その他

ベトナムの中古品市場とは

ベトナムの中古品市場とは

ベトナムへ進出する際に、日本から中古機械を持っていきたいと考えている人は多いのではないでしょうか。日系の会社にとって日本の中古機械は操作に慣れていて扱いやすいだけでなく、設備投資を抑えられるなど、さまざまなメリットがあります。

しかし、ベトナムでは中古機械の持ち込みについて厳しく規制されています。中古機械の種類によっては、そもそも持ち込み自体ができないこともあります。

本記事ではベトナムの中古機械事情と、車、バイク、PC、スマートフォンなどの中古販売市場についてまとめました。これからベトナムへ進出しようとしている人は、ぜひ参考にしてみてください。

ベトナムの中古機械事情

ベトナムへの中古機械の輸入は、政府が定める基準を満たした場合にしか実施できません。輸入可能なのは輸入禁止品目を対象としないHSコード84類、85類に属する中古機械であり、製造年月日が10年〜20年以内である必要があります。

HSコードとは、貿易対象品目を21の項目に分類し6桁の数字で表したものです。輸入できる中古機械としては家電の部品や消化器、地ならし機、精米器、ミシンを始めとした多岐にわたる種類があります。

ベトナムへ中古機械を輸入するためには、政府が定める基準を満たすことに加え、複数の輸入申請書類の用意が必要です。

ベトナムの中古市場

ベトナム国内でも中古品を売る店は多く存在します。ここでは、車やパソコンなどいくつかの製品の中古市場を紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。

機械

本記事でも紹介している通り、中古機械の輸入は厳しく制限されています。10年ほど前までは比較的曖昧なルールのもとで行われてきましたが、2015年に年数制限が導入されてからは、細かい条件も決められるようになりました。

その後2019年には条件が緩和し、一部は製造から20年以内の機械でも輸入できるようになりました。現在日本の中古機械を持ち込んでいる日系企業は多くありますが、メーカーによる修理ができず必要な部品が届くまでに時間がかかることから、日本と同様に扱うことは難しいようです。

ベトナムは右側通行、日本は左側通行でハンドルの位置が異なります。左ハンドルの規格が求められる上、高関税+特別消費税が課されるため、日本からの中古車の輸入は現実的に不可能といっていいでしょう。

ベトナムで流通している中古車は、基本的に国内で生産された車です。ベトナム全土でトヨタやマツダ、日産など日系メーカーで生産された車も多く走っています。日本車は長年乗れることから市場でも人気が高く、新品価格とさほど変わらないことも少なくありません。

バイク

ベトナムへのバイクの輸入は許可されていません。輸入禁止リストにはオート三輪車やトラクターなども記載があります。

ベトナムはバイク大国とも言われており、国内では多くの中古バイクが流通しています。安いものは数万円程度から売られているので、現地で購入する日本人も多いです。

PC

ベトナム国内でも多くの中古PCが売られています。中古PCはベトナム版メルカリともいわれる「Chợ Tốt」や街中での中古店でも購入できますが、不具合品も一定数混ざっており、多くの人に敬遠される傾向にあります。

ベトナムでの中古PCの売買は、知り合い同士やFacebookを使って、顔が見える相手と行うことが一般的です。

スマートフォン

保有率が63.2%で世界トップ10に入るように、ベトナムでは多くの人がスマートフォンを持っています。オンラインショップや街中のお店で売買されており、スマートフォンの中古品を専門で売る店も存在します。

しかし、中古品の人気はそこまで高くありません。PC同様に不具合品が混ざっていることに加え、国民性として見栄っ張りな傾向があるため、少し無理をしてでも新品を購入する人が多いです。

家電

電圧は日本が「100V」ベトナムが「220V」と違うので、冷蔵庫、洗濯機、クーラーなどの家電は現地での調達が一般的です。一部輸入できる家電もありますが、輸送費が高く通関手続きに多くの時間を費やすことになるので、おすすめはできません。

個人の範囲で日本で購入した家電を持ち込む場合、利用時に変圧器が必要です。220Vまで対応したACアダプターがついていれば問題ありませんが、それ以外をコンセントに直接差して使うと故障するので注意しましょう。

ベトナムの中古市場の今後

ベトナムは毎年約100万人ずつのペースで増え続けており、小売市場の売り上げも10%前後の成長を続けています。中古市場も年々売上規模は増え続けてる成長市場であり、2021年に11億ドルであった市場は、2026年には5倍近くの51億ドルに到達すると予想されています。

しかし、本記事でも説明してきた通り、中古品に対する信頼度はまだ低いです。中古品に対して保証をつけているところは少なく、細かな動作確認を行わないこともあります。

安いものを求める需要は一定数ありますが、不良品を掴むリスクを考えると、購入にまで至りづらいのが現状です。

まとめ

ベトナムへ輸入できる中古機械は限られており、仮に可能な場合でも書類の提出や関税の支払いなどさまざまな手続きを必要とします。ベトナムへ進出する際の設備は、日本からの輸入と現地調達、両軸で考えるのがおすすめです。

ベトナムには数々の日系メーカーが進出しており、日本で買える家電の多くを購入できます。ぜひ本記事を参考にベトナムへの進出計画を練ってみてください。

海外のレンタル倉庫・工場をお探しの方へ

CRE倉庫検索 for ASEANではベトナム・インドネシアを中心とした海外の物件を取り扱っております。
これから海外進出をご検討されている企業様、または既に海外展開中の企業様もお気軽にお問い合わせください。

電話でのお問合せはこちらから

TEL : 03-5114-5442

(携帯電話・PHSからもご利用いただけます)
営業時間 : 午前9時30分から午後6時まで (平日のみ)

ページの先頭へ