アスクルの物流・配送部門を担当するBizexは、“はたらくひとによろこびをお届けします”というポリシーに基づき、配送スタッフの徹底した教育、顧客ニーズに適応するサービスを推進している。ドライバー教育のみならず、EC物流の外販取り込みにも力を入れ、高品質物流サービスの提供を図っている。物流の「ラストワンマイル」を担うドライバーの教育、少量多品種できめ細かな配慮が必要となるECサポート事業を推進する同社の責任者に話を聞いた。
品質向上はドライバー教育が鍵
左:矢頭英徳・物流企画部長 右:前田耕太郎・ECサポート事業部長
正確かつスピーディな配送が要求される小口輸送において、決め手となるのは、商品の品揃えもさることながら、顧客と接するドライバーの品質だ。実は、顧客がオフィス用品の業者を変更する理由は、商品に関するものを除くと、ドライバーへの苦情が多いのだという。そこで、ドライバーを「コンシェルジュサービスドライバー」(CSD)と名付け、顧客のあらゆる要望に対応し、顧客に感動を届けることのできるドライバーの育成に力を注いでいる。また、同社の小口配送便を「コンシェル便」と名付け、より品質の高いサービス提供を目指している。
そのため、自主的に考え、自律的に行動するドライバーになるための研修を新入社員、新規の協力会社のドライバーに実施している。ロールプレイング研修では、実施中に研修中の様子をビデオに撮り、お互いに長所・短所を指摘しあい、お互いを高めあっている。物流企画部長の矢頭英徳氏は「顧客との接点が一番多いのが、CSD。顧客の潜在的ニーズを読み取れるような人材育成をしていく」と意気込む。 また、今後よりロスのないきめ細かな顧客サービスを実現するため、都内のトランスファーセンター(TC)を増加することを検討している。矢頭氏は「地域ごとに配送の拠点があるのが理想。車両の回転率を上げ、ドライバーの拘束時間を短くし労働環境を改善したい。今後も顧客の様々なニーズに対応することで成長してきたアスクルの戦略を物流面から実現できる体制を整備していきたい」としている。
さらに、ECサポート事業では外販比率向上を目指し、事業を推進している。2013年7月より、Yahoo! JAPAN出店者向け物流事業を開始した。アスクルの庫内作業・配送を担当してきた強みを生かし、当日・翌日配送にも対応が可能。商品1個から、JANコードのない手作り品の対応、先入れ・先出し管理、賞味期限管理、ロット管理など様々な顧客の要望にきめ細かく対応している。EC事業者は入出荷、在庫管理、配送などに煩わされることなく、Bizexのインフラを利用でき、本業に集中できる。 ECサポート事業部長の前田耕太郎氏は、「ボールペン1本から配送するアスクルの物流を実現してきた当社だからこそ、Bizex管理システム(WMS)を生かし、入荷、検品から配送までストレスのない物流を実施できる」としている。また、「今後も全国でのサービスの標準化、さらなる品質向上を目指し、お客様に煩わしい物流作業や配送に悩まされることなく本業に集中していただけるようサポートしていきたい」と話している。
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