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ベトナムの倉庫需要~経済成長と共に高まる需要と開発の現状〜

ベトナムはコロナ禍を経験しながらも、GDPの増加などを見ると経済成長が継続していることがわかります。今回はそんなベトナムにおける倉庫需要の拡大や、供給状況についてお伝えします。

ベトナムの倉庫需要~経済成長と共に高まる需要と開発の現状〜

ベトナムの最新倉庫事情

出典データ:ジェトロ「ベトナム 基礎的経済指標」

出典データ:ジェトロ「ベトナム 基礎的経済指標」

ベトナムでは、倉庫需要が増えています。まずはその背景にある、経済成長の現状について確認しておきましょう。そのうえで特に需要が増加している地域や、具体的なニーズについても考察します。

経済成長やEC市場の拡大に伴い、倉庫需要も増加傾向

ベトナムは 1990 年代初頭からドイモイ(刷新)政策を導入し、 外資開放や対外貿易を進め、急速な経済発展を遂げました。1990 年から 2017 年までの、ベトナムの平均経済成長率は年率 6.8%に達しています。
また、 2016 年のベトナムの貿易額は 3,741 億ドルであり、2000 年比で 12.4 倍に拡大しました。この間、世界輸出総額の拡大幅は 2.5 倍 だったので、ベトナムの貿易拡大は世界平均の約 5 倍の勢いで増加したことになります。

特に北部では輸送量が増加。ニーズが高まっている

ベトナムは南北2000 キロメートルに及ぶ、縦に長い国土を有しています。ベトナムの輸送物量を地域別にみると、ベトナム北部地域のシェアが 2015 年に 45.6%となり、2000 年比で5.2 %上昇しました。
北部地域の物量が増加した背景には、外国投資企業をはじめとした工業生産の増加や、国民所得 の向上による消費市場の拡大などがあると考えられます。スマートフォンや印刷機械といった輸出生産の増加が、国際輸送だけでなく国内物流も増やしていると予想されるのです。
また、国内需要に応えるための工場も増えており、衛生陶器、オートバイ、自動車などが北部の生産地から全国へと配送されていることも、物量拡大の要因のひとつといえます。

食品のオンライン購入急拡大により、冷凍・冷蔵倉庫が不足する現状も

2021年、EC取引を介した食品のオンライン購入の急拡大を背景に、ベトナム国内で冷凍冷蔵倉庫が急増しているものの、需要に十分対応できていない状況があるとのことです。
冷凍・冷蔵倉庫は、食品のほかに化粧品やワクチンなどの保管にも使用され、中でも輸出向け水産物が冷凍・冷蔵倉庫の収容スペースの大部分を占めています。

倉庫開発が盛んなベトナム。低温物流や各種専用倉庫も増えている

専用倉庫の建設や増設など、ベトナムにおける倉庫開発の最新事情をお伝えします。

低温物流市場が活況。進む冷凍・冷蔵倉庫建設

ベトナムは自然環境に恵まれ、2020年の農林水産物の輸出額は世界16位でした。原産地としてのみならず食品加工業も近年発展し、人口1億人が中間所得層へ向かうなど消費地としても注目されています。障害となっているのがコールドチェーン(低温物流)でしたが、外資による大規模な冷蔵・冷凍倉庫の開発もあり、その状況も変わりつつあります。

化学品専用の冷蔵倉庫など、専門倉庫も開発されている

2021年11月、フンイエン省にベトナム初となる省当局公認の化学品専用倉庫が開業しました。高床式放爆構造(※1)・防爆設備を備え、日本の消防基準や、建設した日系企業の独自基準を基に設計され、ベトナムの法律にも準拠しています。日本人スタッフが常駐し、日本品質の管理体制による安全なサービスを提供していることも特徴です。

※1 放爆構造:爆発時にタンク内の圧力を上部に放出する構造。

日系企業のベトナム法人が冷凍・冷蔵倉庫増設

2020年、日系企業のベトナム法人が、ビンズオン省にある冷凍・冷蔵倉庫を増設しました。現地はホーチミン市街から40分。当該倉庫は2016年の設立以来、需要が収容能力を上回る状況が続いていました。運営会社によればベトナムの倉庫需要は拡大を続けており、輸出だけでなく国内需要も高まっているとのことです。

まとめ

ベトナムでは経済成長やEC市場の拡大、さらに輸出品目の変化などに伴い、国内・国外輸送のための倉庫需要が拡大しています。日系企業を含む外国資本からの投資も伸びており、倉庫が整備されることで、長年の課題とされてきたサプライチェーンの安定にもつながる見込みです。特に冷蔵・冷凍倉庫などの高機能な倉庫が建設されれば、輸出を含む経済活動がより促進されるでしょう。

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