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ベトナムの教育業

ベトナムの教育業

ベトナムにも義務教育期間が存在します。5歳から15歳までの10年間が義務教育期間ですが、経済的な事情で満足に学校へ通えない人も少なくありません。また、詰め込み型でスキルが身につきづらい、地域によって教育格差があるなどの課題も存在します。

本記事では、ベトナムの教育制度と教育業の概要や、今後の課題について解説していきます。

ベトナムの教育業とは

ベトナムの教育業の売上は年々上昇しています。現在ベトナムは人口ボーナス期の中にあり、年間100万人程度増加しています。人口ボーナス期は2035年くらいまで続く見込みであり、その間に教育需要のさらなる拡大が期待できるでしょう。

次からはベトナムの教育制度や教育業の概要を紹介しています。

義務教育期間は10年間

ベトナムでは就学前の幼稚園1年、初等学校(小学校)5年、下級中等学校(中学校)4年が義務教育期間です。国が強制教育を実施し義務教育の計画と促進する責任を負い、保護者は子どもに義務教育を受けさせる義務を負います。

学費について、憲法には公立小学校では無料と記載されていますが、一部では徴収が確認されています。また、公立の学校であっても制服や教科書の購入は必要です。

必修は11科目

義務教育の必修はベトナム語(国語)や算数、第一外国語(英語)、理科や体育を始めとした11科目です。国際的には算数・数学分野に強く、2021年7月に実施された第62回国際数学オリンピックでは参加107カ国・地域の中で14位、東南アジアでは1位になっています。

ベトナムでも必修科目に体育が含まれますが、授業では「体を動かす」程度にとどまる内容です。スポーツのルールを学び競技を行う授業はなく、放課後のクラブ活動も存在しません。そのため、積極的にスポーツを行う子供とまったくしない子供の間で大きな差が生まれており、若年層の肥満率上昇にも影響していると考えられます。

進学率は伸びてきている

ベトナムの進学率は小学校100%、中学校85%、高等学校68%、大学は26%です。近年学校の数が増えていることもあり、高等学校と大学進学率は伸びてきています。

ベトナムでは義務教育期間中の評価・進級制度が存在します。一定の基準に達しない児童生徒は進学できずに留年となり、3年留年すると退学になる仕組みです。

都市部と農村部で進学率が異なる

近年ハノイ市やホーチミン市などの都市部では学校の数が増えてきていますが、地方では十分に存在しないのが現状です。アクセスの悪い山間に住んでいる人は、通学に何時間もかけていることも少なくありません。

また、経済的な事情で早くから働かざるをえない人も多く、教育機会が均等でないことも指摘されています。

eラーニング市場が成長

ベトナムでは、2020年〜2021年に新型コロナが流行した際に、学校が長期間休校となりました。そうした状況の中eラーニング市場が成長を続けており、2019年に1億5,322万ドル(約240億円)だった売上は、10年後の2029年には6億2,733万ドル(約985億円)にまで伸びると予想されています。

ベトナムのスマートフォン普及率は「63.1%」で世界で10番目に高い数字であり、eラーニングが普及しやすい環境があります。eラーニングは通学が困難な地域に住む生徒や、放課後の学習、習い事などさまざまな場面で導入されています。

ベトナムの教育業の課題

ここでは、ベトナムの教育制度や教育業が抱える課題を解説していきます。

点数至上主義で必要なスキルが身につきづらい

ベトナムでは日本以上の詰め込み型教育が行われており、テストの点数を重視する傾向が強いです。また、資格を金銭で購入する行為やカンニングも横行しています。このように、テストや試験を重視するあまり、学生が実社会で必要とされるスキルを十分に身につけられないという点は、古くから指摘されてきました。

ベトナムには実践的なスキルを学ぶ職業訓練校があります。しかし、入学試験に失敗した後の最後の選択肢と考えられることが多く、大学や海外留学が優先される傾向にあります。

都市部と農村部の教育格差が大きい

ベトナムでは都市部と農村部で大きな教育格差があります。都市部では私立学校や高度な設備が充実している一方で、農村部では学校そのものが不足している地域も少なくありません。

農村部の学校では、教室や教材が老朽化していることも課題となっています。加えて、少数民族への教育では言語や文化の違いが障壁となり、都市部への高校や大学への進学が制限されるケースもあります。

学費の高騰

ベトナムでは毎年3%〜4%程度のインフレ率を記録しており、それに伴って学費の値上げも進んでいます。例えば2020年から2021年の間で、ホーチミン市医科薬科大学の学費は「1,300万VND(約6万2,000円)程度」から「3,000万~7,000万VND(約14万3,000円~33万円)」へ値上げすることが発表されました。

また、インターナショナルスクールの学費は年間「100万円〜300万円」と、日本と同等の水準になっています。

まとめ

ベトナムでは年々進学率が上昇してきている一方で、都市部と農村部の教育格差が大きいといった課題は残ります。ベトナムではアクセスの悪い山間の地域に住む人も多く、均等に教育の機会を与えることが求められています。

教育業界では、eラーニング市場が急成長を遂げています。経済が発展する中でスポーツや語学、学習塾などの習い事を始める人が増えており、今後も教育関連市場のさらなる成長が期待できるでしょう。

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