《 本レポートは2018年4月20日に東京で開催した内容です 》
(レポート)中国最大の直販ECサイトJD.com、巨大な流通を支える物流の取り組み
●JD.com京東日本株式会社の概要
JD.com京東日本株式会社は、中国最大の直販ECサイトであるJD.comの日本法人として2017年8月に設立されました。現在、メンバーは3人ですが、拡大する日本関連事業への対応や、良質な日本製品および技術の発掘を行うとともに、地方も含めた日本の産業振興にも寄与していきたいと考えています。
●中国最大の直販ECサイト、JD.comについて
JD.comは、1998年に北京で設立され、2014年にNASDAQに上場しました。現在は、中国最大の小売業者となっており、ECモール運営とオンラインでの直販を主な事業としています。
またJD.comは、2014年に中国最大手のIT企業Tencentと独占的パートナーシップを組むことによって、Tencentが提供するメッセージアプリケーション「WeChat」のアクティブユーザーの約9.6億人に効率よくリーチできるようになりました。
●JD.comのビジョンとミッション
JD.comは、品質とサービスの卓越性に対する確固たる追求を通じ、世界で最も信頼される企業になることを会社のビジョンとして、創業以来、取り扱う製品の品質にこだわり、偽造ブランド品の徹底排除を行っています。
またJD.comは、お客様が気楽で喜びに満ちたライフスタイルを楽しめる電子商取引の経験を提供することをミッションとしています。
●先進の物流体験を中国全国の幅広い顧客層に提
2003年、中国国内で新型肺炎SARSの流行した際、人々が感染を恐れて家に引きこもり、店舗の売り上げが激減したため、JD.comは翌年、2004年にインターネット販売を始めました。
インターネット事業参入当初から「本物しか売らない」ことを徹底していたので、商品の品質に関するクレームはほとんどありませんでした。しかし、物流面でのクレームが非常に多かったので、2007年からすべて自社物流で行うことにしました。
現在、14の物流センターと約500の倉庫、約7,000カ所の配送ステーションがあり、中国の人口の約99%に商品を迅速かつ正確に届ける物流網が構築されています。注文の約9割は当日か翌日配送が可能で、平均配達時間は1.3日です。
また、JD.comの物流で特徴的なのが、約7万人の配送員がすべて正社員であるということです。正社員にすることで配送員の意識も高まり、サービスの質が向上し、物流面でのクレーム減少につながっています。
●最先端物流技術でイノベーション創出
JD.comはテクノロジー・オリエンテッド(技術志向)の会社であり、物流においても最先端技術の導入を積極的に行っています。
たとえば「無人倉庫」は、JD.comの所有する複数の倉庫です。また「無人配送車」は、人民大学や清華大学内で実際に運用されています。
中国は国土が広く、地形が複雑なので、交通インフラが不十分な場所が数多くあります。そういうところにも迅速に商品を届けるために、2015年からドローン配送の開発を開始し、数千回の試験飛行を行っています。各村に「プロモーター」と呼ばれる人を配置し、配送ステーションからプロモーターにドローンを飛ばし、彼らが商品を届けるという仕組みを作り、納期短縮やコスト削減を達成しています。また、2017年には、北京、江蘇、陜西、四川に60のドローンのルートを確保しています。現在は40機のドローンを運用しており、5~30キログラムの荷物を100キロメートルの範囲まで配送可能となっています。さらに、1トン以上の荷物を輸送できるドローンも開発中で、将来的には田舎の農産物を都市へ配送できる仕組みを構築しようとしています。
●“WHITE GLOVE”DELIVERY SERVICE
変わったサービスとしては、「“WHITE GLOVE”DELIVERY SERVICE」があります。通常の赤い作業着を着た配送員でなく、タキシードを着た配送員が品物を届けてくれるサービスで、豪華な買い物をしたときや記念日のときなどに利用されています。
●JD.comの社会貢献活動
創業者のリチャード・リューは、自分が貧しい田舎の出であるということもあり、「田舎と都会の格差をなくしていきたい」という思いが強く、JD.comは農村部の貧しい大学生を援助する活動をはじめとする公共福祉事業に積極的に参加しています。
たとえば、災害時には、自社の物流網を利用し、大量の救援物資を災害地域に迅速に輸送しています。また、同じく自社の物流網を活用し、古着を回収して、寒さの厳しい、貧しい地域の人々に届けるという活動も行なっています。
先ほど「配送員はすべて正社員にしている」と述べましたが、彼らの中には、貧しくて大学に行けなかった人も多くいるので、彼らのために社内に大学を作って、夜間に学べるような環境も整えています。
●JD.comのコアバリュー
JD.comはコアバリュー(会社の中核となる価値観)として、以下の5つを掲げています。
・消費者・サプライヤー・販売店も含め常に顧客を第一に考える「Customer First」
・誠実さをもって業務を行い、すべての事業において最高水準の誠実さと説明責任を果たす「Integrity」
・チームワークを奨励し、人と人の繋がりを大事にし、協力的な企業文化を醸成する「Teamwork」
・業界のリーダーになるための情熱、チームが果たすべき情熱、成功への情熱「Passion」
・革新をビジネスの中心に置き、新しいアイデアや継続的な学習を奨励することで絶え間ない改善を目指す「Innovation」
JD.comは、まじめで情熱があり、何事にも一生懸命に取り組む会社なので、ものづくりを大切にする日本のメーカーさんのパートナーとして非常にふさわしい企業であると考えています。
講師紹介
JD.com京東日本株式会社
https://www.jd.com/
日本業務最高責任者
荒井伸二 氏
経歴・職歴
国内化学メーカーに28年勤務後、2017年8月より現職
募集要項
イベント名 | 第43回CREフォーラム|『 中国最大の直販ECサイトJD.com、巨大な流通を支える物流の取り組み 』 |
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日時 | 2018年 4月20日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了 |
会場 |
日本消防会館5階 大会議室 東京都港区虎ノ門2-9-16 |
参加対象者 | 荷主・物流企業 様 |
参加費/定員 | 無料/130名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります) |
本件に関するお問合せ
- お問合せ先:
- 株式会社シーアールイー マーケティング室
- 担当:
- 山賀幸恵 (ヤマガ)
- メール:
- leasing_mail@cre-jpn.com
- 電話:
- 03-5572-6604