その他

インドネシアの大統領選

インドネシアの大統領選

インドネシアでは、2024年から本格的な首都移転が始まっています。国にとって重要な局面を迎えている中、2024年2月に大統領選が行われました。選挙の結果は現体制のジョコ大統領が支持するプラボヴォ派が勝利し、インドネシア政府は新たなスタートを切ろうとしています。

本記事では、インドネシアの大統領選の概要や選挙の結果、今後の体制について解説していきます。

インドネシアの大統領選とは

インドネシアの大統領選は「世界最大の直接選挙」と呼ばれ、2024年2月14日から投票が始まりました。インドネシアでは日本と異なり、大統領の候補者に対して国民が直接投票する形式をとります。

今回の大統領選では、国防相を務めるプラボウォ・スビアント氏が大統領、ジョコ・ウィドド現大統領の長男ギブラン・ラカブミン氏が副大統領として当選しています。

次からは、インドネシアの大統領選の概要について解説していきます。

大統領の任期は5年、再選は1回まで

インドネシアの大統領の任期は5年で、再選は1回までと憲法で定められています。ジョコ現大統領は2014年から務めていて2019年に再選、2024年に2回目の任期を迎えるため、今回の選挙には出馬できませんでした。

2019年にジョコ大統領が再選を果たした選挙では、大規模な抗議活動があり6人が死亡、200人が負傷し、情勢の悪化が懸念されていました。今回も外務省から注意喚起が出ましたが、目立った混乱はなく比較的穏やかに選挙が終わっています。

大統領と副大統領がペアで出馬する

インドネシアでは、大統領と副大統領候補がペアを組んで出馬する仕組みです。今回当選したのは、インドネシアの現国防相プラボウォ・スビアント氏と、ジョコ現大統領の長男である中部ジャワ州ソロ市長のギブラン・ラカブミン氏で構成されるプラボウォ派でした。

2023年10月に立候補した当時、ギブラン氏はまだ30代で条件の「正副大統領候補ともに40歳以上」の資格を満たしていませんでした。しかし、憲法裁判所が同年10月16日に「40歳以上または地方首長経験者は立候補を認める」という判決を出し、立候補可能な状態となっています。

1回目の投票で決まらない場合1位と2位の組による決選投票が行われる

インドネシアでは直接投票で50%以上の票を獲得し、国内全38州のうち20州以上で20%以上の票を得ることが必要です。もし該当者がいない場合は、1回目の投票で票を獲得した上位2組による決選投票が行われます。

今回、2024年2月14日に行われた選挙の結果が3月20日に正式発表、もし決選投票が必要であれば6月26日の開催が予定されていました。

2024年2月の大統領選でプラボヴォ派が勝利

インドネシアの大統領選は2024年2月14日に行われ、翌日15日にはジョコ現大統領が支持するプラボヴォ派が勝利を宣言しました。インドネシア国内では、ジョコ現大統領の支持率は高い水準を維持しており、そのまま票が流れたと考えられています。

選挙には3組が出馬し、1位のプラボウォ派は9,621万4,691票(得票率58.6%)、2位のアニス派が4,097万1,906票(得票率24.9%)、3位のガンジャル派が2,704万878票(得票率16.5%)でした。

選挙で勝利したプラボヴォ氏とは

ここでは、選挙で勝利したプラボヴォ氏について解説していきます。

かつてはジョコ大統領の対抗馬

プラボヴォ氏はかつてジョコ大統領の対抗馬でした。ジョコ大統領が当選した2014年と再選の2019年の2回立候補し、激しい選挙戦の末にいずれも敗北しています。

プラボヴォ氏は敗北を通じてジョコ大統領支持層の強さを実感し、現政権の政策を継承する方針をとりました。また、ジョコ大統領の長男ギブラン氏を副大統領候補に据えたことも、勝利の大きな要因とされています。

選挙前は国防相を務めていた

プラボヴォ氏は現在72歳で国防相を務めています。インドネシア陸軍出身で、1983年に当時の大統領スハルト氏の次女と結婚したことで、軍内部において影響力を持つようになりました。

しかし1998年にスハルト大統領が辞任し、対立していたウィラント氏が実権を持つようになります。プラボウォ氏は軍内での不正行為について軍法会議にかけられ、籍を剥奪されてしまいました。

その後ヨルダンに移住し、弟の事業を手伝いながら2002年に「ヌサンタラ・エネルギー・グループ」を設立します。そして、事業を通じて政治資金を得た後に政界に進出し、今回の大統領選で勝利しました。

今回の当選でプラボウォ氏には国民から大きな期待が寄せられている一方で、72歳という年齢を気にする声も多いです。

大統領選その後

インドネシアの大統領選ではプラボウォ派が勝利しました。この見出しでは、選挙結果が出た後のことについて解説します。

対抗の陣営は不正を主張するも棄却

選挙結果を受け、落選したアニス氏とガンジャル氏は異議申し立てを行いました。異議申し立ての内容は、ジョコ大統領の義弟が長官を務める憲法裁判所が「地方首長経験者を例外とする」との見解を示し、年齢制限を緩和する解釈を示した点です。

ジョコ現大統領が裁判所に働きかけて選挙を有利に進めようとしたのでは、と指摘しましたが、2024年4月22日に根拠不十分で棄却されています。

2024年10月20日に新政権誕生

2024年10月20日に次期大統領プラボウォ氏と副大統領ギブラン氏が就任し、新政権が誕生する予定です。

プラボウォ氏は加工貿易の推進と国内産業を強化し、安全保障面では米国、経済面では中国との関係を強化するなど、ジョコ現大統領の方針を支持する意向を示しています。

まとめ

次期大統領のプラボウォ氏と副大統領ギブラン氏は、現体制の方針を引き継ぐ見込みです。国として重要な局面を迎える中、新政権がどのような政策を打ち出していくかに注目していきましょう。

海外のレンタル倉庫・工場をお探しの方へ

CRE倉庫検索 for ASEANではベトナム・インドネシアを中心とした海外の物件を取り扱っております。
これから海外進出をご検討されている企業様、または既に海外展開中の企業様もお気軽にお問い合わせください。

電話でのお問合せはこちらから

TEL : 03-5114-5442

(携帯電話・PHSからもご利用いただけます)
営業時間 : 午前9時30分から午後6時まで (平日のみ)

ページの先頭へ