パナソニックは、堅牢なパソコン開発と宅配ドライバー向け端末や倉庫での業務端末などを開発してきた歴史を生かし、物流・製造・販売など様々な業界で活用されるタブレット端末「TOUGH PAD」を開発した。
シームレスロジを支えるタフなタブレットを開発
物流の現場で活用されるドライバー端末の開発において、同社は宅配物流業界への導入展開を中心に、長い歴史とノウハウを持っている。物流業界では、バーコードによる貨物の識別、データ収集に始まり、客先でのクレジット決済、電子マネー対応など情報化の流れが急速に進んでいる。製造・物流・販売の各結節点で適切な情報管理、連携を実現してこそ、シームレス・ロジスティクスが可能となる。物流のクラウド化、オムニチャネル化の可能性をつなぐデバイスとして、同社のタブレットは注目されており、情報をリアルタイムで一元化をサポートしている。現在、大手物流会社を中心に、1980年代半ばから50万台以上の販売実績がある。
同社のタブレットは、サイズはスマートフォン大のものから一般的なタブレットと同サイズのもの、A3サイズまで幅広く対応している。特に、注目すべき性能は堅牢性だ。輸送時の激しい振動(MIL-STD-810G準拠)、現場の粉塵、屋外の雨風など過酷な環境にも耐えうるデバイス(IP54/IP68準拠)として、開発されている。
特に5インチのモデルは、過酷な現場業務に耐えるべく落下衝撃性能は、3mの高さからコンクリート面への落下実験をクリアー。防塵・防水機能も高く、指のタップと雨のしずくの区別もできる。-20℃から60℃まで幅広い温度帯で利用できる。騒音対策機能として、3つのマイクや100dBの大音量スピーカーノイズサプレッサを搭載し、騒音の大きい現場でもクリアな通話音質を確保している。
屋外でも見やすいよう反射防止フィルムと高輝度液晶パネルを搭載し、視認性を高めている。パナソニックシステムネットワークス株式会社・国内営業グループ営業チームの山室壮一郎主事は、「厚手のグローブをはめたままでも使用でき、大容量バッテリーで長時間稼動を実現しており、現場作業員の運用をとめないスムースな作業を実現できるデバイスとなっている。急速充電(約1時間で50%充電)も可能」と、“物流をとめない”性能について説明している。
他にも、標準装備でバーコードリーダー、カメラ、高精度GPS、ブルートゥースを搭載しており、スマートフォン、パソコンに負けない利便性を擁している。海外でも好評を博しており、北米、欧州では警察にも採用されている。今後はアジアでも展開していく予定だ。
中村和弘主事は、「これらのシリーズは、神戸工場で生産し、少量注文にも対応でき、顧客ごとのオプションの組み合わせなどきめ細かいお客様ニーズに応える体制をとっている。メード・イン・ジャパンの高品質と手厚い顧客サポートを実現している」と話す。
物流業界の労働力不足は、現場の熟練スタッフに過度に依存しないスタッフのダイバーシティが課題となっている。また、現場の状況に左右されず、常にロジスティクスの情報を提供できるオムニワークを実現するには、物流のIT化が欠かせない。パナソニックは、高品質なITデバイスを提供していくことで、シームレス・ロジスティクスをサポートするサービスを推進していく。