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ビンズオン省の公共交通インフラ改善

ビンズオン省の公共交通インフラ改善

ホーチミン市から車で約30分ほどの距離にあるビンズオン省は、現在ベトナム南部の経済重点地域に指定されており、外資企業からも注目されている場所です。日系企業では東急グループを中心となって開発を進めており、分譲マンションや商業施設の建設が行われています。

本記事では、ビンズオン省の公共交通インフラや現在の開発状況について詳しく解説していきます。

ビンズオン省の公共交通インフラとは

ビンズオン省はホーチミン市の中心から約20kmほどの距離にあります。8つの村から構成されている省で人口は260万人ほど、人口増加率は前年度比5%増(2020年実績)と全国第1位の数字を誇ります。

ビンズオン省の経済構成は農林水産業が1割未満、製造・建設業が約6割、サービス業が約3割です。省内には29の工業団地があり、現在は交通インフラへの投資が積極的に行われています。

次からはビンズオン省の公共交通インフラについて、詳しく解説していきます。

移動手段としてバイクや車の依存度が高い

ビンズオン省はホーチミン市のベッドタウンとしても知られています。ホーチミン市への通勤圏内にあり、移動手段はバイクや車、バスが中心です。2024年12月に開通したメトロは、ビンズオン省の外れのスオイティエン駅まで行くことが可能です。

現在主要な幹線道路では、通勤、帰宅の時間帯に渋滞が発生することもあります。今後も増加が見込まれる交通需要に対応するため、交通インフラ開発が進められています。

東急がビンズオン新都市の開発を進める

東急株式会社の子会社であるベカメックス東急は、2012年よりビンズオン新都市にて現地の文化・慣習と融合した街づくり「TOKYU GARDEN CITY」プロジェクトを推進しています。

ビンズオン新都市では東急バスが運行しており、2023年7月より商業施設「ソラガーデンズSC」2025年秋には分譲マンション「MIDORI PARK The TEN」が竣工・引渡を予定しているなど、着々と開発が進んでいます。

JICA(独立行政法人国際協力機構)による融資支援が実施

JICA(独立行政法人国際協力機構)による融資支援が実施

成長が期待できるビンズオン省へは積極的な融資が行われています。2023年7月には日本の政府開発援助(ODA)を実施、管理するJICAを通じて日本政府から約62億円の融資、2025年1月にはビンズオン省政府が2021年〜2030年の間にインフラ開発へ100兆ドン(約6,000億円)を投じることが発表されました。

また、ビンズオン省の工業団地「VSIP1」には、多くの日系企業が拠点を構えています。今後も日系企業の進出や投資が活発化し、地域経済の発展に寄与することが期待されます。

ビンズオン省の公共交通インフラの今後

次に、ビンズオン省の公共交通インフラの今後について解説していきます。

ビンズオン新都市とスオイティエン駅を結ぶ幹線道路の整備が進む

ホーチミン市のメトロ1号線の終着駅であるスオイティエン駅とビンズオン新都市の間には、ミーフック・タンバン道路が開通しています。前述の日本政府による約62億円の融資は、ミーフック・タンバン道路の中央分離帯の設置や高架道路の建設にも用いられる予定です。

ミーフック・タンバン道路は、ブンタウ省やドンナイ省のロンタイン国際空港に続く国道とも接続しており、ベトナム南部の重要な交通インフラになる見込みです。

メトロの延長が計画

2024年12月に開通したメトロ1号線は、ビンズオン省の中心地まで延長する計画があります。現在の終着駅であるスオイティエン駅から1.8km先にビンタン駅を開設し、その後は分岐してビンズオン省の工業団地やビンズオン新都市へ接続する計画です。

ただし、予算の確保や住民の立退き、地盤の改良など課題も多く残ります。

中部、南部を結ぶ高速道路建設プロジェクトが進行

現在、ベトナム南部では3つの高速道路建設プロジェクトが進行しています。具体的には以下の通りです。

①ホーチミン市環状道路3号線:全長76kmでホーチミン市と隣接するドンナイ省、ビンズオン省、ロンアン省を結ぶ
②ビエンホア~ブンタウ高速道路:全長53.7kmでドンナイ省ビエンホア市からバリア・ブンタウ省を結ぶ
③カインホア~バンメトート高速道路:全長117.5kmでベトナム中部高原地域のバンメトート(ダクラク省)と中部沿岸地域のカインホア省     を結ぶ

ベトナム全国では2023年6月時点で1,729kmが通行可能であり、2025年内に3,000km、2030年までに5,000kmの整備を目指しています。

ホーチミン~チョンタイン間高速道路工事が落札

2025年2月、ビンズオン省区間全長52kmのホーチミン〜チョンタイン間高速道路は、不動産やインフラ開発を行うべカメックスIDC、べカメックスIJCを含む4社によって落札されました。工事は2027年までには完了する予定です。

この高速道路の開通によって、ホーチミン市からビンズオン省、ビンフオック省までの所要時間が短縮され、地方間の貨物輸送の活発化にも繋がると期待されています。

まとめ

ビンズオン省の急速な経済成長に伴い、公共交通インフラの整備が進められています。JICAやベトナム政府の融資や民間企業の投資によって、渋滞の緩和や物流が効率化し、企業活動や住民の利便性が向上する見込みです。

こうした取り組みは、日系企業のさらなる進出を促す要因となるでしょう。

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