(レポート)フォークリフトから始める脱炭素化と運用コスト削減
株式会社クレドについて
株式会社クレドは、フォークリフトの運用コンサルティングを行っています。フォークリフトの燃費・仕様・稼働状況を各々の稼働場所にて調査し、最適な仕様のフォークリフトの導入および、最適容量のバッテリーをプロデュースいたします。
脱炭素経営に向けて
脱炭素経営に向けた動きが進んでいます。まずは「Scope1~3」についておさらいしましょう。
Scope1は「事業者自らによる温室効果ガスの直接排出」です。自社ビルの自家発電や自社工場の製造時の燃料などがあります。
Scope2は「他社からの供給による電気/蒸気の間接排出」です。これは電気を他社と契約しているほとんどの企業が対象です。
Scope3は「Scope1、2以外のすべてが対象」で、原材料調達の輸送における排出やフランチャイズ/サプライチェーンも対象になります。事業活動に関係するすべての排出を指すため、販売した製品の使用や廃棄も含めた対策を行う必要があります。
次に環境省の取組「RE100」のについておさらいしましょう。
「RE100」とは、企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアティブであり、世界や日本の企業が参加しています。国内ではすでに60社強が参加しており、脱炭素経営に向けて歩みを進めています。
フォークリフトの電化について
「フォークリフト」は運送業や倉庫業、製造業、小売業など幅広い業種が保有する自走式の荷役運搬車両全般を指します。国内に100万台以上存在しており、監督省庁は厚生労働省です。
フォークリフトの管理維持費に関わる項目としては「燃料費」「タイヤ」「買取・下取」「バッテリー」「メンテナンス」などがあります。今回は、燃料費についてお話しいたします。
フォークリフトの動力は以下のように分けられます。
車両価格はガソリン車がバッテリー車、ディーゼル車よりも一般的に20~30万円ほど安くなっています。
ただ、環境への配慮と燃料費を考慮すると、ガソリン車よりもバッテリー車を選んだ方がよいでしょう。1日5時間・月22日稼働したとして、バッテリー車はガソリン車と比較してCO2排出量を83.2%削減でき、年額燃料費を95万8,800円分削減できます。
脱炭素への取り組みが財務面にも大きな影響を与えるので、今のうちから取り組むことが重要です。
そのほか、バッテリー車は「エンジン車に比べて振動が少なく、排気ガスによる粉塵も少ないため、従業員の労働環境が良くなる」などもメリットもあります。近年はモーターの発展により、パワーも格段に性能が向上しています。
リチウムイオンバッテリーに替えるメリット
今まで、フォークリフトのバッテリーは鉛バッテリーが多数を占めていましたが、近年はリチウムイオンバッテリーへの交換が進んでいます。リチウムイオンバッテリーを採用するメリットは以下のとおりです。
●フル充電までの時間が2時間弱と短い(鉛バッテリーは8時間弱)
●バッテリー寿命が4000サイクルと長い(鉛バッテリーは1200サイクル)。都度充電も可能
●人体への影響がない(鉛バッテリーは希硫酸が含まれており、充電時に硫化水素が発生する可能性がある)
●鉛バッテリーに比べて電気代が安い(鉛バッテリーはリチウムイオンバッテリーの約1.2倍電気代がかかる)
●現場作業者の手間を削減できる(バッテリー液補充作業が不要、バッテリーの清掃作業が不要、希硫酸が漏れ出す危険性がない、重いバッテリー交換の必要がない)
経済性で言うと、リチウムイオンバッテリーは初期導入費用が鉛バッテリーよりもかかりますが、電気代の低さやメンテナンスフリーなこともあり、およそ導入後5年を目安に累積コストが入れ替わり、コストメリットが出始めます。
また環境配慮の面で言うと、リチウムイオンバッテリーは約15年という長寿命、大容量の機能を活かし、モビリティでの動力源としての活用(一次利用)から蓄電池としての活用(二次利用)が可能。災害時の非常用電源や太陽光設備との連携で自家消費用電力として活用できるなど、リサイクルを行いやすく、ゼロ・エミッションを実現しています。
株式会社クレド 代表取締役社長 東谷 紀孝 氏
意外と見落としがちなフォークリフトの保険
フォークリフトの事故の傾向やリスクの実態、対応方法について、損害保険会社の視点で情報をご提供させていただきます。
フォークリフトに関する事故について
厚生労働省の労働災害統計によると、2020年のフォークリストの事故件数は1,989件で、死亡事故は31件、労災全体に占める割合は3.9%でした。企業にとってフォークリフトの事故は決して看過することができないリスクであるといえます。
フォークリフトの主な事故事例
●フォークリフトによる荷物移動を行っていた作業者が、人の姿が見えなかったため、後退。トラックの荷台に隠れていた下請け作業者がフォークリフトとトラックの間に挟まれて死亡
●フォークリフトの後輪が作業者の左足に乗り上げ、作業者は大怪我を負った
