(レポート)CGCグループの協業活動を支えるロジスティクス戦略
シジシージャパン(以下CGC)は、全国227社3800店舗超の中小スーパーからなるCo-operative Grocer Chainだ。会員企業全体の売上高は、4兆円を超えている。2020年を見据えた重点施策として(1)長寿社会に向けたスーパーマーケット作り(2)地球にやさしいスーパーマーケットを目指す(3)お料理をする人の応援(4)伝統的な「和食」の応援の4つを掲げている。
加盟社との協業活動の基本はオリジナル商品開発と供給だが、その供給を支える物流の重要性が近年高まっている。現在のセンター人件費、電気料金、車両費などの高騰、高速道路料金割引減少といった物流経費の上昇により、CGCの物流部単体の努力では、コスト低減が不可能になっており、全社組織挙げて取り組まないと、加盟社への商品供給が近い将来不可能になる危機感を持って、改革を進めている。コスト低減策は実行に時間がかかるため、先行して様々な施策にチャレンジしている。
加盟社への商品供給が重要な任務であるため、加盟社の増加にあわせCGCの各センターと各加盟社のセンターをネットワーク化して、効率的な商品供給体制の構築を目指している。全国最適物流体制の実現のため、全国的に商品ごとでの各段階の在庫(拠点)を見直し、従来、メーカー在庫、CGCのJDセンター(在庫・保管機能を持つ)、加盟社センターなど流通段階で3~4か所在庫を持っていた体制からメーカー在庫を含めて2か所に集約するようにサプライチェーンの見直しに着手している。この見直しで大きな仕入コスト低減が期待できる。
新規加盟社への供給スピードアップも強化している。新規加盟への準備は、商品、物流、システム、経理、販促のそれぞれの部署が同時並行的に取り組み、加盟して1ヶ月で商品の供給が可能な場合もある。
コスト低減に関しては、上記の仕入れコスト減少だけでなく、センターコストの低減や店舗支援の取り組みも重視している。商品開発時に物流効率を考慮して、保管・積載効率を意識した形状をとり、積載率80%以上のパレットがPB商品全体の60~70%に達するなど成果を挙げている。センターのドミナント戦略、配送ルートの効率化、センターの24時間稼動などにも取り組み、改善している。
また、店舗作業支援として、納品台車のまま店頭に補充できる体制を整備した。まず、従来型の台車から小型4輪カートに切り替えた。通路での商品補充を容易にし、売り場や商品のくくりで台車積載を分類し店舗での補充作業がし易くしている。また、重量物などはそのまま店舗で陳列できるようにした。
さらに、高騰する物流費軽減には、物流事業者との協力が欠かせない。トラックドライバーの待機時間を減らすため、社内的に一日あたりの「入荷MAX」を設定。予約車専用バースを設け、改善中だ。バラ積みだと作業効率が悪いため、積極的なパレチゼーションも進めている。
その他にも、環境物流への施策として、海外商品の地方港を活用した輸入、海外での混載、LED照明の導入、店内食品廃棄物を炭化してリサイクルなど物流効率化そのものが二酸化炭素削減、資源の有効利用につながる。
BCP対策では、物流センターの立地、冷凍・冷蔵庫の防火施策、ラックの倒壊・落下防止、インタンクの設置、災害時の加盟社との相互支援・供給体制の立ち上げなどに取り組み、グループの協業活動を支える最適物流を常に提供するための対策を推進している。
講師紹介
株式会社シジシージャパン 執行役員 物流事業部長 永田 孝司氏
1975年 | ダイエー入社、ロジスティクス部門を経験 |
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2002年 | シジシージャパンに入社 (現在に至る) |
募集要項
イベント名 | 第16回CREフォーラム|「CGCグループの協業活動を支えるロジスティクス戦略」 |
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日時 | 2015年 5月22日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了 |
会場 |
虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階 東京都港区虎ノ門2-10-1 |
参加対象者 | 荷主企業 様、物流会社 様 |
参加費/定員 | 無料/70名限定 |
本件に関するお問合せ
- お問合せ先:
- 株式会社シーアールイー マーケティング部
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- leasing_mail@cre-jpn.com
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