衣食住

【日系企業も進出】ベトナムの加工食品業とは

【日系企業も進出】ベトナムの加工食品業とは

【日系企業も進出】ベトナムの加工食品業とは

ベトナムは、製造業が国を支える重要な産業の一つであり、内訳を見ると加工食品業が高い割合を占めています。特に水産分野では、中国やノルウェーに次ぐ世界第3位の規模を誇り、日本へはエビやイカ、マグロなど多くの海産物が輸出されています。

本記事では、ベトナム国内の加工食品業の概要や、進出している日系企業の取引などを紹介していきます。

ベトナムの加工食品業と食生活とは

参考:ジェトロ(ベトナムにおける食品関連市場)

ベトナムでは、加工食品業は幅広い分野を示します。日本では生鮮食品に含まれる、精米、精肉、ひき肉、乾燥大豆なども加工食品として分類しています。

参考:ジェトロ(ベトナムにおける食品関連市場)

ベトナム人は1回の食事で数品を食べる習慣があり、国内の消費では日常的に肉類、野菜類と米を一緒に食べることが多いです。主に炒めたり茹でたりして、魚と塩を発酵させて作った魚醤の「ヌックマム(Nước mắm)」を用いて調理します

ベトナムの主な加工食品業

ベトナムで生産された加工食品は、180ヶ国以上に輸出されています。ここでは、主な4つの分野を挙げていきます。

・食肉
・農作物
・水産
・飲料

それぞれどのような品目があるか、詳しく見ていきましょう。

食肉

ベトナムでは、昔から鶏、豚、牛肉などさまざまな種類の肉が食べられてきました。肉を加工したベトナム料理も多く、代表的なものには豚肉を発酵させて酸味を効かせた「ネムチュア(Nem Chua)」や、豚の耳で作られるハム「チャールア(Chả lụa)」があります。

地元民向けの市場では、生肉が売られている様子を確認できますが、近年は国民の衛生意識の向上や、サプライチェーンの発達により、ハムやベーコン、ソーセージの人気が上昇しています。

農作物

ベトナムでは人口の70%以上が農業に従事しているとされており、米やコーヒー、お茶、カシューナッツ、フルーツなど豊富な種類の農作物が栽培されています。しかし、品種改良が行われず、加工技術も未熟であることから、世界的にはあまり知られていません。

政府もそうしたことを問題と捉えており、2017年にはベトナム米のブランド開発プロジェクトの推進、各農産物の加工基準の作成などを行うことを発表しました。政府がテコ入れしていることからも、農産物の加工は成長分野の一つと考えられており、国内外の企業による投資が進んでいます。

野菜や米、肉類は国内での消費が多いですが、見た目のいいフルーツやカシューナッツ、コーヒー豆などは輸出されることが多いです。

水産

ベトナムは全長3,260kmの海岸線を有する国で豊富な海産物が取れ、養殖も盛んです。海面漁業ではマグロやカツオ、養殖ではエビと大型の淡水魚であるパンガシウスが中心です。

近年ベトナム国内での消費量は増えていますが、水産物の多くは輸出されています。ベトナム国内ではコールドチェーンが発達していないこともあり、沿岸地域やハノイ市やホーチミン市などの大都市を除き、地方には十分に行き届いていない現状があります。

飲料

ベトナムには、練乳入りコーヒーの「バックシウ(Bạc xĩu)」や卵黄とコンデンスミルクを泡立てたコーヒーの「エッグコーヒー(Cà phê trứng)」などがあり、昔から甘い飲み物が好まれてきました。しかし、最近では人々の健康意識が向上したことで、シュガーレスやカフェインレスを選ぶ人も増えています。

アルコールではビールが安価であるため好まれることに加え、ローカル酒の「タオメオ(Táo mèo)」もよく飲まれます。まだワインや焼酎などの市場は小さく、今後の伸び代があるとして、外資企業による投資が進んでいます。

ベトナムに進出している主な日系企業

次に、ベトナムに進出している主な日系企業を紹介していきます。

NH Foods Vietnam(日本ハム)
SHINSHU NT(信州ハム)
Otsuka Pharmaceutical Vietnam(大塚製薬)

それぞれ、どのような加工食品、飲料を提供しているかを解説します。

NH Foods Vietnam(日本ハム)

日本でも大手精肉加工・販売会社として知られる日本ハムは、ベトナムでNH Foods Vietnamという子会社を2011年に設立しました。NH Foods Vietnamは南部のロンアン省と北部のフンイェン省に工場を構えており、ベトナム全土に食品を提供しています。

商品は、加工食品のハムやソーセージや、冷凍食品の鶏の唐揚げやトンカツが中心です。特にパリッとした食感を実現した「Parit」は、ベトナム在住の日本人に広く親しまれています

SHINSHU NT(信州ハムなど)

SHINSHU NTは、信州ハム、ニチレイフレッシュ、豊田通商の3社がほぼ均等に出資して誕生した会社です。ベトナムで日系の会社の食品は、味や安全性が高く評価されており、前述のNH Foods Vietnamと共に人気があります。

製造する食品はハム・ソーセージなどの食肉加工品が中心です。特に日系や韓国系の外資のスーパーで見かけることが多いです。

Otsuka Pharmaceutical Vietnam(大塚製薬)

Otsuka Pharmaceutical Vietnamは2003年に設立された歴史のある日系企業で、現在は大塚製薬工場、大塚製薬株式会社、野村貿易株式会社の合弁会社として事業運営しています。
設立後2018年にはアマタ工業団地内に新工場建設を行うなど、着実に規模を拡大してきました。

ベトナムでは、看板商品のポカリスエットを始め、栄養補助食品や健康食品の製造も行っています。

まとめ

近年ベトナムでも食の西欧化が進み、加工食品の需要が高まっています。日系メーカーの食品も人気があり、NH Foods VietnamやSHINSHU NTの食品はベトナム国内の多くの家庭で親しまれています。

今後加工食品の需要が増加し、多様化も進んでいくことでしょう。日本の厳しい衛生基準の元で作られた食品はベトナムでも高く評価されています。現在海外進出をお考えの場合は、ぜひベトナムを検討してみてください。

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