CREフォーラム レポート
田村経営コンサルティング事務所

(レポート)今さら聞けない! 物流改善の考え方と成功させるポイント ~現場で改善を進めるために必要な方策とは~

(レポート)今さら聞けない! 物流改善の考え方と成功させるポイント ~現場で改善を進めるために必要な方策とは~

物流改善の基本的な考え方

物流改善の基本的な考え方を述べるにあたって、最初に「トヨタ生産方式」の思想を紹介します。

「トヨタ生産方式」というと、「かんばん方式」や「ジャスト・イン・タイム」などをイメージされる方が多いと思いますが、その基礎には「物流を一つひとつ見直す」という考え方があります。

そして、見直した後に「改善」します。「改善」は、広辞苑には「悪いところを改めてよくすること」と書いてありますが、トヨタにおいては「ムダの徹底排除」を意味します。

トヨタにおける「ムダ」は、主に7つあります。

トヨタにおける「7つのムダ」

 1. 進みすぎのムダ(作りすぎのムダ)
 2. 手待ちのムダ
 3. 運搬のムダ
 4. 作業そのもののムダ(加工そのもののムダ)
 5. 在庫のムダ
 6. 動作のムダ
 7. 不良を作るムダ

これはあくまでもトヨタという自動車製造現場においてのムダであり、物流現場には他にもムダがあります。自社にとって自現場では何がムダなのかを見極めることが重要です。

物流改善のターゲット

多くの企業では、以下のテーマで物流改善が模索されています。

重要なのは、上記のような事柄においては「必ずムダがあり、改善すべき点がある」と認識することです。以下、現場でムダを見つける視点をまとめたので、参考にしてみてください。

改善活動を着実に進めるために

改善活動を上手く進めている組織もあれば、なかなか上手く進められない組織もあります。そこで、改善活動を着実に進めるために、改善の目的を改めて考えてみましょう。

改善活動の目的は、究極的に言えば「企業価値の増大」です。「企業価値の増大」とは、財務的観点から言うと、売上増加や経費削減による「キャッシュフローの増加」を意味します。また組織的観点から言うと、ブランド力向上や企業体質の強化による「優位性のある組織づくり」になります。

また改善活動を進めるうえでは、改善のレベルを設定し、そのターゲットのレイヤーを合わせることが重要です。レベルは主に「戦略レベル(抜本的な改革)」「マネジメントレベル(システマチックな変革)」「オペレーションレベル(運営の改良)」の3段階に分けることができます。

さらに改善活動は、「何のために改善するのか?」「なぜ改善活動に取り組むのか?」を、一人ひとりがしっかり納得することが重要です。上手く進めるために必要なことはたったひとつ、「話し合う」ことです。1週間に1度、1時間ほどでもよいので、話し合いをしていきましょう。

そして、マネジャー(管理者)は、改善活動の取り組みに対して、必ず評価をしてあげましょう。良いところは褒め、改善してくれたことにお礼を言い、悪いところは叱り、さらなる改善点を指摘します。そうすることで現場のモチベーションを上げることができます。

これからの物流改善活動

いま物流現場において自動化・省力化・デジタル化が急速に進んでいます。それに伴い、これからの物流改善活動には、改善領域の拡大が求められていきます。

たとえば「仕入先・調達先と調整し、納入頻度やタイミング、納入量、入荷形態を改善する」「顧客・販売先と調整し、配送頻度やタイミング、配送量、出荷形態を改善する」など、自社センターなど自社領域での改善は引き続き行いながら、前後行程でも改善を行なっていく必要があるでしょう。

改善を通じた人材育成のあり方

最後に、改善を通じた人材育成のあり方についてお話しします。

人材育成はあらゆる企業において重要なテーマですが、物流においては、「業務遂行能力」(現場運営力、企画力、問題解決力 etc.)と、「マネジメント力」(改善力、イノベーション力、成長に向けた牽引力etc.)を高めていくことが重要です。

そのための教育や訓練、経験による育成は必要ですが、さらなる人材の育成に重要なのは「考える(考えさせる)」ことです。言われたことだけでなく、自ら「どうしていくか」を考えられる人材を育成しましょう。

そして改善活動は人材育成にも効果があります。自分たちの現場におけるムダについて考え、改善案を考え、改善を実践し、その効果やさらなる課題について考える。この改善のサイクルを回すことで、自ら「どうしていくか」を考えられる人材を育成できます。

講師紹介

田村経営コンサルティング事務所  代表
田村 隆一郎(たむら りゅういちろう)氏

田村経営コンサルティング事務所 代表
田村 隆一郎(たむら りゅういちろう)氏

1990年 (株)ダイエー入社。物流本部にて物流企画、センター開発、物流効率化等に従事。その後(株)ロジワン(現 イオングローバルSCM(株))に移り、物流運営管理、物流改善を担当。業務改善プロジェクトにてトヨタ自動車の指導を受け、社内に改善活動を導入、定着させる。

2005年に独立し、製造業、卸売業、小売業、物流業等で物流コンサルティングや業務改善コンサルティング、人材育成の研修などを行っている。中小企業診断士。

募集要項

イベント名 第81回CREフォーラム:今さら聞けない! 物流改善の考え方と成功させるポイント ~現場で改善を進めるために必要な方策とは~
日時 2022年5月25日(水) 16:00~17:00
会場 オンライン受講(Zoom)
参加対象者 荷主・物流企業 様
参加費/定員 参加費無料 / 定員100名

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティングチーム
担当:
立原(タチハラ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5570-8048

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