スタッフコラム

●連載●資産活用〜『公示地価』と『相続』との接点~

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●連載●資産活用〜『公示地価』と『相続』との接点~

■はじめに

平成30 年3 月27 日付で、平成30 年の公示地価が公表されました。そこで、今回は、公示地価の公表内容と相続との接点について考えてみたいと思います。

■公示地価の公表内容について

公表された東京圏の一部を抜粋した《表①》を見ると、公示地価が前年(平成29 年)よりも上昇し、かつ上昇率(変動率)も増加している地区が多くあります。さらに絞って、東京圏に属する埼玉県と神奈川県の概況について見てみましょう。

【埼玉県】

【埼玉県】

住宅地については、さいたま市全体では、1.4% 上昇し、すべての区において上昇が続いています。また、JR 上野東京ラインの開通(平成27 年3 月)後、東京都心への交通利便性が向上していることもあり、住宅需要が堅調で、ほとんどの区において上昇幅が昨年より拡大しています。東京都心への交通利便性の高い県南部地域を中心に、上昇幅が昨年より拡大した市町が多く見られます。

また、商業地については、さいたま市全体では、3.1% 上昇し、ほとんどの区において上昇が続いています。繁華性が高く再開発事業も進展している大宮区を中心に店舗需要は堅調で、上昇幅が昨年より拡大しました。

東京都に隣接する川口市等では、利便性がよく繁華性も高いことから店舗需要は堅調で、上昇幅が昨年より拡大しています。川越市は、小江戸川越の観光客が年々増加傾向であり、特に外国人観光客の増加が著しいこともあって、上昇幅が昨年より拡大しています。

【神奈川県】

【神奈川県】

住宅地については、横浜市全体では、1.0% 上昇し、すべての区において上昇が続いています。特に利便性の高い中心部の西区、中区及び神奈川区では住宅需要が堅調で、上昇幅が昨年より拡大しました。

川崎市全体では、1.4% 上昇し、東京都心への交通利便性が評価され、すべての区において上昇が続き、ほとんどの区において上昇幅も拡大しています。相模原市全体では、0.8% 上昇し、すべての区において上昇幅が拡大しています。

商業地については、横浜市全体では、2.8% 上昇し、すべての区で上昇が続き、上昇幅が拡大した区も見られます。川崎市全体では、3.9% 上昇し、すべての区において上昇が続き、上昇幅も拡大しています。特に幸区、中原区では、店舗需要が堅調であること、高津区では、マンション素地需要が堅調であることから、いずれも上昇幅が拡大しています。相模原市全体では、1.5% 上昇し、すべての区で上昇が続き、上昇幅も昨年より拡大しています。

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■『相続』との接点

公示地価の変動は、土地の相続税評価額(路線価評価)、固定資産税評価の変動にも連動します。そのため、次のような『相続』に係る項目と関係性が生じます。

【相続税】

相続税は、相続財産に対する税金です。相続財産は、相続税評価により計算します。相続財産のうち、土地については、路線価又は固定資産税評価に基づいて計算します。したがいまして、公示地価の上昇している地区の土地を所有する場合には、相続税評価も上昇し、結果として相続税負担が増加します。

相続税という観点からだけ見れば、公示地価の上昇している地区に所在する土地については、評価引き下げの対策(用途変更、買換え等)が必要であり、反対に下降している地区に所在する土地については、その対策の緊急性は低いと言えます。

【納税資金】

相続税の納税を相続した土地の売却代金により支弁することを想定している場合には、公示地価の上昇は、売却価格の増加による譲渡税の負担増加等、反対に下降は、売却価格下落による納税資金不足等の問題が生じる可能性があります。

【遺産分割】

公示地価の変動は、相続財産である各土地の価値の変動を生じさせます。その結果、各相続人が相続する土地の価値に変動が生じるため、当初想定していた各相続人の相続財産の土地の価値のバランスが悪化し、相続争いに発展する可能性をはらんでいます。

また、遺留分(民法が定める一定の相続人が最低限相続できる相続財産の割合)の対象となる財産が変動することになり、他の相続人から請求される遺留分の額も変動することになります。

【財産の維持管理】

公示地価の変動は、財産の維持管理にも影響を与えます。たとえば、公示地価の上昇は、土地の固定資産税の負担増につながります。固定資産税の負担が、その土地の所有者の所得、その土地が生み出す収益に比し、支障が生じる場合には、その解消を検討する必要があります。

■おわりに

少子化による人口の都市部集中、再開発事業の進展、外国人観光客の増加、新交通網の開通等により、公示地価が変動すれば、現状で想定している前述のような『相続』に係る項目に変動が生じます。こうした変動を一度確認してみてはいかがでしょうか?

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《執筆者》

《執筆者》

「豊富な相続税申告実績!相続のことなら〜」

税理士 早川淳一
(早川淳一税理士事務所代表)

東京都調布市小島町1-11-6 エンケ502
(京王線「調布駅」徒歩4分)
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この連載記事は、当社で発行しているオーナークラブ通信「創」から掲載しています。

文章の内容は発行当時のものです。
発行日:2018年7月

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