CREフォーラム レポート
株式会社はぴロジ ほか

(レポート)ECの物流業務自動化の秘訣 ~データ・庫内作業の実現可能な自動化~

(レポート)ECの物流業務自動化の秘訣 ~データ・庫内作業の実現可能な自動化~

第1部 株式会社はぴロジ ECにおけるデータの自動化

はぴロジは、株式会社シーアールイーを親会社としており、物流アウトソーシングを展開しています。今回は、EC物流におけるデータの自動化についてお話しします。

ネットショップ担当者の業務と課題

まずは、一般的なECにおけるスタッフさんの業務内容をご確認ください。

これらの業務をすべて自社で行う必要はありません。依頼内容を正確に、かつ迅速に伝える体制を構築すれば、すべてアウトソーシングすることが可能です。

今回のテーマである「EC物流のデータ自動化」という観点でいうと、下記の赤枠が対象になります。では、どういう部分が自動化されていくのかを見てみましょう。

EC事業者の多くは、複数のモールや自社サイトを運営しており、データを各サイトからダウンロードし、ひとつのフォーマットに変換したうえで、委託先や自社の物流現場にデータを送付します。

たとえば、このデータ加工作業に1時間かかってしまうと、その分、購入者さまに対して注文の締め切り時間を早めなければなりません。

「Logiec」(ロジーク)について

それらを自動化するのが、当社のシステム「logiec」で、各システムとAPIで連携し、自動でデータの授受を行います。また、物流現場がすぐ作業できるように、データの成形や変換を行います。

ECが伸びると、パッケージのECシステムや楽天市場などのモールが販売側のシステムとして登場し、複数店舗での販売が当たり前になります。そのような状況で、logiecは複数チャネルを統合・変換して倉庫に渡すことを可能にします。また、BCP対策や複数拠点の制御・一元管理も行うことができます。

現在はそこからさらにバージョンアップし、OMSやWMSといった荷主さま側に必要な機能も併せ持った統合型のパッケージシステムになっています。

システムによる自動化+アウトソーシングでバックヤード業務を省力化する

「logiec」を導入すれば、ECやBtoBのバックヤード業務をラクにすることができます。

また「logiec」でデータを自動化することで、「受注連携設定によ、倉庫へのデータの受け渡しの自動化」「API/AmazonS3連携での定時パッチ処理による自動化」「データ自動変換による定型作業の無人化」が可能になります。

物流をアウトソーシングすることで「出荷業務の省人化」「物流のプロの作業による高品質化」「大量の荷捌き実現による発送遅延ゼロ化」なども可能になります。

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■講師
株式会社はぴロジ
セールス・マーケティング&ストラテジー シニアマネージャー
新井 豪 氏

第2部 株式会社ROMS 小型自動倉庫システムによる庫内作業の自動化

ROMS(ロムス)は2019年に創業したスタートアップです。ECや小売り、物流事業者さまに向けて、高性能小型自動倉庫とロボットピックを中心とした小型自動化ソリューションを提供しています。従来の自動倉庫よりも小規模の100~500m²ほどの広さにフォーカスし、機器にとらわれない幅広い提案を行っています。

小型自動倉庫ソリューションの可能性

今までの自動化ソリューションは、「サイズが大きくて高額、使いこなしにくい」というハードルの高さが難点でした。自動化設備を導入している倉庫業者も全体の15%にとどまっています。

そこで私たちは、「NFC」という業界最高効率の小型自動倉庫システム事業を展開しています。その特徴は以下のとおりです。

NFCを導入する動機は、企業規模によって異なります。大手企業の場合、すでに自動化は取り入れていて、自動化の対象カテゴリーを増やしたいと考えたときに、私たちのソリューションをご検討いただくケースが多くなっています。

中堅企業は、売上が伸びる中、同じ人員体制の中でいかに出荷キャパを伸ばすかという課題があり、自動倉庫を検討されるケースが多いようです。

中小企業は、ライバルとの価格競争の中で、「マテハン機器を使って営業の強化につなげていきたい」というケースが多いようです。

ソリューション概要

私たちは自動倉庫を中心に、小規模~中規模にフォーカスし、幅広いラインアップを提供しています。

お客さまとお話しする際は、以下の5つの要素を考慮し、自動化を検討していただいています。

この中でも「柔軟性」を考慮した際は、私たちの自動走行システム「Nano-Stream」をご提案させていただいています。

これはコンベアを使わずに、AGVを用いてケース搬送するシステムで、固定設備が少なく、柔軟にラインを増減させることができます。

私たちの特徴として、モジュール化・小型化しているので、拡張・移設が可能なことが挙げられます。いきなり大型のソリューションを導入するのではなく、まずはスモールスタートで試してみて、自動化の効果が見えそうであれば、徐々に拡張していく、といった形で進められます。

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■講師
株式会社ROMS
経営戦略室 取締役 経営戦略室長
阿部 翔太郎 氏

第3部 トークセッション 物流の未来 物流自動化に向けて(ロジカイギ)

伊藤氏:ロジカイギは、「物流をもっと楽しく、わかりやすく」をテーマに、物流のノウハウや最新情報を提供する、私と小橋さん、長井さんの3人によるYouTubeチャンネルです。今回は私たちと先ほどご登壇いただいた新井氏、阿部氏の3人で、「物流の未来 物流自動化に向けて」と題してトークセッションを行います。

小橋氏:まず物流の現状を少しお話ししますと、物流はすでに危機的状況にありますが、世の中では「自分たちにはあまり関係ない」と思っている人が多く、現状と未来の危機が正しく認識されていません。また現場においても「変わりたいけど、変われない」という問題もあると思います。

