インフラ

ハノイ及び周辺部における主要交通手段の変化

ハノイ及び周辺部における主要交通手段の変化

今回は、ベトナムのハノイ及び周辺部における最新の交通状況についてお伝えします。
バイク利用の最新トレンドや、新たな選択肢として増えつつある自動車やライドシェアや、開通間近の都市鉄道2A号線についても調査しました。

バイクが多いイメージのベトナム、最新交通事情は?

ハノイ周辺で目立つのがバイクの多さです。ベトナムは世帯当たりの保有率では世界第2位のバイク大国であり、市民の主要な交通手段です。

バイク最新事情

日本メーカーのバイクは非常に人気があり、特にホンダのスーパーカブは50%近いシェアを誇っています。日本製の半額程度の中国製バイクも一時シェアを伸ばしましたが、品質で及ばず定着はしませんでした。一方、近年ピアッジオ製のベスパやその販売店が目立ちます。高価格にも関わらずベスパの購入が増えているのは、要因として所得の上昇に伴う嗜好の多様化が考えられます。ベトナムの一人当たり名目 GDPは2000年で402USドルであったのが、2017年には2353USドルに増加し、2022年には3406USドルに至ると予測されています 。(※1)

※1:国際通貨基金(IMF)「World Economic Database」

ベトナム都市部での自動車販売の可能性を探る

2020年のベトナム新車販売台数は40万7487台で、タイ、インド、マレーシアに次ぎ東南アジア4位でした。この内2019年に販売開始したベトナム初の国産車メーカー、ビンファストが2万9485台を売り上げました。小型車で約182万円という価格帯で、電気自動車も数年内に発売予定です。

普及するライドシェアとITの関係

現在、ハノイやホーチミン等の都市部で急速に普及しつつあるのがライドシェアサービスです。元々、シンガポールを本拠地とするGrab(グラブ)とアメリカ資本のUber(ウーバー)が二大勢力でしたが、GrabによるUberの東南アジア事業買収により、2020年時点でGrabがベトナムライドシェア市場の74.6%を占めています 。(※2)
ライドシェアの普及を後押ししているのが、急成長するベトナムのキャッシュレス市場です。キャッシュレス決済件数は2019年に7600万件超と、前年の2倍近い増加となりました。国内オンラインモバイルサービス企業が運営するMoMo(モモ)が電子ウォレット最大手で、銀行口座保有率が低いベトナムで、銀行口座を介さずに入金できるサービスなどで利用者を増やしています。

※2:ABI Reseachによる2020年1~6月期の輸送関連分野に関する調査レポート

都市鉄道開通やスマートシティ構想で交通問題解消を目指す

一方、都市部の交通渋滞は深刻で、未だ改善されていません。政府は都市鉄道やスマートシティの開発で問題解消を目指していますが、目標達成は遠いようです。

ハノイ都市鉄道2A号線開通は交通事情を変えるか?

2011年から中国のODAで建設が開始されたハノイ都市鉄道2A号線は、ようやく全線の試験運行が終わり、今年3月末に事業がハノイ市に引き渡され開通間近となっています。同路線はハノイ市中心部のドンダー区カットリン駅と南郊のハドン区イエンギア駅を結ぶ全長約13㎞の高架鉄道で、全12駅が設置されます。
ただ、現地では安全性を疑問視する声や、駅に駐輪場がないことから、利用者が増えるのか懐疑的な声も聞かれます。

スマートシティ構想も交通問題解消を目指す

また、政府主導のスマートシティ構想はハノイ周辺でも計画が開始しており、マンション専用バス等の集団輸送や郊外のオフィス開発、テレワークといった新たな選択肢が増えることで、渋滞等の交通問題解消につながる可能性があります。

まとめ

ハノイ周辺ではバイク移動が一般的で、今後市民の購買力上昇に伴い、高価格帯のバイクや自動車等の販売が伸びる可能性があります。
また、ライドシェア等、IT技術を活用した新規サービスも急成長しており、現地の移動ニーズに合う技術・サービスを提供することで、新たなビジネスチャンスを獲得することも可能だと考えられます。

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