特に、死亡事故に発展した場合は、1億円相当の損害賠償請求に発展することもあります。
フォークリフトのリスクとは
フォークリフトのリスクの具体例を考えていきます。(以下、代表例として3つお示ししておりますが、他にも考えられるリスクは存在します)
1.フォークリフト自体のモノリスク(火災によりフォークリフトが損壊など)
2.フォークリフトが要因となる、自社物件のモノリスク(フォークリフトが工場内の設備にぶつかり、設備が損壊など)
3.賠償責任リスク(フォークリフトに下請け作業者が挟まれて死亡する対人事故など)
フォークリフトにおける自動車保険の意義
上記「1」「2」はいわゆるモノ自体のリスクで、火災保険等で対応することが可能ですが、「3」は賠償リスクで、火災保険では補償することができません。
上記「3」の賠償責任リスクは、自動車保険(任意保険)で補償することができることをご紹介致します。
フォークリフトのような構内専用車には自賠責保険への加入義務がなく※、無保険車となるフォークリフトが存在します(※公道を走行するものやナンバープレートがあるものは加入義務があります)
また自賠責保険は傷害120万円、後遺障害4,000万円、死亡3,000万円までと、最低限の補償しか受けることができません。十分な補償を手配するためにも、自動車保険(任意保険)が非常に有効です。
ただ、自動車保険の対人賠償責任補償は第三者が対象となるため、単に従業員様同士の人傷事故による賠償責任リスクは補償対象外となります。そこで「対人賠償使用人特約」を付帯することをおすすめします。本特約により社有車に起因する事故について補償水準を統一し、従業員保護を図ることができます。
対人賠償使用人特約について
<補償内容>
対人賠償保険の補償の対象となる事故の範囲を拡大し、記名被保険者の業務に従事中の従業員が死傷し、法律上の損害賠償責任を負った場合も、対人賠償保険金をお支払いします。
<メリット>
対人賠償保険は、第三者への損害賠償責任を補償する商品であり、「対業務に従事中の従業員」への賠償は補償対象外。この特約をセットすることで、自動車事故における従業員への補償が対人賠償保険の基準に統一されます。
<特約保険料>
特約保険料は、対人保険料の約4%
<ニーズがあると考えられる業者さま>
製造業者、自動車整備業者、医療・福祉事業者、建設業者、運送業者
<補償対象となる事故事例>
中央労働災害防止協会によると、構内自動車事故の内、約70%の事故で自社従業員が被災している、というデータもあります。
●構内の駐車場にトラックを駐車する際に、隣の車を誘導中だった同僚に誤ってぶつかってケガを負わせた。(480万円)
●フォークリフトの運転中に、前方不注意により施設から出てきた作業中の同僚にぶつかってケガを負わせた。(230万円)
<自賠責保険等適用除外車に関する「対人賠償」特約>
自動車保険(任意保険)は、自賠責保険によって支払われる金額に相当する金額を超過した場合に限り、対人賠償保険金が支払われるため、自賠責相当額は自己負担となる。
本特約により、「自賠責保険等によって支払われる金額に相当する金額」を
差し引かずに対人賠償保険金をお支払いすることが可能になり、自動車保険(任意保険)の加入のみで対応可能になります(自賠責の手配は不要)。
三井住友海上火災保険株式会社 総合営業第四部 第三課 安村 吉貴 氏
講師紹介
株式会社クレド
代表取締役社長
東谷 紀孝 (あずまや のりたか) 氏
北海道出身
個人事業主向け経営コンサルタント業に従事した後、2008年株式会社クレドを設立。
フォークリフト運用コンサルティングに取り組みつつ、運送倉庫業様向けフォークリフト法令セミナー研修を累計100件以上実施。
特に現在は大手企業にSDGsの観点からフォークリフト向けリチウムイオンバッテリーの切替を勧め、企業のCO2排出量削減、再生エネルギー問題を提唱。
講師紹介
三井住友海上火災保険株式会社
総合営業第四部 第三課
安村 吉貴(やすむら よしたか)氏
2019年入社。
入社以来企業営業部に所属し、主に製造業や製紙業の企業向けに、自動車保険や火災保険、賠償責任保険といった保険商材を提案している。
クレド社とは、過去より企業向けにフォークリフトのコンサル提案を実施しており、共同主催のセミナー実績も多数あり。
募集要項
イベント名 | 第87回CREフォーラム:フォークリフトから始める脱炭素化と運用コスト削減 |
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日時 | 2022年11月22日(火) 16:00~17:00 |
会場 | オンライン受講(Zoom) |
参加対象者 | 荷主・物流企業 様 |
参加費/定員 | 参加費無料 / 定員100名 |
本件に関するお問合せ
- お問合せ先:
- 株式会社シーアールイー マーケティングチーム
- 担当:
- 立原(タチハラ)
- メール:
- leasing_mail@cre-jpn.com
- 電話:
- 03-5570-8048