を「デジタル化」するのとは異なります。
DXとデジタル化のおもな違いは以下のとおりです。
DX |
・ビジネスモデルやオペレーション、組織改革までを視野に入れた、痛みをともなう変革 ・社長を含む経営陣がプロジェクトをリードし、全社横断的な改革が主眼 |
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デジタル化 |
・従来のビジネスモデル、オペレーションを前提に自動化やデジタル化を実施((痛みをともなわない改革 ・個別の事業部における取組、ツール導入が主眼 |
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DXとデジタル化は、プロジェクトの進め方も投資の性格もまったく異なります。DXのプロジェクトの基本方針は「内製化」「アジャイル開発」「システムの抜本改善」であり、長期投資を前提とした規模の大きい投資を前提とします。
持続的なDX推進のポイント
DXを持続的に推進させていくためには、体制づくりが欠かせません。従業員への「DX教育」、業務を達成するための「組織改革」、それらを機能させるための「制度改革」が必要です。
①DX教育
DXの肝はデジタル。経営層と現場がデジタルについての正しい理解を持つことが重要
②組織改革
DXはツールの導入ではない。DX効果を最大化する組織改革がセット
③制度改革
組織を動かすためには制度が必要。KPIの設計とDXへの貢献を評価する人事制度が必要
またDX人材を育成するためには、予算編成を含む裁量を委譲することで機動力と修正力を高め、短期的な成果ではなく中長期的な価値創造に向けて責任を付与することが重要です。
【DX人材の裁量】
・アジャイル開発を推進するにあたり、リーダーには予算運用を含む強い権限を与える
・リーダーからメンバーに対して個別の課題検討における意思決定の裁量を付与し、スピード感を持ってPDCAを回せるようにする
・細かなルールではなくビジョンやカルチャーによる統制を心がける
【DX人材の責任】
・短期的なP/Lを意識するのではなく資産性の高いBS思考、中長期的な視点での価値創造に責任を持たせる
・DXは社運を賭けた取り組みであり、描いたビジョンの実現が全社の命運を左右することを認識させる
・経営層は、DX推進チームの責任の特殊性を社内に広く周知し、短期的な成果のみに着目した批判等が生じることを未然に防止する
柳川合同について
柳川合同グループは、福岡県柳川市に本社を置き、また九州、関西、関東に11拠点を持ち、おもに家具や家電の輸送を行っています。
ウイング車、平ボデイ車など幅広い車両を保有しており、長距離から地場まで配送をカバーしています。
DXに踏み切った背景
DXに踏み切る以前、柳川合同では、管理表や帳票が多数存在し、入力作業が重複、漏れも発生し、Excelを中心とした業務基盤は限界を迎えていました。そこで「ロジックス」を導入し、業務基盤の刷新に踏み切ることにしました。
DX推進の具体的なエピソード
①営業所への「ロジックス」導入の効果
営業所では、配車時にいくつものExcelに情報を入力する必要があったこと、そして入力漏れが発生していたことが課題でした。そこで「ロジックス」を導入したところ、一度の入力作業で漏れなく配車できるようになりました。また、請求に関しても漏れなく行えることが導入検証で証明できたので、ほかの営業所へも展開することにしました。
② ほかの営業所への展開について
営業所によってはこれまでの運用方法を変えるDX推進に抵抗感を持つところもありました。そこで営業所に直接出向いて、DXを推進する意義、「ロジックス」を導入することで、どのように効率的になるのかを丁寧に説明し、少しずつ理解を深めてもらいながら展開していきました。
③ DXを持続的に推進できている成功要因
会社組織を成り立たせるには、従業員皆が一枚岩にならなければいけません。柳川合同グループは、毎週のミーティングや、会社の理念を改めて確認し今後の目標を共有する場を設け、代表や役員とのコミュニケーションを活発化させることで、皆が同じ方向を向き、行動しています。そういった組織風土を維持していることが、DXを推進できている理由だと考えています。
④今後の展望
今後は輸送の配車だけでなく、車両の管理、ドライバーの管理、労務管理に関してもDXの幅を広げていきたいと考えています。また九州、関西、関東、すべての拠点で「ロジックス」を上手く使いこなせるよう改善していく予定です。
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■講師
ascend株式会社 取締役 カスタマーサクセス責任者 森居 康晃 氏
株式会社柳川合同トランスポート 運行部 部長 椛島 智宏 氏
株式会社柳川合同 SE部 主任 石原 正直 氏
募集要項
イベント名 | 現場と築く運送事業のDX ~事例から学ぶDX展開のポイント~ |
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日時 | 2023年5月30日(火) 16:00~17:00 |
会場 | オンライン受講(Zoom) |
参加対象者 | 運送事業者様、荷主企業様(物流部門) 、 物流DXにご関心をお持ちの方 |
参加費/定員 | 参加費無料 / 定員100名 |
本件に関するお問合せ
- お問合せ先:
- 株式会社シーアールイー マーケティンググループ
- 担当:
- 瀧川(タキカワ)
- メール:
- leasing_mail@cre-jpn.com
- 電話:
- 03-5570-8048