（レポート）TOTOの物流改革

ＴＯＴＯは、創立１００周年を迎える２０１７年に向けて経営計画『Ｖプラン２０１７』を策定。これからも必要とされ続ける『真のグローバル企業』を目指し、グループを挙げて取り組んでいる。全体最適の視点から複数の全社横断革新活動を推進し、その一つにサプライチェーン革新活動がある。サプライチェーン革新では、強いコスト競争力を身につけ、市況に左右されない強固な経営体質を築きあげることを目的とし、国内屈指の『高速サプライチェーン』を構築すべく、新生産体制構築、物流革新、購買革新の３本柱で活動中である。

これまでの物流革新活動成果として、生産工場に入庫されてから物流センターに移送し出荷するまで全拠点平均で３．９日かかっていたリードタイムを、午前入庫午後出荷体制に変更することにより、２．０日へとリードタイム半減を実現した。さらに、当日午後からの一括出荷作業へと切り替えることで、出荷指示件数が約２０％集約され生産性が向上した。注文締切後の午後から出庫作業を開始することにより、作業中の注文キャンセルを解消。また、最寄り物流センターからの一括出荷に切替えたことで、沖縄、離島を除く全都道府県で、当日午前中注文の翌日同送配達体制が整った。環境面においては、生産拠点から全国へトラックを利用して直送出荷していたところ、フェリーを利用した物流センターへの移送に切り替えたことで、トータルで２．４％のＣＯ２排出量削減を実現した。

これからの活動としては、飛躍的に進化し続けるＩＣＴツールを活用しながら、作業体制や配送方法の効率化と、環境負荷の軽減をさらに追求していく。また、現在製造事業部が担当している調達物流の分野にも範囲を広げ、調達物流・販売物流全体で効率的な体制となるよう検討していく。さらには、海外の物流体制強化にも目を向け、グローバルな規模で強い物流体制を構築していく。