インドネシアのデビットカード・クレジットカード事情
日本では、デビットカードやクレジットカードは支払い方法として定着していますが、インドネシアでは状況が異なります。特にクレジットカードは、銀行口座の保有率が低さや申し込みの手間、電子決済やオンラインバンキングの台頭など複合的な要因があり、インドネシアでの利用割合は低いです。
本記事では、インドネシアのデビットカード・クレジットカード事情をまとめました。今後インドネシアを訪れる、もしくは住む予定の人はぜひ参考にしてみてください。
インドネシア国内のデビットカード・クレジットカード事情

インドネシアでのデビットカードやクレジットカードの普及率は高くありません。利用は主に外国人向けの店やATMでのキャッシングが中心で、ローカル店や屋台では現金や電子決済での支払いが一般的です。
また、近年はインドネシア国内でデビットカード・クレジットカードの不正利用も多く報告されています。こうした点も、普及を阻害している一つの要因になっていると考えられます。
インドネシア国内のクレジットカード普及率

インドネシア国内のクレジットカード普及率は5%程度です。成人の8割近い人が持つ日本やアメリカとは割合が大きく異なります。
インドネシアでクレジットカードを作る場合は、銀行の窓口に行き収入証明や住民票、通帳のコピーなど、さまざまな書類の提出と手続きが求められます。日本のようにオンラインで個人情報を入力し、書類を提出する形では作れません。
こうした状況の中で、2023年6月に日本の信販会社のオリコは、インドネシアでクレジットカード事業を展開するHonest Financial Technologies International Private Limited社への出資を発表しました。今後は同社と連携して新規顧客の創出を行い、海外市場での競争力を強化する意向を示しています。
インドネシアのオンラインショッピングでの主な支払い方法

ここでは、インドネシアのオンラインショッピングにおける、主な支払い方法を紹介します。
電子決済
銀行振込
現金
代引き
クレジットカード・デビットカード
それぞれ詳しく解説していきます。
電子決済
電子決済は、オンラインショッピングでの主な支払い方法の一つとして知られています。電子決済のツールとしてはOVO WalletやGoPay wallet、Da-na Walletなどが有名です。中でもGoPay walletは配車アプリの大手Gojekが運営しており、アプリ間の連携がしやすいです。
主な使い方は、銀行やATMからチャージしたり、QRコードを読み取って支払いをします。各社で割引や特典などを用いたプロモーションにも力を入れており、年々ユーザー数と取引金額が増えています。
銀行振込
インドネシアのオンラインショッピングでは、オンラインバンキングを使っての支払いも盛んです。主な銀行にはBCAやMandiriなどがあります。
銀行にもよりますが、送金手数料は数十円程度です。オンラインバンキングは一度設定しておけばアプリで手軽に使えるので、インドネシアに住む方はぜひインストールしておきましょう。
代引き
デジタルに慣れていない人や、セキュリティ面を気にする人の中には、現金を渡して品物を受け取る代引きを好む人も一定数います。ただし、割合は「6.8%」と高くはありません。
若者のインターネット普及率はジャカルタでは98.5%ですが、パプア州では39.35%と大きな差があります。スマートフォンを持っていないご年配の人や、電波の入りづらい地域に住んでいる人が、代引きを利用していると考えられます。
デビットカード・クレジットカード
インドネシアのオンラインショップで、デビットカード・クレジットカードの利用率はそれぞれ「5.6%」と「4.4%」です。日本ではクレジットカード決済が6割を超える中で、インドネシアの数字は特徴的といえるでしょう。
インドネシアでデビットカード・クレジットカードが普及していない点については、さまざまな原因が考えられます。もっとも大きな理由としては、電子決済よりもポイントや特典などのメリットが少ない点があります。
また、そもそも取り扱っている金融機関が少なく、申し込みに時間がかかる点も理由として考えられます。デビットカード・クレジットカードよりも、電子決済やオンラインバンキングが盛んなことは、インドネシアに限らず東南アジア各国で見られる傾向です。
まとめ
インドネシアでは、デビットカード・クレジットカードよりも電子決済やオンラインバンキングを使う人が多いです。OVO WalletやGoPay walletなどの電子決済は、インストールしてチャージ、もしくは銀行口座と紐づけることで簡単に利用できます。