電子部品輸送のプラットフォームを国内外で構築

インタビュー
株式会社アルプス物流

アルプス物流は電子部品輸送に関する長年のノウハウを生かし、国内外できめ細かなサービスを推進している。日本での配送、保管、輸出入から始まり、日本の製造業の海外移転に伴い、中国・ASEAN(東南アジア諸国連合)・北米を中心に、自動車・スマートフォン関連を始めとする電子部品や半導体などの輸送需要に対応している。日本での配送、輸出入貨物取扱、保管、国際物流のすべての電子部品に関する物流を「グローバルワンチャンネルサービス」で提供している。

電子部品輸送のプラットフォームを国内外で構築

中国でも、日本で培った高品質なサービスを生かし、トラック輸送サービス「アルプス特快便」を展開。天津~上海、上海~広東など東北・華北・華東・華南にそれぞれネットワークを持っている。広大な中国でも高速道路網の発達により、トラック輸送も従来に比べ、質が高まっている。一般的な航空輸送よりリードタイム、輸送コスト、品質でメリットある。中国では保税区、輸出加工区を活用するメーカーが多いが、輸送や税金にまつわる複雑な手続きがあるため担当者を悩ませることもあり、アルプス物流が長年のノウハウを生かしサポートすることでスムーズなビジネスをサポートしている。

最近では、韓国での高度な3PLサービス需要が高まっている。2014年には釜山に海上貨物、仁川へ航空貨物の拠点を設置し、韓国で流通する電子部品の保管、ジャスト・イン・タイム配送を実施している。拠点が手薄だった欧州でも、2014年にはドイツの駐在員事務所を現地法人に昇格させ、欧州での需要対応のための整備を行った。今後欧州、ASEAN、北米など電子部品輸送需要のある地域には、最適サービス提供にふさわしい拠点を展開していく。

日本国内では、セットメーカー約150社をはじめとする約1200事業所への納入実績を持っている。また、電子部品共同配送サービスを実施。拠点間幹線便が1日約200台、定期集配便が1約450台運行しており、定時定ルートで荷主から好評を得ている。

電子部品の小型化、セットメーカーの少量多頻度配送の希望により、部品メーカーからのアウトソースニーズが伸びている。部品メーカーが自社でトラックを仕立てるより、この共同配送網を利用することで、積載効率よく、コスト、納期、品質なども安心のサービスを活用できる。

また、アルプス物流は独自開発した倉庫運用システム(ACCS)を運用している。ACCSは電子部品に要求される高精度な倉庫運用に必要な様々な機能を備えており、全世界の拠点で同じ作業・教育がなされているため、安定した品質を提供できる基盤となっている。システムを通じてWEB上でいつでも各地の在庫が確認できるため、拠点間の在庫移動や生産計画の変更などスムーズに行える。

安部繁・事業企画部長(現・ドイツ法人社長)は、「1980年代後半から外販獲得、電子部品物流のプラットフォーム構築、物流に関するワンチャンネルサービスを推進してきた。モノづくりを熟知した物流企業だからこそなしうる高品質なサービスで、グローバル展開を加速させるメーカーを物流面からサポートしていく」と語っている。


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