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【東日本大震災から11年】インドネシアが食品の輸入規制撤廃を表明

【東日本大震災から11年】インドネシアが食品の輸入規制撤廃を表明

2011年3月の東日本大震災以降、多くの国が日本産の食品の輸入規制を行なってきたことをご存じでしょうか?当初は合計55の国や地域によって規制が敷かれ、主に福島、茨城、栃⽊などが原産のものは輸入禁止、もしくは輸入時に放射性物質検査証明書や産地証明書などの書類の提出を必要としてきました。

インドネシアもそうした国の一つでしたが、2022年7月26日に日本産食品の輸入規制を完全撤廃することを発表しています。本記事では、インドネシアが行なっていた輸入規制の詳細や、撤廃後の展望、世界各国の規制状況などを解説していきます。

日本産食品の輸入規制について

引用元:農林水産省 | 原発事故による諸外国・地域の⾷品等の輸⼊規制の緩和・撤廃

東日本大震災後の原発事故で放出された放射性物質によって、食品の安全性が大きく損なわれてしまいました。これにより、多くの国や地域が日本産の食品の輸入を規制しました。

規制の内容は国や地域によって異なりますが、大きく分けると2つです。
・輸⼊停⽌
・放射性物質検査証明書及び産地証明書など、条件付きで輸入可能に

2022年9月現在多くが解除を表明していますが、一部ではまだ継続しています。

インドネシアの輸入規制の概要

インドネシアが日本の食品に対して行なってきた規制は、以下の通りです。

引用元:農林水産省|インドネシアによる日本産食品の輸入規制の撤廃について

インドネシアへの輸出を行うには、厚生労働省に登録された検査機関が発行する書類、もしくはインドネシア側で全数検査を行う必要がありました。
輸入するには多くの手間や費用がかかっていましたが、今回それらのすべてが撤廃されることになります。

インドネシアの輸入規制撤廃により今後どうなる?

今回輸入規制を撤廃したことによって、以下の2つに変化があると考えられます。
・輸出額の増加
・日本産食品の普及

どのように変わっていくか、具体的に見ていきましょう。

輸出額と品目の増加

2021年、日本からインドネシアへの輸出額は109億円でした。主にはかつお・まぐろ類などの海産物や、配合調製飼料などの割合が大きかったようです。

輸入規制が撤廃されたことによって、今後は輸出額の増加と共に、輸出品目の拡大も期待できることでしょう。 また、昨今円安が大幅に進んでいることから、日本のものを海外で売る、という流れが強くなる可能性も大いにあります。

日本産食品の普及

インドネシアは世界有数の親日国で、日本語学習者も非常に多いです。しかし、日本産の食品は、宗教上の理由によって品目が限られていることから、輸出額が少ない状況が続いていました。

しかし、最近では「日本食=ヘルシーで栄養がある」というイメージが定着しつつあり、多くの和食料理店や日系外食チェーンがインドネシアに進出しています。また、食文化が多様化して肉類の消費が増加していることも、日本産食品が普及する追い風になりそうです。

今後日本食が、多くのインドネシア人によって触れられることを期待しましょう。

現在、輸入規制を行っている国はある?

日本産食品の輸入規制を解除する国や地域は年々増えていますが、まだ継続している所がいくつかあります。ここでは、現在の世界各国の規制状況を見ていきましょう。

輸入規制措置を撤廃した国や地域は「43」

東日本大震災後に輸入規制を行なった国や地域は「55」で、その後撤廃したのは「43」です。規制を撤廃した中には、米国やシンガポールなど、日本にとって重要な貿易国も含まれます。

現在は規制を行なった8割ほどの国で、震災前と同様に輸入ができるようになっています。

輸⼊規制措置を継続している国や地域は「12」

現在も変わらず輸入規制を行なっている国は「12」です。この中には韓国、中国、台湾など日本から近い国や、ヨーロッパの国々(EU)も含まれます。

年々解除する国は増えているものの、震災前の状況に完全には戻っていないのが現状です。

今後の輸入規制措置はどうなる?

2022年9月現在、多くの国が緩和を表明しているように、今後他国でも輸入規制撤廃を行なっていくことが予想されます。日本産の食品が安全であることが証明され続ければ、いずれ規制はなくなることでしょう。

インドネシアの輸入規制撤廃 まとめ

今回インドネシアが輸入規制の撤廃を発表したことによって、日本産の食品の輸出額増加や品目の拡大が期待できます。日本食への関心が高まっていることからも、日本には大きなメリットがあることでしょう。

一方で、まだ輸入規制を行なっている国もいくつかあります。農林水産省の公式ページにもありますが、今後はそうした国に対して政府と民間企業が一体となって、食品の安全性を示し続けていくことが重要と考えられます。

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