インドネシアの主要な地方都市を紹介
インドネシアの現在の首都 ジャカルタは、人口約1,100万人を抱える東南アジア有数の大都市で、経済・政治の中心として発展してきました。しかし、急激な人口集中により地盤沈下や慢性的な交通渋滞といった課題も顕在化しています。こうした背景から、政府は首都移転による人口の分散や、地方都市の成長を重視しています。
本記事では、インドネシアの主要な地方都市の経済について解説していきます。
インドネシアの主要な地方都市
ここでは、以下のインドネシアの地方都市を紹介していきます。
スラバヤ
バンドン
ブカシ
メダン
パレンバン
デンパサール(バリ)
ヌサンタラ
ジャワ島だけでなく、スマトラ島やバリ島にある都市も含まれます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
スラバヤ
スラバヤの人口は2023年時点で300万人で、インドネシア第二の都市です。スラバヤは製造業が盛んな街で「スラバヤ • ルンクット工業団地」や「JIIPE」など、大規模な工業団地が複数あります。また、インドネシアで第二の規模を誇るタンジュン・ペラク港があり、貿易でも中心的な役割を担います。
ジャカルタからの距離は約700kmで、現時点では飛行機での移動が主流ですが、今後高速鉄道が延伸する計画があります。延伸が実現するとジャカルタ〜スラバヤ間を約4時間で結ぶことになります。今後は人や物流の往来が活発化し、経済拠点としての存在感はさらに高まると考えられます。
バンドン
バンドンはジャカルタから150kmほどの距離にある、インドネシア第三の都市です。ジャカルタからは高速鉄道が通っていてアクセスがよく、物価や家賃も安い傾向にあります。また、パジャジャラン大学やバンドン工科大学など、20校以上の大学があることでも知られています。
主要な産業としては、繊維や衣類、食品が挙げられます。バンドンのGDP成長率がインドネシア全体の数字を上回る年もあり、国の経済成長を牽引する重要な役割を担っています。
ブカシ
ブカシはジャカルタに隣接する都市で、東南アジア最大級の工業地域です。以前まではジャカルタのベッドタウンとしての位置付けでしたが、近年はインフラ整備が進み人口が増加傾向です。商業施設や住宅開発も拡大するなど、都市としての機能が大きく向上しています。
ブカシの主要な産業は製造業で、自動車関連や電子部品、食品加工などさまざまな業種が集まります。また、チカラン・カラワンといった工業エリアも近く、今後もインドネシアの製造業を支える中核都市になるでしょう。
メダン
メダンは人口が270万人でマレー海峡に面したスマトラ島最大の都市です。インドネシア全体では、ジャカルタ、スラバヤ、バンドン、ブカシに次ぐ第5の都市で、マレー半島にも近い立地にあることから、古くからマレーシアとの経済的な結びつきが強いです。
メダンでは貿易を始め、パーム油やゴム、コーヒーなどの農産加工業、ニッケルや石炭など鉱業が盛んです。メダンにはトヨタやホンダなど日系企業も進出しており、近年はIT産業やデジタル分野も成長を続けています。
パレンバン
パレンバンはスマトラ島南部の内陸部にあり、ムシ川沿いに位置している都市です。スマトラ南部地域の中心的な都市であり、川を軸に市街地と周辺地域が発展しています。スマトラ島内の都市とは、道路や鉄道、空港によって結ばれています。
産業面では、農林地帯で生産される石油、天然ガス、パーム椰子やゴムといった作物が地域経済の基盤になっています。その一方で、外資系企業の進出は比較的少なく、地場の資源や産業を中心に経済が回っていることが特徴です。
デンパサール(バリ)
デンパサールは、人口約110万人を擁するバリ島最大の都市で、島の行政・経済の中心地です。ングラ・ライ国際空港に近く、島内外へのアクセスに優れており、観光客の玄関口としての役割も果たしています。
リゾート地として日本人にも人気があり、主な産業は観光業が挙げられます。また近年は、医療やインフラ分野を中心に外資系企業の参入も進んでおり、リゾート都市としてだけでなく、生活拠点としての機能も強化されています。
ヌサンタラ
ヌサンタラは、インドネシア政府が新首都として開発を進めている都市で、カリマンタン島東部に位置しています。2045年までに完全に首都機能を移転する計画で、将来的に国全体の政治の中枢を担うことが想定されています。
現時点では、まだ目立った産業は形成されておらず、都市機能も発展途上にあります。また、首都移転計画は当初の想定より遅れがちで、公務員の移住も限定的です。
まとめ
インドネシア政府は、ジャカルタへの一極集中を避けるため、首都移転を進めるとともに地方都市の経済成長を推進しています。工業、観光、貿易など、それぞれの地方都市の立地や特性を活かした成長が期待されています。今後は外資・国内企業の投資が、地方都市の発展を左右する重要な要素となるでしょう。