(レポート)生協のロジスティクスと宅配について
生活協同組合ユーコープは、単体の生協であったコープかながわ、コープしずおか、市民生協やまなしが合併し、組合員約108万人を有する。売り場面積50~600坪の店舗を約100店舗3県で展開している。2014年度の店舗事業の売上高は、約659億円となっている。宅配事業は、47万世帯、年間1100億円の利用がある。注文用紙とWEBからも申込みできるようになっている。
宅配は、一度セットセンターと呼ばれる大型物流センターに取引先から商品を集中的に納品してもらい、そこから配送デポに出荷し、デポから組合員に配達する。セットセンターで、入荷した商品の検品・検収、集品、デポ別仕分け、ドライアイス詰めなどを行う。セットセンターは、温度帯や機能で分かれている。常温の座間物流センター、冷蔵・冷凍品の森の里要冷センター、青果の愛川農産センターである。農産品を扱う愛川農産センターでは、1500坪の2層の物流センターで、2009年に開設した。センター内は、常時摂氏15~20度に保たれている。コールドチェーン強化のために設立されたセンターで、日当たり約25万点を扱う。ユーコープでは、「産直」や「グリーンプログラム」「グリーンプログラム 有機栽培」など青果の区別があり、品質管理を徹底している。「とれたてシャキット便」では、温度管理と物流効率化を両立した商品を届けている。また、入荷された青果の加工や検品も行っている。
座間物流センターは、拡大する宅配需要に対応し、2011年にオープンした。常温で扱う食品を集約した。日本生協連と連携し、日生協のDCも併設し、生協のプライベートブランド商品などの物流効率化を図った。BCP対策を強化し、免震機能付の物流センターを賃借している。
冷蔵・冷凍食品を扱う森の里要冷センターでは、年間1億5千万点のキャパを持つ。こちらも拡大する宅配需要に応えるべく従来の物流センターを移転拡張し、開設された。温度管理、監視カメラや放射能測定器などフードディフェンス、耐震設備など充実した設備を備えている。
トレース管理にはRFIDを活用しており、カタログ掲載情報と包装材の記載の食い違いや使用禁止添加物の有無のチェックなどもおこない物流品質の強化を図っている。
3つのセットセンターから出荷された貨物は、各地の配送デポに運ばれ、組合員の自宅を1コース8時間で1日約50~90ポイント配送している。
今後、ユーコープの物流の課題として人件費の高騰、電気代の高騰、ドライバー不足と高速道路料金割引の変化への対応、長距離配送の削減などが挙げられる。個人宅への希望時間に希望の商材を届けるニーズと現在の組合員宅を平日週1回に配送する現状といかに折り合いをつけるか。品揃えの強化、移動販売など買い物弱者への配慮、弁当宅配のニーズへの対応など今後も物流の課題に積極的に取り組む。
講師紹介
生活協同組合ユーコープ 物流・構造改革部 担当 岡崎 淳氏
1985年 | かながわ生協(当時)入職 生鮮工場配属 |
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1996年 | 情報システム系部局へ異動(次長) |
2007年 | 物流系部局へ異動(部長) |
2009年~11年 | 物流センター6事業所の再構築を担当 (現在に至る) |
募集要項
イベント名 | 第15回CREフォーラム|『生協のロジスティクスと宅配について』 |
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日時 | 2015年 4月24日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了 |
会場 |
虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階 東京都港区虎ノ門2-10-1 |
参加対象者 | 荷主企業 様、物流会社 様 |
参加費/定員 | 無料/70名限定 |
本件に関するお問合せ
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- 株式会社シーアールイー マーケティング部
- メール:
- leasing_mail@cre-jpn.com
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