ベトナムのダナンは、2020年Google発表の「旅行先トレンドNo.1」に輝いた、いま世界で最もホットな観光都市です。
本稿ではダナンの魅力を「地勢」「歴史」「IT」「観光」「移住」の5つの視点からご紹介します。
【ダナン】スマートシティ化が進むベトナムの超人気観光都市
【地勢】東南アジアの急所に位置

まずはダナンの地理を確認してみましょう。
東西経済回廊の東端
ダナンは、南北に細長いベトナムの中央に位置し、北に行くにも南に行くにも便利です。
東西経済回廊の東端に位置するダナン港を擁し、黙っていてもお金が落ちる交通の要地です。
ダナン港から、西へほぼ一直線に
■ラオスのサバナケット
■タイのムクダハーン・ピジャット・メ―ソート
■ミャンマーのミャワディ
を経て、ミャンマーのモーラミャイン港へと抜けます。
モーラミャイン港からは、超大国インドを海路で目指します。このルートをバスで横断すれば、百戦錬磨の東南アジアフリーク達からも、一目置かれるでしょう。
住友商事が運輸インフラ開発に着手
2021年12月、日本の住友商事は、ダナンの運輸インフラ開発に着手しました。これは、ダナン・ハノイ・ホーチミンを結ぶ「縦線」の物流強化を狙ったものです。
【歴史】大国のエゴに翻弄された歴史都市

次にダナンの歴史的背景を確認してみましょう。ダナンは、フランスによる植民地支配やアメリカとのベトナム戦争など、大国のエゴに翻弄された悲しい歴史があります。
チャンパ王国~グエン王朝
ダナンを含むベトナム中部沿岸部一帯は、かつてチャンパ王国という国でした。チャンパ王国は、192年から1832年まで続いた非常に息の長い王朝です。
チャンパ王国は、最終的にはグエン王朝に吸収され、このグエン王朝が現在の統一国家としてのベトナムのもとになりました。
フランス領インドシナ時代
トンキン戦争を経て、1887年、フランス領インドシナ連邦が成立します。ダナンもフランス領となり、トゥーランと改名されて、ハノイ、サイゴン、ハイフォン、フエと並ぶ5大直轄地となりました。
ベトナム共和国時代
ベトナム戦争の際にはアメリカ海兵隊がダナンに上陸し、1965年、大規模な米軍基地がつくられました。1968年のテト攻勢(テトは旧正月の意)の際には、ダナンはベトナム戦争最大の激戦区となりました。
現在
1996年に中央直轄市となります。リゾート地として再開発されたのは2000年以降です。
【IT】進むスマートシティ化

高度なIT技術により、都市機能が効率化された都市をスマートシティと呼びます。ダナンでは、急速にそのスマートシティ化が進んでいます。
もともとは小さな港町で、急速にスマートシティ化が進んでいるという点では、タイのチョンブリに似ています。港湾都市は外資が入りやすく、スマートシティ化しやすいようです。
これらの都市では、日本の地方がノスタルジックに見えるほど、効率化が進んでいます。
スマートシティへのロードマップ
ダナン市人民委員会により、すでに2025年までの投資誘致政策が発表されています。
ダナン大学の技術教育大学がITセミナーを開催
ダナン大学の技術教育大学では、スマートシティを担うIT人材の育成が行われています。同大学での教育には、日本企業も協力しています。
マイナビが現地のソフトウェア開発企業を買収
日本のマイナビは、2022年2月にダナンのソフトウェア開発企業を買収しました。ベトナムにおける企業のDX化のコンサルティング業務を強化する狙いです。
【観光】リゾート地として人気急上昇

ダナンは観光地としてコロナ禍になるまで毎年、右肩上がりで観光客を増やしていました。2010年に年間約150万人だった観光客は、2019年には860万人を超えるまでに。この急上昇ぶりからも、2020年に「旅行先トレンドNo.1」に輝いたのも頷けます。
そしてダナンには、その観光客数に見合うだけの観光スポットが存在しています。
50km続く圧巻のビーチ

ダナンの海岸線には、見渡す限りのビーチが続きます。距離にして50km。ホワイトサンズと呼ばれるサラサラの白い砂が特徴です。ビーチ沿いにはリゾートホテルだけでなく、おしゃれなカフェやレストランが立ち並んでいます。
歴史都市ダナンの定番スポット

世界遺産として知られるチャンパ王国の聖地「ミーソン聖域」や、大理石と石灰岩でできた「五行山(グーハイン山)」が有名です。ダナンの歴史の長さを感じさせられます。
SNSでも話題となった「神の手」(上の写真)と呼ばれるゴールデンブリッジのある「バーナーヒルズ」も外すことはできません。
【移住】豊富な日本食と医療も高水準

ダナンは観光地としてだけではなく、移住先としても脚光を浴びています。観光都市は、貧乏旅行者から富裕層まで集まるので、食事やホテルの層が厚くなり、移住先としても好適なためです。
ダナン移住日本人のモデルケース
月の生活費は5~10万円が相場。普段は節約して、月に1〜4回程度の贅沢をするというのが日本人移住者の基本パターンです。
ダナンには日本企業の進出も盛んなので、現地採用の求職も比較的容易です。正規の仕事に就けば、労働ビザもとれるので、移住も容易になります。
白人ロングステイヤーも多く、ワインやフランス料理はかなり充実しています。
最近では、現地の生活ぶりを伝える動画がYouTubeで多数上がっているので、気になる方は参考にしてみるとよいでしょう。
まとめ
長所の多いダナンですが、あえて挙げるなら特に次の3点を推したいと思います。
■スマートシティの快適さ
■港町のシーフードの美味しさ
■日本人の多い移住しやすさ
ぜひダナンを訪れて、あなた自身の目で新たな魅力を発見してみてください。