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ベトナム製造現場の今〜コロナ禍の影響と今後の展望〜

ベトナム製造現場の今〜コロナ禍の影響と今後の展望〜

ベトナムの製造現場は今、コロナ第4波による打撃を受けています(2021年8月現在)。また、日本の工場でもベトナムからの部品供給不足による操業停止となるなど、その影響は日本企業にとっても大きなものです。
今回は、コロナ禍のベトナム製造現場の最新状況を、各種経済指標を踏まえて分析。さらに、コロナ収束後のベトナム製造業の展望についても検討します。

ベトナム製造業の最新事情

出典:TheGlobalEconomy.com

まず基本的な統計データから、ベトナム製造業の状況を分析します。

経済指標から見るベトナム製造業の現状と見通し

ベトナム製造業のPMI (*1)は、2021年4月に54.70を記録するなど、基本的には成長局面にあります。
また、売上から材料費など諸経費を差し引いた付加価値額では、ベトナム製造業は2011年以降増加傾向に。さらに工場用地の使用率も2018年から急上昇し、2020年には74%となる(*2)など、活況を呈していることがわかります。
ただしロックダウン等の影響により、2021年7月のPMIは45.10と低迷し、製造業にもコロナ禍の影響が出てきています。

コロナ禍等により、2021年のGDP成長率が下方修正

ベトナム経済は、基本的には拡大傾向にあるものの、コロナ禍が経済成長を阻害していることがデータにも表れ始めました。
ADB(アジア開発銀行)が2021年7月の最新レポートでベトナムのGDP成長率を6.7%から5.8%に下方修正したのも、コロナ禍の影響が大きいとされています。下方修正の具体的な要因としては、外出制限措置の実施や、ワクチン接種の遅れなどが挙げられています。

社会隔離などを行うベトナムは第4波の押さえ込みに苦戦

ホーチミン市はハノイ市とそれらの周辺部では、コロナ感染拡大による2021年7月より社会隔離措置が継続中です(2021年8月現在。
ホーチミン市は9月15日、ハノイ市は8月23日まで延長決定)。ベトナムにおけるコロナ感染急拡大の大きな要因としては、ワクチン接種の遅れが指摘されています。
経済力維持のためにも感染拡大防止と生産力の確保を両立させるのが課題ですが、社会隔離により職場に出勤できない人が増え、生産力が低下しているのが現状です。

ベトナム製造現場の現状と課題

ベトナム製造業の現場にも、コロナ禍の影響が大きく出始めています。

ベトナムの工場閉鎖で日本経済への影響も

ベトナムの工場では、敷地内に従業員を宿泊させるなどの工場隔離が実施されています。しかし、国が定める条件を満たすことができず、閉鎖される工場も出てきている現状です。操業を一時停止した企業には、日系企業やその子会社も複数含まれているほか、工業部品などの供給が不足し、日本国内の工場が稼働停止するなど、日本経済への影響も出始めています。

感染不安から労働不足の懸念も

若い労働者の中には、収入の減少や感染不安などにより帰郷する人も出てきているようです。こうした動きは熟練労働者の不足が課題とされるベトナムで、更なる労働力不足を招くと考えられるため、喫緊の対策が望まれます。

ベトナム製造現場における今後の展望

ベトナム製造業の今後について、現場の状況と各種調査を総合して分析します。

移動制限による工場閉鎖は経済成長の脅威に

ベトナムを含む東南アジアにおけるコロナ禍の影響は、北東アジアや西欧と比べても打撃が大きく、製品供給が滞る事態に。これは経済成長を一時的に停滞させるだけでなく、工場労働者を含む低所得者層の収入が減少することに繋がり、国家経済全体への大きな打撃となり得ると専門家は指摘しています。

ベトナムへの投資額は増えており、中期的に見て明るい要因

コロナ禍による打撃を受けるベトナムですが、2021年上半期の対内直接投資額を見ると、パンデミック前の2019年上半期と比較して件数は46.2%減と落ち込んでいるものの、認可額では32.1%増となっています。その内製造業は559件、64億8,882ドルで首位でした。
太陽光パネルや電子機器、ディスプレー等の製造案件で外資による大型投資があり、中期的に見て今後も優良な製造拠点として拡大してゆくことが予想されます。

まとめ

現在ベトナム製造業は、社会隔離による労働力の不足により、生産力が低下しています。これを解決するには、工場隔離などの企業努力による労働力確保に加え、政府によるワクチン接種の励行等による根本的な対策が必要です。コロナの押さえ込みに成功すれば、ベトナム製造業は投資額が増えている観点からも、再び国際競争力を取り戻すのではないでしょうか。

*1 Purchasing Manager’s Index(購買担当者景気指数)。企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取り、景況感についてアンケート調査した結果を指数化したもの。50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと景気拡大、逆に50を下回る状態が継続すると景気減速を示す。製造業と非製造業に分けて発表されるが、主に製造業の動向が着目される。 
*2 Nikkei Asia, November 11, 2020 “Global manufacturers are flocking to Vietnam. Is it ready?” https://asia.nikkei.com/Economy/Trade/Global-manufacturers-are-flocking-to-Vietnam.-Is-it-ready 

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