そのような状況の中、一方でテクノロジーは日進月歩で進化しており、さまざまなロボットが登場し、物流自動化は不可逆の動きとなっています。

野村総合研究所の資料を引用すると、物流運用は、日本独自の占有型物流運用である「オールドロジ」と、今後発展していく共有型物流運用の「ネオロジ」に分かれます。ネオロジは、物流機能をシェアリングするので、「標準化」と「多様化」が鍵になります。

それとともに、物流の未来は「点から線」「線から円」「円から面」へとそのあり方を変えていきます。これまでの大量生産からジャストインタイムでつくり、サプライチェーンを効率化する考え方を「点から線」とすると、次は「線から円」でつくった後にどう循環させるか、そして「円から面」の考え方で、社会全体で手を取り合いながら、どう厳しい時代を乗り越えるかを考えていくべきでしょう。

物流危機に関する荷主企業と物流企業の感度は?

小橋氏:以上を前段とし、トークセッションを行いたいと思います。まずは物流企業と荷主企業の物流危機に対する認識からお聞かせください。

新井氏:私たちは物流企業さま、荷主企業さまのどちらともお話しをする機会が多いですが、最近はやはり少しずつ自動化が進んできています。荷主企業さまの場合は、まず梱包機から入り、次に人手不足を解消するソーターなどのシステムを導入していくケースが多く、物流企業さまの場合は、倉庫で働く人員の確保が難しくなってきた中で、人手不足を解消するシステムの導入を検討するケースが増えています。

阿部氏:私たちは物流企業さまと話すことが多いですが、大手と中小でかなり感度が異なりす。中小企業が生き残りをかけて深刻に考えている一方で、大手はまだ人員を集められる状況にあり、「自動化はまだ先の話」と認識しているケースが多いように思います。

長井氏:そんな中でも、まずは部分的に導入してみて、スモールスタートで始める企業が上手くいっている気がしますね。最近はロボットも小型化し、サブスクサービスなども出てきていて、自動化を導入しやすくなっています。

阿部氏:たとえば、私たち「ROMS」の、平和島にある製品の実物を展示したラボに、物流会社さまと荷主会社さまが一緒に来られて、2社がその場で「これを導入するなら、オペレーションをこう変えないとね」など実物を見て話し合われることもあります。

小橋氏:今仰っていただいたケースのような、荷主と3PLが関係性をしっかり構築しているところが上手くいっていますね。荷主と3PLは1年契約だったりすることも多いですが、それだと3PL側はなかなか投資に踏み切れません。

伊藤氏:そのような状況なので、システムに汎用性と適応性があるといいですよね。「この荷主に合わせてつくったけど、ほかの荷主では使えない」ではダメで、今回ご登場いただいた2社のような汎用性の高いシステムが求められています。

小橋氏:そして、物流会社も競争だけをしたり、吸収合併だけをするのではなく、お互いに協力して、共有型で進めていく必要がありますね。日本は中小企業の力で発展してきたので、物流も大手だけでなく中小企業が生き残っていく必要があると思います。

長井氏:そうやって、中小企業が中堅企業へと成長していく中で、案件をシェアしながら自動化を取り入れられるといいですよね。

アフターコロナで物流自動化への動向に変化は?

小橋氏:そんな中、アフターコロナで、物流自動化の動向は変化してきていますか?

阿部氏:潮目の変化を感じるのはやはり「2024年問題」です。今まで腰が重かった大手も検討を始めるようになりました。WMSやマテハン関係の補助金なども活用して導入を検討しており、全体の動きは活発化している印象です。

新井氏:DXという言葉が世に出て何年も経ちますが、最近やっと本気で取り組み始めたEC事業者さんが増えてきましたね。

中小事業会社が自動化に向けて今できることは?

小橋氏:中小企業の物流自動化に向けては、私は「標準化」がやはり鍵になると思います。大手以外が自動化に向けて今やるべきことは何でしょうか?

伊藤氏:「可視化」ですね。自社の強みやデータを可視化し、標準化した方がいい部分とそうではない部分を判断できるようにしたうえで、自動化を取り入れるのがいいと思います。

新井氏:中でもECは自動化しやすい業態なので進めた方がいいと思います。また卸し業社も、事業内容による部分はありますが、話を聞いてみると自動化できる部分があるので、一度、物流システム会社に相談してみてほしいですね。

長井氏:可視化・定量化することで、「この商品、こんなに在庫があったの?」や「こんなに売れてないの?」などが一目瞭然になります。でも今はまだ「定量化することがいかに大事か」が見えていない会社が多く、もったいないですね。「自社データが見えていない状態は危険」という課題感を持つことから始めてほしいと思います。

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ゲスト①:ロジカイギより
株式会社Linkth 代表取締役 小橋 重信 氏
トランスフィード株式会社 代表取締役 長井 隆典 氏
株式会社トークロア 代表取締役 伊藤 良 氏

ゲスト②:第1部、第2部プレゼンテーションより
株式会社はぴロジ 新井 豪 氏、株式会社ROMS 阿部 翔太郎 氏

募集要項

イベント名 8/22 オンライン:ECの物流業務自動化の秘訣 ~データ・庫内作業の実現可能な自動化~
日時 2024年8月22日(木) 16:00~17:30
会場 オンライン受講(Zoom)
参加対象者 荷主企業・物流部門 、物流企業、EC事業者 様
参加費/定員 参加費無料 / 定員100名

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング部
担当:
浅沼(アサヌマ)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5570-8048

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