インフラ

ベトナムのインフラ普及率とは

ベトナムのインフラ普及率とは

年々経済成長を遂げているベトナムですが、インフラは未発達といえます。山間の農村部では、電気や水道のライフラインが不十分なだけでなく、道路や医療施設、教育などのインフラが十分でないこともあります。

本記事では、ベトナムの電気やガスの普及率から、交通や医療、教育についてなど、インフラに関することを幅広くまとめました。

ベトナムのインフラ普及率

ここでは、電気・水道・ガス・通信といったインフラの普及率を紹介していきます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

電気

2020年時点で、家庭で電気を供給できる設備の有無を示す電化率の割合は99.26%でした。ベトナム全土で概ね普及していますが、北部の山間部では電気のない生活を送っている人もいます。

発電方法は石炭や石油による火力が中心で52%、続いて水力が35%、再生可能エネルギーが13%となっています。近年は電気の消費量が増加しており、夏の時期には大規模な停電を実施しなければならない事態も発生しています。

水道

ベトナムの都市部では、飲料水や生活用水を供給する上水道の普及率は91%、工場用水や生活排水を処理する下水道の普及率は20%程度です。2016年にベトナム政府は2020年までに下水道の普及率70%を目指す目標を掲げていましたが、まだ乖離がある状況です。

ベトナムでは水質汚染が進んでおり、街を流れる川や溜め池から異臭を放つことも少なくありません。また、瞬間的に大量の雨が降った際に洪水が発生することもあり、水処理は都市部の大きな課題となっています。

ガス

ベトナムで、ガス導管の敷設が必要な都市ガスの普及率は1%〜2%程度です。一般的な家庭ではLPガスのボンベを購入して、調理や温水器に用います。

家庭や食堂のガス爆発事故は毎年発生しており、近代的なマンションでは、ガスではなく電気を使うケースも増えています。

通信

ベトナムの通信速度が早い4G(第4世代移動通信システム)は99.8%です。この数字は先進国の平均普及率の99.4%を上回ります。

スマートフォンの普及率は63%であり、世界で10番目の数字です。多くの人がインターネットにアクセスできる環境にあり、生活に欠かせないものとなっています。

ベトナムの交通、医療、教育のインフラ

ここでは、ベトナムの交通、医療、教育のインフラを挙げていきます。交通については「道路、橋」「鉄道、地下鉄」「空港、港湾施設」の3つに分けて紹介します。

道路、橋

2023年9月時点で、高速道路の総延長は1,832kmです。2025年にベトナムを縦断する南北高速道路東側全線開通を目指し、現在工事が進んでいます。

近年は車が増えたことで渋滞も多く発生しています。平日昼過ぎの時間帯でも渋滞で身動きが取れなくなることもあり、高架や橋のインフラ整備が求められていますが、良い進捗が出ていないのが現状です。

鉄道、地下鉄

ベトナムは鉄道の発達が遅れている国です。2021年11月にはハノイでメトロが開業しましたが、何度も延期を重ねて6年遅れで完成しました。延線工事も行われていますが、完成時期は2022年から2027年に延期された上、すでに予算もオーバーしている状況です。

遠距離路線では、ハノイからホーチミンを結ぶ「ベトナム統一鉄道」がありますが、始発から終点まで約36時間かかります。1日の本数は4本程度と少なく、予定時間も大幅に変わることがあるため、利便性がいいとはいえません。

空港、港湾施設

ベトナム国内には22ヶ所の空港と飛行場があります。現在でも多くの空港の建設が進んでおり、2030年には30、2050年には33まで数が増える予定です。

港湾施設はベトナム国内に140ヶ所あります。しかし、数は十分とはいえず、年末やテト(旧正月)前の繁忙期には物流の遅れが発生することも多いです。

医療施設

医療施設は地域間で大きな格差があります。ハノイやホーチミンの都市部にはローカル、外資の病院が多くありますが、農村部には診療所もない地域があります。

高齢者の割合が増えるベトナムで、地域間の格差は大きな課題です。最近では、格差是正の一助として、遠隔での診療や診断が可能な「テレヘルス(Telehealth)」や、業務効率化を実現するための電子カルテなど、DX化を進めています。

教育

ベトナムでは、小学校5年間と中学校4年間の合計9年間が義務教育期間です。識字率は95%以上と開発途上国の中では高く、数学や科学の能力を調べる国際テストでは世界的にも優秀な成績を収めています。

しかし、高校や大学がない地域も存在します。ハノイやホーチミンなどの都市部に出て下宿する必要があるため、金銭的な事情で進学を諦めてしまう人も少なくありません。

まとめ

ベトナムの都市部は、電気や水道、通信など生活をしていく上での基本的なインフラは整っています。しかし、電力の使用量が増えたためピーク時に停電が発生する、下水が十分に処理されていない、などの課題も残ります。

また、地域によって医療施設や教育の格差もあります。格差の是正のために、今後は施設の設立を進めると共に、IT技術を用いたDX化が求められるでしょう。

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