CREフォーラム レポート
サッポログループマネジメント株式会社

(レポート)サッポログループの物流改革 ~当社が考える“みらい物流”への取り組み~

サッポログループの概要

サッポログループの概要

サッポログループマネジメント株式会社
井上剛 氏

サッポログループは、サッポロホールディングスが持株会社のグループ企業で、グループの中には、機能分担会社であるサッポログループマネジメント、事業会社であるサッポロビール(国内酒類事業)、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(食品・飲料事業)、神州一味噌(味噌事業)等があります。

2017年のグループ全体の売上高は約5,500億円、営業利益は約170億円で、従業員数は約1万7,000人になります。

サッポログループの主な事業

国内酒類事業は、創業以来、ビール主体で売り上げを伸ばしてきましたが、最近は、お客様の嗜好の変化、多様化に合わせて、缶チューハイ等のRTD(Ready to drink)やワイン、洋酒といった商品も売り上げを伸ばしています。

国際酒類事業としては、北米でビール事業を行っており、またアジアでは、ベトナムに日系で唯一のビール工場を建て、東南アジアへの事業拡大の足掛かりとしています。

食品・飲料事業においては、レモン食品(調味料)、飲料、スープが3本柱になっています。また2016年には神州一味噌がサッポログループの傘下に入りました。

食品・飲料事業も海外展開をしており、シンガポールでは、お茶系飲料・果汁飲料市場でトップシェアを占めています。

長期経営ビジョン「SPEED150」

2026年にサッポログループは創業150年を迎えます。そこで、2016年に長期経営ビジョン「SPEED150」を策定しました。

経営理念および経営の基本方針は踏襲しながら、スピードを持って経営改革と事業成長に取り組み、国内に数多くある食品企業の中でも、「酒」「食」「飲」の3分野を展開するユニークな強みを活かし、特長ある商品・サービスをグローバルに展開しながらお客様との接点拡大を図ることで、力強い成長を目指していきたいと考えています。

2026年までに実現したいサッポログループ・ロジスティクスの姿

長期経営ビジョン「SPEED150」に合わせて、2026年に向けて、サッポログループのロジスティクスも変えていきたいと考えています。

物流の圧倒的な生産性向上により、グループ内各事業に対して効率化の推進による利益貢献をし、事業価値向上に欠かせないロジスティクス価値創造を担う「強い物流」を実現。グループの発展を支えるインフラ部門となることが、2026年までに実現したいサッポログループ・ロジスティクスの姿です。

サッポロの物流改革・3つの核心

今述べました2026年までに実現したいロジスティクスを確立するためには、3つの改革が必要になります。それは「標準化」「可視化」「シェアリング」です。

「標準化」 ~誰もがわかる、できる状態にする~

なかでも第一に優先して行うべきことは「標準化」です。今後もM&A等より事業を拡大していくことを考えると、効率的な物流を行うためには、業務の標準化をして統一ルールを作ることが必要になります。グループ内の各事業会社がばらばらなルールで物流を行っていては、グループシナジーは見込めません。また将来的に、物流は他社との協業が必須になることは間違いなく、その際にも業務が標準化されていることが重要になってきます。

さらには、将来的な労働力不足の観点からも、誰もがすぐにその業務に従事できるよう、標準化して、わかりやすい業務の形を作り上げていくことが必要です。

そしてIT等の最新技術を活用し、さらなる効率化を目指すためにも、業務が標準化されていることが大前提となります。

具体的には、「需給計画」「配車管理」「請求支払」「倉庫管理」「輸出入管理」の5つの分野で標準化プロジェクトを立ち上げて、2020年までにグループとして標準化の基盤を固めていこうと現在、鋭意取り組んでいます。

「可視化」 ~事実を具体的な数字で把握し、分析する~

物流業務の生産性を上げ、改善していくためには、まずは現状の物流業務を数値化し、見える化することが必要です。そして可視化された情報を一元管理することで、ロジスティクス業務の全体を俯瞰し、データを分析して、改善策を打てる体制づくりが可能になります。

