金融

【銀行口座の保有率50%】インドネシアの金融業の概要と課題

【銀行口座の保有率50%】インドネシアの金融業の概要と課題

インドネシアは毎年経済成長をしている国であり、銀行や決済、投資などの金融サービスも発展を遂げています。金融サービスについて日本と比較すると、銀行口座の保有率は高くない一方でオンライン決済が定着しており、個人の小規模なお金の貸し借りが盛んな特徴があります。

本記事では、インドネシアの金融業についてまとめました。これからインドネシアに住む予定のある人は、ぜひ参考にしてみてください。

インドネシアの金融事情

個人が利用するもっとも身近な金融サービスに、銀行が挙げられます。上記の画像が示す通り、直近1年の間でも預入金額は上昇傾向です。近年では銀行の利用に加えて、株や不動産などの投資に取り組む人も多くいます。

しかし、金融やお金に対する意識はまだ発達していない部分がみられます。金融リテラシーの低さが招く投資詐欺被害や、個人間の貸し借りによるトラブルも少なくありません。

また、インドネシアには1,755の島があり、地域によっては十分な金融サービスを受けられない人もいます。このことを政府や金融機関は課題として捉え、環境の整備を進めています。

インドネシアの金融の特徴

ここでは、インドネシア国内の金融サービスを紹介していきます。銀行、決済、投資、保険の項目についてそれぞれ詳しく解説します。

銀行

インドネシアの銀行は、商業銀行と地方銀行に大別されます。商業銀行とは国営や民間、外国銀行、地方銀行はそれ以外の銀行と認識しておけばいいでしょう。日本からくる多くの人は、商業銀行の口座を作ることになります。

東南アジアの銀行は定期預金金利が高いことで知られていますが、インドネシアも例外ではありません。インドネシアでは2%〜3%ほどの利率で、日本人の在住者でも口座を作ることが可能です。

しかし、定期預金金利は高いものの、インドネシア国内での銀行口座保有率は50%程度と高くありません。理由としては地方部には支店がないことや、低所得者は預金する余裕がなく銀行に対するニーズが低いことが挙げられます。

決済

インドネシアでは、現金の他にスマートフォンを用いたキャッシュレス決済が普及しています。クレジットカード会社のVISAによると、国民全体の95%が利用しているデータがあるようです。キャッシュレス決済は街中の店舗に加え、ローカル店や屋台でも利用可能です。

クレジットカード普及率は5%程度で、8割近い日本とは大きく異なります。クレジットカードを作るには銀行口座を持つ必要があり、求められる書類も多いことが普及を妨げているようです。

投資

インドネシアの投資は株や投資信託、不動産などがあります。外国人ができる投資は株がメインで、不動産は「最長30年+延長可能期間20年+更新可能期間30年」の最長80年間の使用権を保有する形で取得します。

近年インドネシアの平均収入は上がり続けており、投資に興味を持つ人も多いです。個人投資家は2019年末で約110万人でしたが、2022年6月末には約400万人までに増加しました。

ただ、国全体として金融の教育が行き届いておらず法的な整備も追いついていません。近年はSNSを通じた投資詐欺も報告されています。手口としては、TikTokやInstagramなどを通じて投機性の高い投資に誘導して、入金を促すようです。

保険

インドネシアでは、2014年から社会保険制度が導入されてました。この制度により窓口負担が原則無料となりますが、利用はローカルの病院に限られます。医療水準や言葉の問題があるため、外国人は英語でコミュニケーションが取れて水準の高い診療が受けられる、外資の病院に対応した保険に個別で加入することが多いです。

また、インドネシア国内の生命保険加入率は3%程度です。株や指標と連動した投資性の高いものが多く、年金分野の保険はまだ未発達であるといえます。

インドネシアの金融の課題

続いて、インドネシアが抱える金融リテラシーやサービス面での課題を挙げていきます。
それぞれ詳しくみていきましょう。

金融リテラシーは高くない

数多くの有人島が存在するインドネシアでは、地域ごとに教育格差があります。農村部では都市部に比べて就学率は大きく低下し、文章の読み書きや簡単な計算も十分に勉強できないまま中退してしまう人も少なくありません。

また、最近ではメッセージアプリやSNSを通じて利用した高金利のローンや、高利回りを謳う投資で元本が持ち逃げされるなど、個人を狙ったトラブルが多発しています。

金融リテラシーの低さは国の経済成長にも影響を及ぼす可能性があります。問題を解決するためには、地域差を考慮した施策が求められるでしょう。

金融サービスに対する信頼感の欠如

近年は改善傾向ですが、1999年にはバリ銀行、2003年にはバングネガラインドネシアの不祥事があり、いまだに銀行に対して不信感を持っている人もいます。また、最近ではオンラインバンクや決済アプリのスキミング被害も多く報告されています。

信頼感向上のためには、透明性の確保やセキュリティの強化、法的な保護を進めることが必要と考えられます。

まとめ

インドネシア人の収入は年々増加し、金融のサービスや投資の需要が急速に高まっています。国内で動くお金は増えている一方で、金融リテラシーが追いついておらず、詐欺やハッキング被害も発生しているのが現状です。

インドネシアでは、日本よりも金融のオンライン化が進んでいます。これからインドネシアに住み金融サービスにアクセスする際は、セキュリティを意識した取り組みが求められるでしょう。

海外のレンタル倉庫・工場をお探しの方へ

CRE倉庫検索 for ASEANではベトナム・インドネシアを中心とした海外の物件を取り扱っております。
これから海外進出をご検討されている企業様、または既に海外展開中の企業様もお気軽にお問い合わせください。

電話でのお問合せはこちらから

TEL : 03-5114-5442

(携帯電話・PHSからもご利用いただけます)
営業時間 : 午前9時30分から午後6時まで (平日のみ)

ページの先頭へ