CREフォーラム レポート
株式会社FAプロダクツ

(レポート)FAプロダクツ 製造・物流におけるロボット化×デジタル化の実態と実例

会社概要

会社概要

株式会社FAプロダクツ
代表取締役社長
貴田 義和 (きだ よしかず) 氏

FAプロダクツは、2011年に設立された会社で、「コネクテッド・インダストリーズを世界へ」をビジョンとして、製造工場・物流の「JIRITSU(自律/自立)化」をプロデュースしています。
具体的には、Smart Factory化の総合プロデュースの他、スモールスタートを支援する現場視点のパッケージやロボットシステム導入支援パッケージ、超々高速クラウド型データベースパッケージ等の工場の自律化と自立化を進めるソリューションの提供と再生エネルギーの直接・間接提供、省エネソリューションの提供等を行っています。

Team Cross FAの紹介

FAプロダクツの最近の取り組みとしては、スマートファクトリー構築のためのコンソーシアム、「Team Cross FA」を2019年5月に創立しました。

昨今、物流業界や三品業界(食品・医薬品・化粧品)の人手不足は深刻で、その解消のために、ロボット化・自動化を導入した新工場・新倉庫、スマートファクトリーを建設したいという市場の需要が高まってきています。

スマートファクトリーを実現するには、エネルギー技術、ロボット技術、IT技術、セキュリティ技術等、さまざまな技術が必要になります。それはFAプロダクツ1社ではできません。そこで、FAプロダクツ、オフィス エフエイ・コム、ロボコム、日本サポートシステム、ロボコム・アンド・エフエイコムの5社が幹事会社となり、日立システムズを初めとする公式パートナー企業とともにTeam Cross FAという「ファクトリービルダー」集団を立ち上げました。関係省庁、地方自治体、日本ロボット工業会など公的機関との協力体制も構築しています。

今後、Team Cross FAとしては、スマートファクトリーの構築に必要な要素をワンストップで提供していき、すべての製造業のスマートファクトリー化に寄与していきたいと考えています。

物流倉庫におけるスマート化(作業面における人手不足)

ここまではFAプロダクツの事業を中心にお話ししてきましたが、ここからは製造・物流のロボット化×デジタル化のトレンドと導入実績の話をしていきたいと思います。

物流倉庫のスマート化には、AGV等の自動搬送・ロボット等の自動化システム・WMS(倉庫管理システム)・人の最適制御が必要になります。

最近の物流のトレンドとしては、コンビニやEコマースの台頭により、多品種に対応しなければならなくなり、「ケースによるピッキング」から「人手による小口ピッキング」、「ソーターによる仕分け」から「人手作業による仕分け」へと変化し、人手作業の量が増える傾向にあります。

物流ロボット化の3大課題とその解決方法

今、当社に来る相談で一番多いのは、この増加する人手作業をロボット化したいという相談です。ただ、この部分をロボット化するには3つの課題があります。

1つ目は、コストです。ロボット1台を導入するといっても、ロボットを置く台や安全対策用の柵等の付帯設備が必要で、ロボットシステム全体で2,000万円ぐらいかかります。

2つ目は、タクト(作業時間)です。今のロボットは、まだ能力が低く、人間よりスピードが遅いのが現状です。

3つ目は、スペースです。ロボットを導入する際は、安全対策のためにスペースが必要となり、それは人間が必要とする空間の2〜3倍になります。

このような3つの壁により、倉庫へのロボット導入がなかなか進んでいなかったのですが、最近のロボット技術の向上などにより、解決策が生まれてきています。

1つ目のコストについては、性能が向上してきているロボットを採用し、また、ロボットを昼間だけでなく夜中も稼働させることで費用対効果を上げることができます。また、ヒューマンエラーが減り、作業の正確性が増すという点でも費用対効果があります。

