不動産

日系企業によるベトナム主要都市周辺の住宅開発

日系企業によるベトナム主要都市周辺の住宅開発

ベトナムでは住宅不足が深刻化する一方、日系企業等の外資系企業が参画して住宅開発を行う事例が増えています。今回は、現地への進出や駐在の参考として、最新の住宅事情や開発状況をお伝えするとともに、住宅開発事業に関連する事業可能性についても検討します。

ベトナム都市部及び周辺の住宅事情

ハノイやホーチミンなどのベトナム都市部では人口の急増に伴い、住宅不足が深刻化しています。

都市部は住宅不足が慢性化。周辺部も工場労働者の増加で住宅不足に

ホーチミン市の人口は、2009年から10年間で180万人増え、2019年には約900万人に至りました。人口増加による住宅問題が深刻化しており、地場不動産会社DKRAによると、同市の集合住宅価格は2015年より約50%上昇したとのことです。
また、都市部だけでなく、周辺の工業団地でも工場労働者用住宅が不足しています。
住宅を求める労働者は2018年時点で約120万人、2020年までに約170万人に至ると見込まれています。
政府の許認可の遅れやコロナの影響により、住宅の供給が需要に追いついていない現状があります。

日系企業各社の都市開発事例

そのような中、日本企業によるベトナムの不動産事業への参画が増えています。日本企業が参画する主な事業には、以下のようなものがあります。

ホーチミン市

分譲マンション「ミッドタウンプロジェクト」

大和ハウス、野村不動産、住友林業

分譲住宅「ミズキパーク(MIZUKI PARK)」

阪急不動産、西日本鉄道、ナムロンインベストメントコーポレーション

高級マンション「ワタリナ・スイーツ(WATERINA SUITES)」

前田建設工業、ティエン・ドゥック社

分譲マンション「HIYORI Garden Tower」

サンフロンティア不動産

ビンズン省

「東急ビンズンガーデンシティプロジェクト」

べカメックス東急、NTT都市開発株式会社

ダナン市

複合施設「ビナタワーズプロジェクト(仮称)」

大和ハウス工業、大成建設

ハノイ市

法人向けサービスアパートメント

長谷工コーポレーション

ハイフォン市

低層住宅、マンション等の複合開発

西日本鉄道、ナムロンインベストメントコーポレーション

東急電鉄が主導したビンズン新都市開発の今とスマートシティ建設

ビンズン新都市は、東急電鉄が日本での郊外型住宅地開発のノウハウを生かし主導した住宅開発です。

ビンズン新都市開発がベトナムにもたらした、郊外型集合住宅という新しい概念

ビンズン新都市開発は、近接するホーチミン市の住宅不足や渋滞問題等に対する解決策として計画されました。それまでベトナムになかった郊外型集合住宅という発想を基に、総合的に開発されたものです。
日本人駐在員向けにはサービス付きアパートメント、現地人向けには分譲の低層及び高層住宅など、ターゲットごとに仕様や区画が分けられています。シャトルバスが10分ごとに運行し、ホーチミン市に勤務するワーカーを送迎します。
また、ビンズン新都市で今年4月に竣工するソラガーデン2はスマートホームを実装しており、さらに昨年からNTT都市開発も参画して、アッパーミドル向け分譲マンションの開発も進んでいます。

ベトナムのスマートシティ建設には外資系企業も参画。日本からも東急電鉄、NTT東日本、住友商事などが協力

ビンズン新都市以外の住宅開発でも、スマートシティ構想が取り入れられています。スマートホームやセキュリティなどへの技術利用に留まらず、半導体工場の建設、高度人材の育成大学等のスタートアップ支援など、ITによる総合的な都市のバリューアップが計画されています。
スマートシティ建設には複数の国の外資系企業が参画しており、例えばハノイ市では住友商事が開発計画に参画しています。

ハイフォンの開発事例

西日本鉄道はハイフォン市で、ベトナム南部の大手住宅デベロッパーと共同で住宅開発を行っています。
ベトナム北部最大の港湾都市であるハイフォン市は人口が約 200 万人、日系企業の進出も多く、高い住宅需要が見込まれる地域です。
工業団地内で、低層住宅約 700 戸、マンション約2,200 戸の複合開発が予定され、2026 年に全区画の引渡し完了を目指しています。

まとめ

ベトナムでは、都市部だけでなく郊外の工業地帯でも人口増加による住宅不足が深刻化・慢性化していますが、政府の対応の遅れもあり問題解消には至っていません。
日本などの外資系企業が自社のノウハウを活用してスマートシティ開発に参画する事例が増えており、住宅関連企業だけでなく、IT関連企業、輸送業など、今後より幅広い分野の企業に参入の機会があると考えられます。

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