荷主企業と個人ドライバーのマッチングプラットフォーム「PickGo」(ピックゴー)を運営している、CBcloud(シービークラウド)株式会社 代表取締役CEO 松本 隆一 氏に、マッチングサービスを始めた経緯や、サービスの特徴、ドライバーに対する思い等、お話をお伺いしました。
荷主企業と個人ドライバーのマッチングプラットフォーム「PickGo」を運営しているCBcloud株式会社
代表取締役CEO 松本 隆一 氏
CBcloud起業の背景についてお聞かせください。
松本氏 2013年に設立して、今5期目に入ります。
国交省を退職し、義理の父から引き継いで2013年10月から2015年はラストマイルの運送業を行っていました。自分自身、運送業界に携わってみて、業界の多重構造やドライバーの置かれている環境に課題を感じ、2016年からプラットフォーム事業をスタートしました。
もともと、プラットフォーム事業・マッチング事業をやりたくて会社を始めたわけではありません。ドライバーの置かれている立場や環境を改善したい、ドライバーがもっとスポットライトを浴びるような世界を作っていきたいという思いがありましたので、その一つの手段として、配送の案件を可視化してドライバーとマッチングできる仕組みを作ろうと思い始めました。
御社事業の特徴を教えてください。
松本氏 当社事業の特徴は3つあります。
1つ目は個人事業主でも配送できる軽貨物に絞って、ラストワンマイルの配送に限定しているということです。2つ目は荷主とドライバーが運送会社を介さず直接やり取りをするということです。3つ目は、一つの案件に対してドライバー自ら、エントリーしていく仕組みを作っていることです。これが結果的に、荷主がドライバーを選べる仕組みにもなっています。また、ドライバーが受け身ではなく「どうやったら自分が選ばれるか」という個人事業主らしい働き方ができる環境を作っています。
荷主とドライバーを直接結んでいること、結ばれた人たちが主体的になってプラットフォームに参画できる環境、この2つがマッチングサービスには必要だと考えています。
御社サービス「PickGo」の特徴を教えてください。
松本氏 利用する企業のメリットとしては物流コストの流動費化ができる点があげられます。
例えば、日によって運ぶ量が違った場合、従来だと配送できないリスクを避けるため、トップラインにあわせて車を傭車する必要がありました。
しかし、PickGoを利用し必要な時に必要な台数を集めることで、物流コストの削減、流動費化が可能になるのです。
当社のプラットフォームは、荷主とドライバーを直接つないでるため、即時性が担保できています。マッチングは15分以内で決まるものがほとんどで、マッチング率は98%以上に上ります。一度サービスを使っていただいたユーザーには、この即時性を特にご好評いただいております。
即時性、マッチング率の高さを活用し、荷主企業が新しい物流網を作る上でのパートナーとなれればと考えています。
BtoB即時配送以外の事業領域についてお聞かせください。
松本氏 BtoCとCtoC領域の事業も行っています。
BtoCのエリア宅配は1個当たりの単価が低く作業も複雑なので、個人事業主の軽貨物ドライバーには敬遠される傾向にあります。
しかし、EC市場は今後も伸びていくため、宅配の現場を変える必要があります。そこで当社では、宅配の複雑な業務を簡潔にするためのソリューションを提供しています。独自のアルゴリズムを活用したAIによるルーティング機能や、配送の動態管理機能が備わっており、効率良く荷物を運べるようになります。
CtoCの引っ越しですが、マーケットは大きくはありません。なぜその事業をやっているのかと聞かれることも多いのですが、ドライバーが物を運んで依頼主から「ありがとう」と言われる瞬間は、BtoBや宅配だと通常ほとんどありません。ですが、CtoCの引っ越しはその瞬間がある。そのため、その仕事を選んでやっている方もいらっしゃいます。
今まで「宅配+スポット配送」など自由な仕事の組み合わせができない運送事業において、当社サービスを使うことで、エリアを選べる、現場を選べる、やりがいを選べるなど、ドライバーひとりひとりの仕事のやり方に合わせられるので、そういったところでドライバーが集まってきてくれているのではないかと思います。
ドライバー、登録台数は増えていますか?
松本氏 現在、5,000台を超えました。月に300~400台のペースで増えています。
ドライバーのエンゲージメントを高めるため、即日入金システムの導入やドライバーを集めて意見交流をするオフラインイベントを開催しています。
実際にドライバーからは、今まで受け身だったものが、PickGoだと自分から仕事を選べる点が良いと仰っていただきました。また、駐車料金や高速料金など日々の出費が多いので、即日入金システムはとても助かっているという声も聞かれました。
ドライバーは増えているものの、地域によって案件数にばらつきがあるので、その部分をどうやって展開していくかは今後の課題となります。
CREフォーラムに向けて一言いただけますでしょうか?
松本氏 これまで、サービス概要、マッチングスピードの速さやドライバーの数等をお話ししましたが、それでもどういったときにPickGoが使えるのか?どう有効なのか?等、疑問部分がたくさんあると思います。それぞれの企業の課題を聞きながら、より良いご提案をしていきたいと思っていますので、CREフォーラムでは今回お伝えできない取組み事例を沢山お話させていただこうと思っています。
取組み事例を参考に「うちではこういう使い方ができるかな」と感じてもらえるのではないかと思っておりますので、ぜひCREフォーラムにお越しください。
シーアールイーからのお知らせ
CBcloud様は7月20日(金)第46回CREフォーラムでご登壇いただきます。
当日は、サービスの詳細や取組み事例をお話いただく予定となっておりますので、ぜひご参加ください!
お申込みは下記専用ページよりお願いいたします。