衣食住

インドネシア産の米と日本への輸出について

インドネシア産の米と日本への輸出について

2024年の夏頃より日本は米不足になり、一時期は店頭から米が消えて価格が高騰する事態となりました。米不足の前と比較して、仕入れ価格は2倍以上になったといわれており、消費者の大きな負担となっています。

そうした米不足を補うものとして、昨今では海外からの輸入米が注目されるようになりました。本記事では、インドネシア産の米の概要と、日本への輸出状況について詳しく解説していきます。

インドネシア産の米とは

インドネシアでは、米は国民の食生活に欠かせない食材です。ここではインドネシアに流通する米の種類や料理など、概要を紹介していきます。

インディカ米とジャバニカ米が主流

インドネシアは世界有数の米消費国として、インドや中国に次ぐ消費量を誇ります。国内では長細くパサパサしたインディカ米と、楕円形で粘りのあるジャバニカ米の2種類が主食として親しまれています。
日本で主に食べられているのはジャポニカ米で、ツヤがあって甘みがある品種です。インドネシアでは3食とも米の人も多く、日本と同様におかずと一緒に食べることが一般的です。

ジャワ島で50%以上の米が生産される

インドネシアでは、全体の50%の米がジャカルタのあるジャワ島で生産されています。インドネシアでは1年に3回収穫を行う3毛作が基本であり、全体におけるジャワ島の割合は、1期目が55%、2期目が54%、3期目が42%と、いずれも高い水準です。

ジャワ島の生産が多い理由としては、インドネシア全体の人口の70%が住んでいる点に加え、インフラの恩恵を受けやすい点、設備が整っている点などが挙げられます。

米料理が豊富

インドネシアでは米が食卓に欠かせない食材であり、さまざまな米料理があります。具体的には以下の通りです。

ナシ・ゴレン:鶏肉やエビ、野菜などと炒めたインドネシア風チャーハン
ナシ・ウドゥック:ココナッツミルクで炊いたご飯
ナシ・クニン:ターメリックとココナッツミルクで炊いた黄色いご飯
ソト・ミー:米麺と肉や野菜が入った庶民的なスープ

米の使い道は豊富で、主食としてだけでなく、デザートにも利用されます。日本にはない食感と味を感じられるので、インドネシアに行った際は、ぜひ試してみてください。

米の価格は上昇傾向

インドネシアの米の価格は、ここ5年間で50%以上上昇しています。2020年1月時点では1キロあたり「0.7ドル」でしたが、2024年4月に「1.16ドル」、2025年1月には「1.11ドル」と推移しています。2025年1月時点の価格はシンガポールの「1.2ドル」に次いで、東南アジアでは2番目に高い水準です。

2024年4月から2025年1月にかけては「1.16ドル→1.11ドル」と若干下落しているので、直近では落ち着きを見せているといえます。しかし、現地の物価に対する水準としては依然として高く、家計への影響が大きい状況が続いています。

インドネシア産の米の日本への輸出状況

近年、米の輸入についての話題が上がることが増えましたが、インドネシア産の米の日本への輸出はどのような状況でしょうか。ここでは、インドネシア産の米の日本への輸出状況について解説していきます。

日本への輸出量は少ない

インドネシア国内での米の生産量は、ここ数年間横ばいを続けています。2023年夏に大規模な干ばつがあり、インドネシア国内の供給が大幅に減少した際には、ミャンマーやインド、タイ、ベトナムから輸入して補いました。

日本は、米不足前まで国産品でほぼ100%の供給を満たしてきました。ミニマム・アクセス米(日本が海外から最低限輸入しなければならない米)の輸入も、米国やタイ、中国が中心です。そのため、インドネシア産の米は日本ではあまり流通しておらず、一般的な認知度も高くありません。

2025年は米の輸入禁止を宣言

インドネシア国内の米の供給量は、2025年に入ってから回復傾向です。2025年5月には、国内需要を満たせる量があって備蓄量が増加しているため、年内は輸入しないことを発表しました。

インドネシア政府は、まず国内消費分の確保に注力する方針です。ミャンマーやインドなど、2023年〜24年にかけてインドネシアに多くの米を輸出していた国は、対応が求められることになるでしょう。

政府備蓄米は400万トン突破し、東南アジアへの輸出を検討

インドネシア政府にとって、米生産は重要な政策の一つです。2024年〜2025年上半期にかけての米は豊作であり、2025年6月には備蓄米の生産が400万トンを超えて順調であることを伝えています。

ただし、日本への輸出については、物理的な距離や厳格な規制も影響して出遅れているといえます。インドネシア政府は、国内の備蓄米が十分に貯まったら、まずは東南アジア向けに輸出する方針を示しています。

まとめ

インドネシアの米はジャバニカ米とインディカ米が主流であり、日本でよく食べられるジャポニカ米とは品種が異なります。3食とも米が食べられることも多く、ナシ・ゴレンを始めとしたさまざまな米料理があります。

日本への輸出はほとんど行われておらず、当面インドネシア政府は国内の供給を優先する方針です。2025年は豊作であることから、今後は東南アジア向けを中心に、日本への輸出も徐々に広がっていく可能性もあるでしょう。

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