CREフォーラム レポート
味の素株式会社

(レポート)味の素(株)の物流BCPとモーダルシフト戦略

BCP輸送体制を構築

BCP輸送体制を構築

食品、バイオファイン系商品などを130ヶ国で販売している味の素は、東日本大震災の被災経験をもとに、物流BCP(事業継続計画)を強化している。今年7月末で、久喜(埼玉県)、西宮市(兵庫県)東西2拠点にメイン物流センターを置くBCP輸送体制の整備を完成。2013年末には「スーパーグリーンロジスティクス構想」を打ち出し、北海道・九州向け長距離輸送に加え、関東~近畿間などの輸送も対象とし、500km以上の輸送を鉄道または海上輸送に100%切り替えることを目指す取り組みを開始している。

東日本大震災で未曽有の被害を受け、物流事業におけるBCPを強化している。震災時、仙台物流センターは、建物は無事だったが、電気の回復と清掃に時間がかかった。

また、80万ケースの在庫があった川崎物流センターは、地震の衝撃で自動倉庫が動かなくなり、またスプリンクラーが損傷し、商品が水浸しになった。主力工場である川崎工場生産品の入庫基地と関東の配送拠点であった川崎物流センターの被災により、全国への商品供給と配送が完全麻痺。当初2~3週間で復旧すると想定し、受注をストップせず、生産も続けたため、物流現場が混乱。結局、完全復旧に1ヶ月半かかり多くの取引先に迷惑をかけてしまった。

こういった事態の反省点を踏まえ、バリューチェーン上の物流の重要性を痛感した。在庫の機能の過度の集中から、分散化へとリスクを回避し、BCPと物流効率化を両立させる体制を目指した。優先順位は、人命>社会>事業と決めた。生産・出荷の優先順位は、(緊急支援物資となる即席めん向けなど)加工用調味料を最優先にし、製品の供給責任と事業継続性を両立させた。生産に関し、複数生産拠点化、ひとつの工場が被災しても他の工場でバックアップできる生産体制の構築を目指している。原料・包装調達面では、代替レシピを用意し、足りない原料があった場合でも生産を継続できる体制を目指している。原料・包装材の共通化・汎用化も進めている。

物流ネットワークは、複線化、分散化し、フレキシブルな物流体制を構築した。東日本のメイン拠点として新しく設置した久喜物流センターは、免震設計で、自家発電装置を整備した。洪水対策のため建物をかさ上げし、緊急地震速報など各種システムも備え付けている。両面バースで、低床と高床の入荷、出荷バースを分けた。

味の素からの提言としては、天災は忘れたころにやってくるので、クライシスマネジメントの巧拙が企業の力になり、国力の差になる。1企業の取り組みには、限界があるため、サプライチェーンを構成する企業同士の業種を超えた協力も必要だと考えている。

スーパーグリーンロジスティクス構想を打ち出す

モーダルシフトに関しては、1995年鉄道輸送の活用をスタート。2000年冷凍31ftコンテナ導入、2005年エコレールマーク第1認定と業界でも早くから取り組んできた。現在のトラックドライバー不足対応は、長距離輸送において、より深刻であり、鉄道輸送だけでなく内航海運の採用にも挑戦した。2013年末には「スーパーグリーンロジスティクス構想」を打ち出し、北海道・九州向け長距離輸送に加え、関東~近畿間などの輸送も対象とし、500km以上の輸送を鉄道または海上輸送に100%切り替えることを目指した。現在のところ500㎞以上の区間のモーダルシフト率で87%程度になる目途がついた。

鉄道は20~26両(1編成)1列車に運転手一人で、約500~600t運べる。また、RORO船(さんふらわあ とうきょう)は、トラック160台、約6200tを12名で運ぶことができ、省人型の大量輸送手段である。内航海運は揺れも少なく、輸送品質も良い。内航海運も利用したい時にすぐに必要な便数が確保できるとは限らず、今後も積極的に利用したい。

味の素からの提言としては、輸送モードの決定は物流業者、物流子会社任せにするのではなく荷主が確固たる意志を持って行わないと、モーダルシフトは進まないということだ。一方で、物流業界には、31ftコンテナの求貨求車システム導入や冷凍31ftコンテナの増加を要望している。今後、内航海運や鉄道の欠航対策、他の荷主との31ftコンテナ共同ラウンドユースなど挑戦したいと考えており、更にグリーンで競争力のあるSCM構築に注力していく。

講師紹介

味の素株式会社 物流企画部 専任部長 魚住 和宏 氏

味の素株式会社 物流企画部 専任部長 魚住 和宏 氏

1981 味の素㈱入社
1990~1997 Heartland Lysine 社(米国: シカゴ)に出向
飼料用アミノ酸の北米市場での販売・マーケティングに従事
1997~2005 国内物流部門(現 物流企画部)にて物流グループ長、企画グループ長等を歴任
受注・出荷管理、需給管理、物流改善業務に従事。SCM導入にも深く関わる
2005~2007 飲料製品の生産販売に従事
2007~2013 調達部門にて原料グループ長、グローバル戦略グループ長として主に原料調達に従事
2013年より現職

募集要項

イベント名 第9回CREフォーラム|『味の素(株)の物流BCPとモーダルシフト戦略』
日時 2014年 8月22日(金) 15:30開場 16:00開始 17:40終了
会場 東京国際フォーラム ガラス棟 G701会議室
東京都千代田区丸の内三丁目5-1
参加対象者 荷主企業 様、物流会社 様
参加費/定員 無料/70名限定

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング部
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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