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インドネシアにおけるハラル認証とは

インドネシアにおけるハラル認証とは

インドネシアでは2024年10月よりハラル(ハラール)認証が義務化されます。ハラル認証を受けないとインドネシア国内で飲食業を展開できなくなるので、関連する事業者の対応は必須といえるでしょう。

本記事では、インドネシアにおけるハラル認証の概要や認証時のポイントをまとめました。飲食業以外の業界にも影響が出る可能性があるので、インドネシアで事業を行う人は今すぐに記事を確認してみてください。

インドネシアのハラル認証の概要

インドネシアでは2024年10月17日から食料や飲料を提供する業者に対して、ハラル認証が義務化されます。ハラル認証とはイスラム法に則って処理、生産されたことを示すものです。イスラム教で禁じられている豚や牛肉、酒などが含まれておらず「神に食べることを許されたもの」という意味を持ちます。

ハラル認証は飲食店や小売店に限らず、関連する業種も対応が必要です。また、2026年には化粧品や医薬品、衣料品、文房具などにも範囲が拡大することにも注意してください。

インドネシアのハラル認証義務化について

ここでは、インドネシアのハラル認証の概要や、義務化後どうなるかを解説します。ただし制度としてまだ不透明な部分も多く、義務化直前になって変更の可能性があることは覚えておく必要があります。

製品だけでなく流通工程や処理方法も対象に

ハラル認証では飲料や食料を始め、加工、流通、包装などさまざまな業者が対象になります。ハラル認証にはイスラム法に基づいた屠殺方法の遵守や飲酒の禁止、物流の経路と経歴の追跡、ハラル商品であることの表示などが必要です。

ハラル認証は2019年10月17日から移行期間が始まっています。移行期間は飲食料品については5年間、非飲食料品は7〜15年間です。

BPJPHと提携するハラル認証機関が行った証明は他国でも有効

インドネシアのハラル認証は、現在BPJPH(ハラール製品保証実施機関)によって管理されています。BPJPHが発足した2019年10月から、日本国内にあるハラル認証機関に対しては相互承認をしてきませんでしたが、2023年7月に初めて評価訪問を実施しました。同年9月時点では、4団体が申請を行っています。

相互承認が許可されれば、BPJPHに変わってハラル認証を発行可能です。

日本国内にあるハラル認証機関のJHA、JMA、MPJAの3つは、2019年10月以前に管理していたMUI(インドネシア・ウラマー評議会)の発行権限を取得しています。MUIからのレターには「BPJPHから新たに承認を取得するまでの間は、MUIから与えられた相互承認を有効とする」とあります。

しかし、義務化以降にどの程度の効力が発生するか不明であり、現時点ではBPJPHとの相互承認の取得が好ましいと考えられています。

ハラル認証機関は今後増える可能性

日本には現在9つのハラル認証機関が存在しており、その内4つが相互承認の申請中です。BPJPHはチリやニュージーランドなど、世界各国の国にあるハラル認証機関へすでに評価訪問を行っています。

2024年10月17日の義務化に向け、今後相互認証済みのハラル認証機関が増える可能性は高いでしょう。

今後は別分野でもハラル認証が必要に

2026年 10月17日以降は、飲料や食料品に限らず、化粧品や医薬品、文房具などもハラル認証が必要となります。ハラル認証の申請から承認までは平均2ヶ月〜3ヶ月かかるとされており、早めの対応が求められます。

ハラル認証のチェックポイント

ハラルの考え方は「農場から食卓まで」とされているように、原料の生産から消費までの一連の流れに適用されます。ここでは、食品分野でハラル認証を受ける際にどのポイントがチェックされるかを述べていきます。

原材料

イスラム教徒が食べられないもの、もしくは処理方法に注意すべきものは以下の通りです。

・豚肉
・酒類
・イスラム法上で適切に処理されていない食肉
・ウロコのない魚(宗派による)

上記のエキスや成分が含まれるものも食べることができません。

なお、イスラム法上で食べることを許された食品を「ハラル」、禁じられた食品を「ハラム」といいます。

保管状況、製造ライン

適切な処理をされていても、ラードやお酒など禁じられたものがかかってしまった場合は、ハラムとなってしまいます。製造の過程で混在する可能性は排除する必要があります。

従業員教育

ハラル認証では、従業員に対しても正しい知識があるかどうかも問われます。書類が適切に保管され、新しい従業員に対しても問題なく教育が行われるかが求められます。

管理体制

ハラルとハラムが分けて管理されているか、体制が変わってもイスラム法を遵守し継続した生産環境が構築されるかをチェックされます。食品や設備のハード面、従業員の教育や管理体制のソフト面まで、幅広い項目の基準を満たす必要があることを覚えておきましょう。

まとめ

2024年10月のハラル認証義務化に向けて、現在各社で対応を進めています。ハラル認証には申請の時間がかかり、従業員の正しい認識が求められます。会社にとってはコストの負担が発生しますが、裏を返せば一つの参入障壁になるため、ビジネスチャンスともいえるでしょう。

ハラル認証はまだ不透明部分もあるものの、すでに義務化は確定しています。インドネシアで事業を展開する会社は、ハラル認証に向けての準備を早めに進めるようにしてください。

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