CREフォーラム レポート
株式会社日立製作所

(レポート)ロジスティクスの未来~日立が提供するテクノロジー~

日立グループの概要

日立グループの概要

株式会社日立製作所
松原弘一 氏

日立グループの中核である日立製作所の創業は1910年で、日立鉱山で使用するモーターを修理するところから始まりました。第1号製品は、「5馬力誘導電動機」という国内初のモーターになります。

2016年度の売上収益は約9兆円で、連結従業員数が約30万人(国内16万人、海外14万人)、連結子会社数は864社あります。

主な事業のセグメントは、情報・通信システム、社会・産業システム、電子装置・システム、建設機械、高機能材料、オートモティブシステムなどです。

●ものづくりからシステム技術、デジタルソリューションへの変遷

日立が注力する分野は、時代の変遷とともに変化しています。1910年代以降、工業化の時代においては、先進技術で生み出したプロダクツで社会インフラを創生してきました。1960年代以降、情報化の時代になると、システム技術で業務の情報化を進め、社会をより便利にすることに注力してきました。

そして、2016年以降の超スマート社会(Society5.0)の時代においては、IoTを活用したデジタルソリューションで社会問題を解決することに力を入れています。超スマート社会とは、あらゆる人が活き活きと快適に暮らすことのできる社会のことですが、日立グループとしても、社会イノベーション事業に積極的に貢献していきたいと考えています。

●デジタルソリューションを実現する日立のIoTプラットフォーム「Lumada」

・IoTとは?
現在、日立が注力している社会イノベーション事業への貢献のキーとなるのがIoT技術です。工場など「リアルの世界」を、センサー技術等々で「Sense」して、それで得られたものを「デジタルの世界」でAI(人工知能)を使って「Think」し、その結果を人間が判断して「Act」を起こして「リアルの世界」を動かしていく、というのがIoTの大きな流れになります。

・さまざまなAI
デジタルの世界で使われるAIには、さまざまな種類があります。代表的なものとしては、人間の質問に対して関連した情報や知識を提供する「質問応答型」、また画像や音声などのデータをコンピューターで識別する「パターン識別型」、そして業務などの状況を把握し、好ましい結果を導くための判断に必要な情報を提供する「運転判断型」などがあります。

・運転作業型AIの応用例――物流倉庫での作業効率向上
日立が「運転判断型」AIを使うことで、物流倉庫の作業効率が向上した例を紹介します。まず取り組んだことは、「物流倉庫でのピッキング作業の効率化を阻害している要素をAIで探し出す」ことでした。作業日、作業開始時刻、作業終了時刻、業務シフト、商品数など、物流倉庫のあらゆるデータを分析した結果、特定の時間、特定の商品棚での混雑と集品作業効率が相関していることがわかりました。

AIの分析で物流倉庫の作業効率を阻止する原因がわかったので、今度はAIに混雑状態を最適化するスケジューリングを考えさせ、それを実行した結果、集品作業にかかる時間を8%短縮(※)することができました。

(※)当社、現場実証により算出。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/09/0904.html

株式会社日立製作所
浅見真人 氏

・IoTプラットフォーム「Lumada」について
お客様の課題を抽出し、仮説を立て、さまざまなアイデアを出して、それを実証し、お客様に提供していくのがIoT活用のプロセスになりますが、この過程すべてにおいてデジタルの世界ではデータと向き合わなければなりません。そのデータと向き合うためのプラットフォームが必要となってきます。

そこで日立は、データ利活用の基盤となるIoTプラットフォーム「Lumada」を作りました。Lumadaとは、OT(Operation Technology:システムを最適に動かす制御・運用技術)とIT(Information Technology:システムの状態を把握・情報分析し、次の状態を予測する技術)から生まれた多様なデータをAIなど活用して分析し、「ビジネス」や「経営課題の解決」や「新たな価値」を創出するためのプラットフォームです。

日立は、これまで社会インフラを中心とした多岐にわたる分野で培ってきたデジタルソリューションをモデル化し、Lumadaのユースケースとして積み上げてきました。製造現場の効率化や、エネルギー・設備マネジメント分野における原価コスト削減などのユースケースを社内で徹底的に検証し、お客様の課題に合わせて個別の仕組みを構築していきます。これにより、確かな成果をもたらすデジタルソリューションを迅速に実現できます。

加速するデジタルソリューションによって生み出されるデータは、新たなビジネスを創出するさまざまな可能性にあふれています。私たちは、IoTプラットフォーム「Lumada」でお客様とともにデジタルソリューションを協創していきたいと考えています。

●進化するロジスティクステクノロジ――新型無人搬送車「Racrew」

日立は、IoT技術とともに近年技術の発展が著しいロボット技術の活用にも積極的に取り組んでいます。ここでは倉庫内の「搬送」と「保管」を同時に実現することをコンセプトに開発した「Racrew」を紹介します。

Racrewは、自ら移動してラックを運ぶ「小型低床式無人搬送車」です。Racrewの進行方向に障害物がある際には、センサーが即座に感知し、自動で運転を停止し、接触事故を回避します。最適経路を探し、目的地へ向かうのがRacrewの大きな特徴です。

Racrewは専用の棚に潜り込み、テーブルをリフトアップし、専用のラックを丸ごと持ち上げ、移動します。ラックを回転させることなく、Racrew自身が旋回するので、スペースを確保する必要もありません。そして、Racrewはスタッフのいるピッキングステーションへ向かいます。

ラックごと自動搬送されてくるので、人は歩く必要がありません。これにより、歩行ピッキングによる作業負担が減り、また人員も減らすことができます。スタッフが行う作業は、搬送されてきたラックの商品をピッキングするだけです。

Racrewによる新型ピッキングシステムは、物量変動による倉庫レイアウトの拡張や調整にも自在に対応できます。また導入の際には、設置する空間、在庫データ、ピッキング指示データなどの情報をもとにRacrewの必要台数をシミュレーションできます。

倉庫にRacrewを導入することで、歩行不要により人員を削減でき、作業の単純化によりミスも減少し、また照明・空調費も削減することができ、生産性向上につながります。

●日立がめざす姿

人類はさまざまな道具を使い、暮らしを豊かにしてきました。AIやロボット技術は、IoT時代に不可欠な、ビジネスを生まれ変わらせるための道具です。ビジネス環境はかつてないスピードで変化し、課題はより複雑化しています。日立は、AI及びロボット技術を使って時代をリードし、イノベーションを加速させるこことで、皆様のビジネス展開をサポートしていきたいと考えています。

講師紹介

株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/

インダストリアルプロダクツビジネスユニット
機械システム事業部
ロジスティクスシステム部
松原 弘一 (まつばら こういち)氏

株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/

インダストリアルプロダクツビジネスユニット
機械システム事業部
ロジスティクスシステム部
松原 弘一 (まつばら こういち)氏

本セミナーのポイント

●IoT時代に日立がめざす姿
●デジタルソリューションを実現するIoTプラットフォーム“Lumada“
●作業効率を大幅にアップする小型低床式無人搬送車“Racrew”

...and more.

募集要項

イベント名 第41回CREフォーラム|『 ロジスティクスの未来~日立が提供するテクノロジー~ 』
日時 2018年 2月16日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了
会場 虎ノ門ツインビルディング西棟地下1階
東京都港区虎ノ門2-10-1
参加対象者 荷主企業 様、物流会社 様
参加費/定員 無料/70名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング室
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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