物流業務の可視化への取り組み事例(トラック動態管理)

~「待機時間削減の取り組み」~
可視化の取り組みのひとつとして、現在、トラックの待機時間を工場別に測定しています。

「ドンピシャ」にトラックをつけて、伝票を「サッ」と渡して、製品を「スッ」と積んで、「ピッ」と出ていくことができる。そんな姿を目指して、「改善」を進めており、待機時間を減少させるための対策をバリューチェーン全体の課題として現場と一緒に行っています。

「シェアリング」 ~配送リソースの減少を共有で補う~

トラックの台数やドライバーの人数等の配送リソースは限られており、これからはリソースを「共有していく」方向に向かわなければなりません。

現在、シェアリングについては共同配送をメインに考えていますが、同時に、「運べなくなるリスク」を最大限想定し、モーダルシフトについても実行、拡大検討を行っております。

具体例としては、昨年の7月以来、イオングループ様とともに、RORO船(貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま運べる船)を用いた共同運航を行っています。大分から静岡へはイオン様のPB商品、静岡から大分へはサッポログループの飲料製品を運んでいます。

この共同運航を行うことで、年間で、約60万キロの輸送距離の減少、約4,700時間のドライバーの拘束時間の減少、またCO2の半減という効果が見込めます。

“みらい物流”に向けて ~“人財”育成~

10年後の物流において予想される環境変化としては、ドライバー人口は減り続け、その一方で、長距離輸送への制約が拡大し、工場から得意先へ遠距離で直送することが難しくなると考えられます。

また、EC(電子商取引)の拡大・配送の小口化により、路線便・宅配便業界の取扱量は増大し、市場ニーズに合致した新商品開発やM&A等により多層化が一気に進み、その即応が求められるようになると予想されます。

このような物流を取り巻く環境変化に対応するためには、ロジスティクス“人財”の育成が急務です。

そこで私たちは、この秋に企業内大学「サッポロロジスティクス☆人づくり大学」を設立する予定です。この大学で、バリューチェーン全体の最適視点で各部署と協業し、ロジスティクス部門内では専門性を高め、そして強力なリーダーシップを発揮し組織を牽引できる“人財”を育てていこうと目論んでいます。

明るい未来を目指して

このままの状態が続けば、10年後にはサッポログループの物流コストは50億円増加すると試算しています。しかし、「標準化」「可視化」「シェアリング」を軸に、ITテクノロジーを積極的に活用し、かつ物流“人財”を育成していけば、懸念される物流コストの増加を抑制できると考えます。

「物流クライシス」などと言われ、物流に関しては暗いニュースが多いですが、前向きに夢とビジョンを持ち続け、未来を明るくしていきたいと思っています。

講師紹介

サッポログループマネジメント株式会社
http://www.sapporoholdings.jp/company/group/sgm/

グループロジスティクス部 グループリーダー
井上 剛 (いのうえ たけし)氏

サッポログループマネジメント株式会社
http://www.sapporoholdings.jp/company/group/sgm/

グループロジスティクス部 グループリーダー
井上 剛 (いのうえ たけし)氏

1997年4月サッポロビール株式会社入社
名古屋、関西のロジスティクスセンターに勤務したのち、2003年に本社サプライチェーンマネジメント部に異動。サッポロ流通システム本社ロジスティクス推進部、同本社物流業務部、サッポロビール本社サプライチェーンマネジメント部、サッポログループ物流 本社ロジスティクスソリューション部ソリューショングループ部長を経て現職

募集要項

イベント名 第45回CREフォーラム|『 サッポログループの物流改革~当社が考える“みらい物流”への取り組み~ 』
日時 2018年 6月15日(金) 14:30開場 15:00開始 16:40終了
会場 虎ノ門ツインビルディング西棟B1階
東京都港区虎ノ門2-10-1
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 無料/70名限定 (定員数を超えた場合、申し込み期限前でも終了する場合があります)

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング室
担当:
山賀幸恵 (ヤマガ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5572-6604

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