衣食住

ベトナムの食文化

ベトナムの食文化

ベトナムの食文化は、地理的な条件や過去の歴史から中国やフランスの影響を受けています。麺、米、パンなどさまざまな種類があり、日本人の口に合う料理も多いです。

ベトナム料理はヘルシーで栄養価の高い一方で、近年は揚げ物料理や大量の糖分を含む飲料を好む人も増えており、子供の肥満や生活習慣病が社会的な問題となっています。

本記事では、ベトナムの食文化の概要やその課題をまとめました。

ベトナムの食文化とは

ベトナムでの主食は、米が中心です。白米はもちろん、ソイ(Xôi)と呼ばれる餅米や玄米なども日常的に食べられます。また、麺料理ではフォー(Phố)やブン(Bún)を始めとした米を原料にした料理を提供するお店があり、朝、昼は多くの顧客で賑わいます。

ベトナムでは宗教的な制限もほぼなく、肉類や海鮮も基本的に自由に食べられます。ベトナム料理は野菜をふんだんに使ったものも多くあり、バランスが取れていて健康的であることが特徴です。

次からは、ベトナムの食文化の特徴について解説していきます。

中国やフランス文化の影響を受けている

ベトナムの食文化は隣国の中国や、1883年~1945年まで統治したフランス文化の影響を受けています。牛肉や豚肉のスープを使っているフォーや揚げ春巻きは中国、フランスパンに野菜やなます、ベーコンやパテなどを挟んだバインミーはフランス発祥の料理です。

また、ベトナムでは地域ごとの料理にも特色があります。北部はあっさりとした味付けが多く、ベトナム料理として有名なフォー発祥の地です。中部は香辛料を使った料理が中心で、南部は砂糖やスパイスを用いて甘辛く仕上げる料理が多いです。

朝食から外食する文化がある

ベトナムでは朝から営業している店舗も多く、朝食から外食にいく文化があります。朝食はフォーやブンの麺料理や、餅米のソイやバインミーなどが定番です。いずれの料理も、3万ドン〜7万ドン(約180円〜420円)程度で手軽に食べられます。

お店も朝6時頃から営業しているので、仕事や学校に行く前に食事をしている人もよく見かけます。

フードデリバリーが発達

ベトナムでは、近年ライフスタイルが多様化したことで、フードデリバリーで済ます人が増えています。フードデリバリー市場の売上は、2017年は約3億5,000万ドル(約560億円)程度でしたが、10年後の2027年には34億2,000万ドル(約5,472億円)にも成長すると予想されています。

GrabFoodやGojekに代表されるフードデリバリーサービスはコロナ禍以降も利用者が絶えず、オフィスやマンションのロビーでは、受け渡しのために待機するドライバーを頻繁に見かけます。

ベトナムの食文化の課題

次にベトナムの食文化の課題を解説していきます。

生活習慣病が増加

ベトナムではかつては家庭での料理が中心で、素材への味付けは最低限に止め、蒸す、茹でるなど、脂肪分の少ない方法が一般的でした。しかし、外食産業やファストフードの普及により、高脂肪で高カロリーの料理が増え、生活習慣病が増加しています。

現在ベトナム国内では、国民の約3.5%に当たる353万人の糖尿病患者が存在するといわれています。しかし、患者の7割近くが未診断であることに加え、糖尿病予備軍となっている子供も多いです。医療が十分に行き渡っておらず、子供の世話を行う祖父母の健康意識が低いことも、大きな課題となっています。

食の安全性が揺らぐ

ベトナムでは、食品生産の管理体制が不十分であり、保存状態が悪く、農薬や保存料などが使われていることがあります。国内生産は安全性に欠ける、と考えて割高でも他国から輸入された食品の購入を優先する人も少なくありません。

現在では民間企業やJICAによって、生産指導やサプライチェーンの強化が行われています。

乳製品が足りていない

ベトナムでは年々乳製品の消費量は増加していますが、国内の供給は十分ではなく輸入に頼っている現状があります。ビナミルクやTHトゥルーミルクなど国内企業の供給量は、全体の約40%程度というデータもあります。

乳製品市場はベトナムで有力な市場といえますが、供給体制の整備に多額の投資が必要です。ベトナムに進出している日系企業も、販売代理店としての機能が中心です。

ベトナムの主な外食企業

最後に、ベトナム国内の主な外食企業を紹介していきます。

ゴールデンゲート

ゴールデンゲートは、ベトナム国内に広く展開する外食チェーンです。代表的な店舗には、GoGi HouseやManwah、iSushiがあり、ショッピングモールには必ずゴールデンゲートが運営する店舗が入っているといえるほど、多くの店舗があります。

しかし、2022年には4,300億VND(約26億1,600万円)以上の赤字を計上、2023年には2.700人以上の従業員を削減するなど、国内の経済成長とは裏腹に苦戦している様子が見受けられます。

Red Sun ITI

Red Sun ITIは、KING BBQやThai Expressなどの店舗を運営する、ゴールデンゲートに次ぐ外食チェーンです。自社ブランドに加え、日本でも店舗のあるカプリチョーザのフランチャイズをベトナムで展開しています。

Red Sun ITIの決算も順調とはいえず、2019年から2021年までは赤字が続いている状況です。

まとめ

ベトナムでは、フォーやブン、バインミーなどの伝統的な料理が愛され続けている一方で、ファストフードや西洋発祥の食事も急速に普及しています。こうした食文化の変化によって、生活習慣病の増加が顕著になりつつあります。

また、国内生産の食品の安全性も課題となっており、今後もこれらの問題に対する対策が求められるでしょう。

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