(レポート)自社物流センターの「あるべき姿」の描き方とポイント

その他イベント レポート
株式会社APT、株式会社ストラソルアーキテクト

(レポート)自社物流センターの「あるべき姿」の描き方とポイント

株式会社APTと株式会社ストラソルアーキテクトは、「自社物流センターの「あるべき姿」の描き方とポイント」をテーマにしたオンラインセミナーを開催いたしました。
当日は多くの企業ご担当者様にご参加いただき、「実務的で非常に参考になった」「構想づくりの進め方が整理できた」など、参加者の皆様から高い評価をいただきました。
本レポートでは、セミナーで取り上げた内容の一部を抜粋してご紹介します。

登壇者

株式会社APT 栗原 勇人 会社HPはこちら
株式会社ストラソルアーキテクト 秋川 健次郎 会社HPはこちら

物流DX推進の中で求められるユーザー主導の構想づくり

国土交通省が推進する物流DXの流れを受け、自動化物流センターの新設やAIの導入事例が増加する一方、労働力不足や人件費の高騰といった課題も深刻化しています。
そのような中で、「自社はどの方向を目指すべきか」「自動化や新技術の導入を進めるべきか」といった課題に直面する企業も少なくありません。多くの企業では、各ベンダーからさまざまな提案を受けても、どの選択が自社にとって最適なのか判断が難しいという問題が生じています。
その背景には、「自社としてのあるべき姿」が明確に定義されていないことが挙げられます。最新技術やAIといった要素はあくまで手段であり、まずは自社の物流戦略や方針といった目的を明確にすることが出発点です。 つまり、技術ありきではなく、戦略ありきの構想づくりが、これからの物流センター計画には欠かせません。

オーナーズエンジニアリングによる構想支援とは

ストラソルアーキテクトでは、企業が主体的に構想策定を進められるよう、「オーナーズエンジニアリング」という支援体制を整えています。
これは、ユーザー企業と外部の専門家が協働し、ゼロベースで理想のセンター像を描く取り組みです。

構想策定プロセスは3つのフェイズに分かれています。

1.調査・分析策定フェイズ:現場実態や在庫・オーダーデータを分析し、現状を可視化
2.基本構想フェイズ:将来環境を見据え、業務フロー・WMS要件・レイアウト・投資効果などを検討
3.提案依頼・評価フェイズ:構想をもとにRFP(提案依頼書)を作成し、複数ベンダーを公平に比較・評価

この手順を踏むことで、構想の精度を高めるだけでなく、ベンダー選定や投資判断を自社主導で行うことが可能になります。支援形態としては、社内に検討リソースをお持ちの企業向けのアドバイザリー型と、調査から構想策定までを一括で委託できる請負型の2つがあり、自社の体制に合わせて選択できます。

オーナーズエンジニアリングのメリット

オーナーズエンジニアリングのメリットとしてまず挙げられるのは、特定のベンダーやソリューションに依存せず、ゼロベースで自社の事業や業務モデル、システムのあるべき姿を描ける点です。自社の視点で構想を整理したうえで提案を受けることで、各ベンダーの内容を客観的に評価し、適切な判断が可能になります。次に、複数のベンダーに提案を依頼できるため、提案内容や実現性、コストを比較・検討しやすく、選択肢の幅を確保できることも大きな利点です。さらに、複数提案の比較を通じて自然な競争環境が生まれ、結果として適正なコスト水準で導入を進められる点も利点です。こうしたプロセスを通じて、構想段階からより納得感のある投資判断を行えるのが、オーナーズエンジニアリングの大きな特徴といえます。

構想策定後の実行フェイズに潜む3つの課題

構想策定後の実行フェイズでは、以下のような課題が発生しやすくなります。

1. 複数ベンダー調整の負荷

物流自動化プロジェクトでは、マテハン、WMS、設備工事など複数の専門分野が関わるため、調整業務が煩雑になりやすくなります。特に稼働後は、改修や保守対応がベンダーごとに分かれ、管理負担が大きくなるケースが多く見られます。

2. 単一ベンダー依存による柔軟性の欠如

一社完結型の導入はスムーズに進行する反面、運用開始後の仕様変更や改修が難しくなる傾向があります。長期的な柔軟性を確保するためには、将来的な業務変化を見据えた体制づくりが重要です。

3. 既存システムとの共存・移行課題

既存マテハンへの対応は判断が難しく、代表的なパターンとしては「マテハンの入れ替え」「現状設備の延命措置」「異なる設備の新規導入」などが挙げられます。
例えばマテハンを入れ替える場合、設備トラブルの回避や処理能力の向上、作業精度の改善といったメリットが期待できますが、一方で稼働中の並行工事の難易度が高く、導入コストも大きくなりがちです。
このように、既存マテハンの対応パターンだけでも判断要素が多岐にわたり、担当者の検討負担が大きくなることも少なくありません。
実行フェイズは、構想フェイズで描いた理想像を実現するための重要なステップであり、この段階での体制構築やプロジェクト管理が成否を左右します。

実行支援の取り組みと事例紹介

物流センター構築の実行段階では、ベンダーとの打ち合わせ、要件定義、図面承認、工程管理など、数多くのタスクが発生します。これらの業務を効率的かつ確実に進めるために、専門的なプロジェクトマネジメント支援を活用する企業が増えています。ある電気機器メーカーでは、複数ベンダーのシステムが併存し、データの不整合や改修可否の判断が難しいという課題を抱えていました。
システム仕様の整理・統合や、外部倉庫とのデータ一元化を進めた結果、情報基盤の統合と業務効率化を実現しました。

まとめ

物流を取り巻く環境が大きく変化する今、単に物流センターを新しくするだけでなく、「どのような拠点を、どのような目的で構築するのか」という構想力が問われています。その鍵となるのが、自社主導による計画立案と、外部の専門知見を組み合わせた実行支援の仕組みです。
CREグループでは、構想策定からベンダー選定、実行支援、運用フェイズまでを一貫してサポートできる体制を整えており、各企業様が抱える物流課題に合わせた最適なソリューションをご提案しています。また、最新機器を実際に体験いただける「KocoLabo(ココラボ)」など、構想検討のヒントとなるラボも整備しております。
物流センター構想や自動化の検討に関するご相談、およびラボの見学のお申し込みは、お気軽にお問い合わせください。

本件に関するお問合せ

お問合せ先:
株式会社シーアールイー マーケティング部
担当:
安藤(あんどう)
メール:
leasing_mail@cre-jpn.com
電話:
03-5570-8048
 
 

CRE倉庫検索で物件をお探しの方へ

CRE倉庫検索を運営するシーアールイーでは、業界トップクラスのネットワークを活用し、経験豊かなプロフェッショナルが、お客様のご要望に合わせた物件情報のご提案、物件探しをご支援します。

事業用物件を売りたい・貸したい方へ

事業用物件、倉庫や工場、事務所で売りたい・貸したい方、気軽にマスターリースにご相談ください。状況に合わせてご提案させていただきます。

詳細条件で検索

都道府県・
エリア
賃貸面積
  • 範囲で指定
  • 数値で指定
賃料
用途
取引形態
用途地域
最寄りIC
その他条件