CREフォーラム レポート
太洋産業貿易株式会社

(レポート)外航海運の今後 ― 西アフリカへのアプローチ ―

(レポート)外航海運の今後 ― 西アフリカへのアプローチ ―

最後のフロンティア 西アフリカ

アフリカへの外航海運を語る上で最初にご理解いただきたいのは、この地を「アフリカ」とひと言でくくってしまうと、実態を誤解してしまう可能性があるということです。

エジプトやモロッコなどの北アフリカおよび、最近発展してきているケニアなどの東アフリカと、西アフリカは根本的に違います。

まず、世界の海運トレードをご覧ください。黒い部分は大陸や島々で、赤やオレンジ、白い線が物流です。これを見ると「物は基本的に太平洋、インド洋、大西洋を横断して東西に動いている」ことがおわかりいただけると思います。

日本から西アフリカへの物流は限定的です。西アフリカはヨーロッパとの結びつきが強く、これは旧宗主国国との歴史的な結びつきがあるためです。

ここで旧宗主国とアフリカの関係を見てみましょう。ご覧いただいてわかるように、イギリスを中心とした英語圏が東南に広がり、フランスを中心としたフランス語圏が中央から西に広がっています。アフリカ諸国は、欧州の旧宗主国と現在も政治的・経済的に深くつながっているといえます。

次にアフリカの現状を見てみましょう。 欧米などの先進国は現在、人口減少傾向にあります。アジア地域もいずれ人口は頭打ちになるといわれています。

その一方で、アフリカの人口は現在の12億人から、30年後には倍の25億人に達するといわれています。人口ピラミッドを見てみても、アフリカの平均年齢はとても若く、18~20歳の国々がたくさんあります。

平均年齢が若いだけでなく所得も上がっています。アフリカの中間層は2000年の2.23億人から2020年は4.35億人に増加すると予測されています。特に東アフリカが発展しており、ケニアはアジアでいうところのフィリピン、南アフリカはタイと同程度発展しているといわれています。

このように、アフリカは人口増加による市場の拡大が見込まれています。中でも今後の開発・発展が期待される西アフリカは「ラストフロンティア」とも呼ばれています。

現在の西アフリカの物流

現在の西アフリカの物流の中から、ガーナの例を見てみましょう。

ガーナは、西アフリカの中でナイジェリアに次ぐ大国で、カカオや鉱物が有名です。人口は3000万人ほどですが、20年後はかなり増加すると予測されています。

ガーナは英語圏ですが、周囲をフランス語圏で囲まれているため、ガーナでビジネスをする際は英語とフランス語の双方に通じていることが重要です。政情が西アフリカの中で唯一と言っていいほど安定しているため、近年は西アフリカにおける物流のハブとなっています。

テマとタコラディの2主要港を有し、中でもテマ港は現在、350万TEU(Twenty-foot Equivalent Unit:20フィートコンテナに換算した荷物の数)の巨大コンテナ港を建設中で、将来的に西アフリカの物流の中心地になると予想されています。

物資の輸送については、現時点では鉄道による輸送はほとんどなく、トラック輸送がほとんどです。しかしトラック輸送は簡単ではありません。宗主国との結びつきや部族間の対立、言語の違いなどに起因するさまざまなハードルがあります。

太洋産業貿易の取り組み

私たちは、西アフリカの実情を理解しながら、どうすれば日本がアフリカ開発のイニシアティブを取れるか、物流を起点に考えています。

具体的には、ベルギーのフォワーダーやガーナの海運代理店、ポルトガルの総合海運企業と何年もかけて話し合いを続け、2021年7月にアントワープに貨物輸送から海事サービスまでをグローバルに提供するJV(共同企業体)を設立しました。これにより、物を西アフリカの目的地のドアまでワンストップで届けられるようにします。

※nanami Shipping会社概要

※nanami Shipping会社概要

JVでは、船のチャーターや欧州経由の積み替え、FCL/LCL/AIR 等の手配、内陸輸送、海技者の派遣、大西洋域を航行する船舶のサポートまで法令順守の上、幅広く対応しています。またコンゴ民主共和国の政府機関との契約を締結し、日本における代理店として 同国向け貨物の電子 Cargo Tracking Note(F.E.R.I)の発行も行っています。

社名は「七つの海」を意味する「nanami Shipping」です。最初は英語、フランス語、アフリカ語の社名にしようと思っていましたが、現地スタッフやさまざまな方から「そうじゃない。日本というブランドで仕事をするべき。それだけアフリカは日本に期待している」と言葉を受けこの名前にしました。

アフリカで日本が期待されているのは間違いありません。皆さまが積極的に進出することを願っています。

講師紹介

太洋産業貿易株式会社
代表取締役社長 今田 圭介 氏

太洋産業貿易株式会社
代表取締役社長 今田 圭介 氏

1977年 防衛大学校 応用化学科卒 海上自衛隊に入隊。護衛艦砲雷長として勤務の他、戦術処理システム開発に係わり米国勤務。
1987年 太洋産業貿易入社 企画開発部長 貿易事業部長などを歴任。
2005年より船舶部門のIT化及びトレーニングセンター設立を担当。
2016年より同社代表取締役社長。

募集要項

日時 2021年7月21日(水) 16:00~17:00
会場 オンライン受講 (参加費無料)
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 100名

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティングチーム
担当:
立原(タチハラ) 佐藤(サトウ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5570-8048

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