インドネシアの小売業の動向 〜店舗数を増やし続けるAEON〜
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インドネシアの小売業は、新型コロナを乗り越えて再び成長を遂げようとしています。毎年人口が増え平均月収が上がっており、今後大きな伸びを期待できるでしょう。
AEONモールは、2014年にジャカルタの南西部で1号店となる「AEONモールBSD」をオープンしてから、順調に店舗数を増やし続けています。
本記事ではインドネシアの小売業の概要や、2024年3月に誕生した「AEONモール デルタマス」を解説します。
インドネシアの小売業とは
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インドネシアの小売業は、新型コロナの影響で2020年〜2021年にかけてマイナス20%の成長を記録しました。2022年から市場は回復傾向ですが、大手スーパーマーケットや百貨店では赤字が続いており、売却や閉店が相次いでいます。
また、ここ数年はオンラインショップも台頭してきています。インドネシア国内には、電子決済やECの物流サービスなどを提供するユニコーン企業(設立10年以内で、会社の時価総額が10億ドルを超える)が複数あります。
デルタマスに5店舗目のAEONモールが誕生
2024年3月に、AEONはインドネシア国内で5店舗目となる「AEONモール デルタマス」をオープンしました。AEONモール デルタマスは、インドネシアのフラッグシップモール(もっとも重要な位置付けにある店舗)です。
AEONモール デルタマスは再開発エリアに建設されており、約300店舗がテナントを構える予定です。自然豊かな広大な敷地にあり、3Dビジョンを用いた最新技術、屋台や和食店など日本文化が融合する環境であることが特徴です。
デルタマスってどんな場所?
AEONモール デルタマスがある「デルタマス(シティ)」の概要を説明していきます。
デルタマスの地理
デルタマスは、ジャカルタ中心地から45kmほど東に行った所にある大規模な開発都市です。ジャカルタから車で移動した場合は1時間、高速鉄道のカラワン駅からは約2kmほどの距離にあります。
チカンペック高速道路のIC(インターチェンジ)を引き込んでおり、主要な空港や港、周辺の工業団地へのアクセスも良好です。デルタマスはジャカルタから程よい距離にあり、一極集中を解消するための都市としても注目されています。
デルタマスの特徴
デルタマスは、主に日系企業が手掛ける世界最大級の開発都市です。
もともとは開発予定地の3,200ヘクタール(世田谷区の半分ほどの広さ)すべてを住宅商業エリアとする予定でした。しかし、2000年代半ばに日系のバイクや車関連企業の進出が盛んになったため、現在は約2,200ヘクタールがGIIC工業団地となっています。
デルタマスには工業団地だけでなく、住宅、商業、工業、行政、教育、医療などさまざまな施設が揃います。世界水準のインフラと環境が整っており、多くの人が住みたいと思えるまちづくりを目指しています。
インドネシアのAEONにはどんな特徴がある?
AEONモールは、インドネシア国内に以下5店舗を展開しています。
・AEONモールBSD CITY
・AEONモール ジャカルタガーデンシティ
・AEONモール セントゥールシティ
・AEONモール タンジュン バラット
・AEONモール デルタマス
上記のモールはいずれもジャカルタの位置するジャワ島にあります。各モールには、国内外のブランドや大型スーパー、世界的な外食チェーン、日系レストラン、映画館などさまざまな店舗が揃い、多くのインドネシア人で賑わいます。
AEONモール以外では、スーパーマーケット「イオン・ストア」を展開するイオンインドネシアが、国内での出店を強化しています。
AEONスーパー全5店でハラル認証を取得
イオンインドネシアが展開するイオン・ストアは、2024年10月より義務化されるハラル認証を取得しています。ハラル認証とは、イスラム法に則っての処理、生産を示すもので、飲料や食料に携わる業者は専門機関より認可を受けることが必要です。
イオンインドネシアは、今までAEONモール内に限定していましたが、2023年9月にジャカルタから20kmほど西に行った所にある「モール@アラムストラ」を出店しました。今後も出店を続けて、2025年内には10店舗を目指す計画を表明しています。
2023年3月〜11月の間の来客数は前年を上回る
インドネシアで2023年3月〜11月のAEONモールへの来店客数は、前年同期比で121.8%を達成しました。これは、新型コロナによる行動規制緩和が大きな要因とされています。
全体で見ても、日本国内と中国やベトナムでは前年を上回る数値を記録しました。
インドネシアのAEONモールの今後
現時点では、AEONモール デルタマスに次ぐモールの建設予定は確認できていません。過去を振り返ると2年〜3年スパンで建設を続けているため、近い将来に新たな店舗の発表があるかもしれません。
またイオンインドネシアが展開するイオン・ストアは、2025年内に10店舗オープンする予定です。今後もAEONグループの店舗が増えると予想できます。
まとめ
イオンはフラッグシップモールとして「AEONモール デルタマス」をオープンし、ここ数年の間で店舗数を増やしています。そうした成果もあって、海外事業の売上は年々増え続けています。
インドネシアに渡航した際には、AEONモールを訪れて日本との違いを感じてみてください。