2つ目のタクトについては、人でないとできない作業とロボット化できる作業をきっちり分けて、全体最適化していけば、トータルとしては作業時間を減らせます。

3つ目のスペースについては、最近出てきた移動式のロボットや協働型のロボットを採用することで、スペースを減少させることができます。

物流倉庫へのロボット導入の事例~ローム・ロジステック株式会社

物流倉庫へのロボット導入の事例としてローム・ロジステック株式会社の例を紹介します。

ローム・ロジステックでは、AGVと知能ロボットを連携させ、トラックから運ばれてきた荷物を自動倉庫へ入庫しています。次に、入庫された荷物の荷下ろしですが、不規則に積み付けられたパレットからでもロボットが製品を正確にデパレタイズ(荷下ろし)していきます。荷下ろしをしたら、QRコードの読み込みを行わせて、入庫した製品の情報を在庫管理システムに送ります。次はパレットへの積み付けですが、単一の製品はもちろんのこと、数十種類にのぼるサイズの異なる製品も保管効率を考慮しながら、ロボットが適切に組み合わせてパレットに積み付けていきます。それから、空パレットとの入れ替え、台車のAGVでの搬送までをこの会社では自動化しています。

構想設計による全体最適化

先ほども少し触れましたが、人手不足により、倉庫のスマート化のニーズは年々高くなってきています。しかし、倉庫のスマート化をしたいと思っても、適切な相談先が今まではほとんどありませんでした。IT系のベンダーやロボットメーカー等、部分最適の技術を持っている会社が多いので、全体最適を考えた構想設計を請け負ってくれるところは非常に少ないのです。

構想設計専門会社「ロボコム」

この問題を解決するために、私たちは、物流業界、三品業界向けにロボット導入の初期の構想設計と仕様書作成サービスを行うロボットシステムの設計専門会社「ロボコム」を2017年に設立しました。

シミュレーション技術の活用

ロボットシステムの導入は高額の投資になりますから、構想が出来上がったら、次は、決裁者や実務のトップに納得してもらうために、その構想の確からしさの裏付けが必要になります。

そこで、私たちは、「Plant Simulation」というシミュレーションソフトを活用して、構想を検証・分析しています。実際にロボットを導入する前に、お客様とシミュレーション上で議論をしながら、プロジェクトを進めていくということを行っています。

ロボット+IoTの体感型展示場「スマラボ」

私たちは、搬送・作業用ロボット、シミュレータの活用、IoTの活用等を、実機を見ながら体感できる体験型の展示場「スマラボ」を栃木県の小山市で運営しています。

私たちは今後も、製造・物流のロボット化・デジタル化のお手伝いをしていきたいと考えています。皆様もぜひ新しい物流施設のスマート化にチャレンジしていただきたいと思います。

講師紹介

株式会社FAプロダクツ
代表取締役社長
貴田 義和 (きだ よしかず) 氏

株式会社FAプロダクツ
代表取締役社長
貴田 義和 (きだ よしかず) 氏

大学卒業後、FA機器大手((株)キーエンス)に入社。中小企業から大手企業までFA機器の提案・導入を通じ改善提案を実施、あらゆる業種・工程の小改善から新ライン構築まで幅広い業界知見を積む。同社にて社長直轄大手企業専任攻略マネージャーなどを歴任しながら、多くの先進的な自動化プロジェクトに関わり、成功に導く。2011年FAプロダクツを設立、経産省が提唱する「コネクテッド・インダストリーズ」を実現し、新しい産業を創出、世界に届けることをビジョンとして事業を推進している。特に食品製造、物流を中心に、人手不足が課題となっている企業からの相談が多く、スマートファクトリープロジェクトを推進するかたわら、講演活動なども活発に行い、業界活性化に尽力している。

企業 株式会社FAプロダクツ

募集要項

イベント名 CREフォーラムin千歳|『製造・物流におけるロボット化×デジタル化の実態と実例』
日時 2019年 10月3日(木)①10:20~ ②13:00~ ③13:50~
会場 ロジスクエア千歳 倉庫内
北海道千歳市泉沢1007-281
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 無料/各回20名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティングチーム
担当:
石原圭子(イシハラ) 近藤玲奈(コンドウ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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