株式会社タニタ

(レポート)“タニタ”の海上コンテナラウンドユース(CRU)への取り組みについて

●タニタの事業内容

タニタは、「健康をはかる」をテーマに掲げ、さまざまな商品やサービスを提供しています。

ハード面の製品としては、歩数計、血圧計、活動量計等の「健康計測機器」などが、ソフト面のサービスとしては、タニタ食堂や女性専用フィットネスの「FITS ME」などの「健康サービス」があります。

製品のひとつ、「カロリズム」は、身に付けるだけで体の動きを計測し、1日の消費カロリーや1日の活動リズムなどを知ることができる活動量計です。自分の活動量を知ることで、健康管理に役立てることができます。

また、「からだカルテ」は、歩数計や体組成計、血圧計ではかったデータを自動転送、グラフ管理してくれるサービスです。現在、多くの地方公共団体や企業で導入していただいています。

「FITS ME」は、女性専用の30分フィットネスジムです。利用者は中高年の女性が多く、効果が出ているという声も多く聞かれ、現在、全国70店舗に拡大して、売り上げも伸びており、会社の収益の柱のひとつになりつつあります。

タニタは現在、“「健康をはかる」から「健康をつくる」へ”という方向で、健康に関するさまざまな事業を展開しています。

●タニタの海上コンテナラウンドユースへの取り組み

・新潟インランドデポでのコンテナラウンドユースの開始
タニタが、「輸入コンテナの荷下ろし後に、空いたコンテナを輸出荷積みに継続して利用する」という、コンテナラウンドユースへの取り組みを始めたのは22年前になります。

26年前、タニタは中国広東省の東莞に工場をつくりました。製品を安く製造するために東莞に工場を建てたのですが、物流費が高いと建てた意味がなくなってしまうので、東莞の工場からタニタの倉庫がある新潟までコストをかけずに効率的に運ぶ方法を、工場の設立以来、模索していました。

そこで、物流の効率化、Co2削減や再生可能エネルギーの導入推進・技術開発を行っているNPO法人エスコットの藤本理事長に相談したところ、新潟県にインランドデポがあるという情報を教えてくれました。そして、空になったコンテナに輸出用の商品を積んでもらう先として新潟県の自動車部品メーカーを紹介していただき、新潟インランドデポを利用したコンテナラウンドユースを1997年に開始しました。

コンテナラウンドユースを実際にやってみてわかったことがいくつかあります。まずは、「船会社をはじめとするコンテナラウンドユースに関係する皆さんに、情報をきちんと伝えなければならない」ということです。コンテナラウンドユースは連係プレーで成り立つので、情報の正確な連絡が必要となります。

もう1点は、「コンテナのチェック」です。コンテナに穴があいていたりしたら輸出に支障をきたすので、コンテナの確認作業は輸入側の私たちがしっかりやらなければなりません。私たちはチェックリスト等のマニュアルをつくり、東莞工場でバンニング作業前に
毎日確認することを徹底させています。

・JR貨物盛岡ICD(Inland Container Depot)利用によるコンテナラウンドユースの開始
製品の輸送に関しては、先に述べた新潟インランドデポでのコンテナラウンドユースによってコスト削減が図れたのですが、一方、タニタの工場は秋田県にあり、そこへは部材をトラック輸送していて、物流コストが割高であるという問題がありました。

秋田工場への部材輸送のコストを削減できる輸送方法はないかと考えていたところ、昔からつき合いのあったJR貨物さんから、「盛岡ICDができる」という話を聞きました。そこで、JR貨物さんに協力していただき、盛岡ICD経由で部品を鉄道輸送することを始めました。

鉄道輸送を始めてみると、「時間どおりに荷物が着くため、工場側も生産ラインが組みやすい」という利点がうまれました。

このことで「鉄道輸送が効率的である」ということがわかったので、現在は、JR貨物新潟東駅を利用した製品輸送のラウンドユースも行っております。

・日本海側ルートの鉄道輸送
盛岡IDC経由の輸送は太平洋側ですが、自然災害などでそのルートが使えなくなった場合を考慮し、JR貨物秋田駅を利用した日本海側ルートの輸送も2016年から始めました。

そして、この日本海側の鉄道輸送をきっかけに、コンテナの内貨輸送への転用も始めました。今までは秋田工場で作られた製品は大型トラックで新潟の倉庫まで運んでいたのですが、製品をトラック輸送するのではなく、部品を運んできたコンテナから荷物を下ろした後、カラになったコンテナに工場で作った製品を積み、新潟の倉庫に鉄道輸送することを始めたのです。

●海上コンテナ内貨転用による改善点(物流面)

秋田工場-新潟倉庫間の製品輸送を、トラックだけでなく鉄道輸送も併用することで、コストを削減でき、また社会問題となっているドライバー不足問題に対しても貢献することができます。

●海上コンテナ内貨転用による改善点(環境面)

また、トラックに比べて、鉄道はCO2排出量が少ないため、コンテナ1本当たり、CO2を28.52%削減できました。タニタは「健康をつくる」ことをテーマに掲げた会社ですので、CO2を削減することも弊社の役割だと考えています。

●海上コンテナラウンドユースの今後の課題

コンテナラウンドユースは、以前に比べれば日本に普及してきていますが、それは東日本が中心です、今後は、全国の各地でもラウンドユースが展開できるように、みんなで知恵を出し合って整備していかないといけないと考えています。

それには、コンテナマッチングのコーディネーター(調整役)が必要です。ラウンドユースはいろいろな業者が協力し合わないとできないので、関係者間の調整をする人がいなければなりません。

また、コンテナマッチングにはITやAI技術の利用も必要です。ITやAI技術を有効的に使えば、いま問題になっている東京港の混雑も緩和できるのではないかと思います。

そして、コンテナラウンドユースの普及にとって一番重要なのは、国や地方自治体からの補助金です。コンテナラウンドユースは、コスト面からも、環境面からも、日本の将来の物流にとって必要な仕組みですので、国や地方自治体の予算を付けていただきたいと考えます。

ラウンドユースは、ひとつの会社でできるものではありません。輸入荷主、輸出荷主、運送会社、鉄道事業者、通関業者等、さまざまな事業者が協力し合わなければなりません。タニタは今後も、物流に関わる事業者と力を合わせて、日本の物流の未来のためにコンテナラウンドユースの輪をもっと広げていきたいと考えています。

講師紹介

株式会社タニタ
http://www.tanita.co.jp/

営業戦略本部 国際物流管理部
貿易・物流 主席コンサルタント

横山 九一 (よこやま くいち)氏

経歴・職歴
1996年 株式会社タニタ海外本部入社海外現地法人営業管理及物流管理業務担当
1998年 国内業務部課長兼任
2010年 国際物流管理室室長

2016年より現職
NPOエスコット副理事長、国土交通省総合政策局 輸出入コンテナー鉄道輸送促進調査会委員、京浜港物流高度化推進協議会メンバー、埼玉県コンテナーラウンドユース推進協議会構成員、FTA戦略的活用研究会メンバー

募集要項

イベント名 第42回CREフォーラム|『 “タニタ”の海上コンテナーラウンドユース(CRU)への取組みについて 』
日時 2018年 3月16日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了
会場 虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階
東京都港区虎ノ門2-10-1 google map
参加対象者 荷主企業 様、物流会社 様
参加費/定員 無料/70名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング室
担当:
山賀幸恵 (ヤマガ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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