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倉庫の上部空間の活用とは?活用事例も紹介

倉庫の上部空間の活用とは?活用事例も紹介

倉庫の階高は、一般的に5.5m~6.0m程度あります。しかし、保管棚の積み上げスペースが空いているなど、保管が2.0m~3.0mの高さに留まっていることが多く、上部空間が有効活用されていない場合が少なくないでしょう。保管効率を上げる方法として上部空間の活用を視野に入れてはいるが、どう活用すればよいか分からないといった課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、倉庫の上部空間の活用に関する課題に対応する方法、及び導入する際に押さえておきたいポイントを紹介します。ぜひ、ご一読ください。

上部空間を活用する方法

一般的な上部空間の活用方法として、「フォークリフトでの荷役」や「自動倉庫の導入」が当てはまるでしょう。しかし、フォークリフトでの荷役には安全面での課題や、走行する通路や荷繰り作業を行うスペースを確保する必要があり、保管効率の点で課題が残ります。また、自動倉庫が導入出来ればベターではありますが、コストが莫大にかかる事や可変性での難しさが課題として挙げられます。
そこで、今回は上部空間を活用する方法の中でも、「低コスト」、「可変性が高い」、「作業難易度が低い」などといった導入のしやすさをテーマに、設備について紹介していきます。

高層中量棚とピッキング作業台車の活用

まず、高層中量棚とピッキング作業台車の活用について紹介します。この組み合わせは、比較的低コスト・短工期で導入できることから、多くの現場で活用が進んでいます。
また、作業台車に人が乗車したままピッキングでき、細かい商品のピッキングにも柔軟に対応できるため小ロットの出荷に適していることも特徴です。特に、ピッキング作業台車はフォークリフトと異なり狭い通路でも運用が可能なため、限られた倉庫内に収納ラックを最大限に設置できるという利点から、保管商品の種類が多く高い保管効率が求められるECセンターでの導入が進んでいます。
以下では、高層中量棚とピッキング作業台車のそれぞれの特長について紹介していきます。

高層中量棚

高層中量棚とは、支柱を天井近くまで高さを伸ばした棚です。高さは4.0m~5.0m程あり、段数は10段前後、上部を接続する事で地震への対応を行う事が基本です。保管製品としては、「小型~中型品」がマッチしています(=人が手で持てるサイズ&重量)。特注仕様とはなりますが、製作難易度も低く、段構成の設定も簡単に変更可能です。多くのラックメーカーが対応可能で、高額な費用を掛ける事無く設置~導入が可能です。床面~2.0mの段を「通常ピック頻度品」、上段を「低頻度品」と保管ロケーションを頻度別に設定する事がポイントです。

ピッキング作業台車

ピッキング作業台車

高層中量棚の導入にあたり必要となるのが、「ピッキング作業台車」です。ピッキング作業台車は、高層中量棚でのピッキングをする際、人を乗せて高所まで上昇し荷物をピッキングすることに優れています。
特徴として、「運転が行いやすい」、「動きがスムーズ」、「100V電源での充電にて使用可」、「フォークリフトの免許不要で使用可能(講習必要:各メーカー確認必要)」の4つが挙げられます。
フォークリフトの免許が不要なことや、安全装置がしっかりとしていることから作業者の熟練度に関わらず使用できるため、作業者を選別する手間を削減できることも利点と言えるでしょう。また、低コストでの導入が可能なこともあり、近年ECセンターを始め多くの現場で導入が急速に進んでいる海外発製品の一つです。

パレット移動棚と無人フォークリフトの活用

続いて、パレット移動棚と無人フォークリフトの活用を紹介していきます。この組み合わせはフォークリフトでの作業になるため、比較的大型在庫品や重量物の保管に適しています。無人フォークリフトによる入出庫作業のため、冷凍倉庫内など厳しい庫内環境での活用が進んでいます。また、保管エリアにおける作業員の移動範囲が縮小できることから、人的な作業工数を削減でき、作業員はコア業務にリソースを割くことで生産性が向上することが期待できるでしょう。
以下では、パレット移動棚と無人フォークリフトのそれぞれの特長について紹介していきます。

パレット移動棚

パレット移動棚は、電動台車上にあるパレットラックが床面のレールに沿って台車単位で動く移動棚のことです。フォークリフトの作業用通路が1列で済むため、通路を減らしたレイアウトが設計でき、通常のパレットラック設置の2倍程度の保管量が確保できることが利点です。 また、ノンレール式の移動棚であれば、レールがないためレイアウト変更や撤去等が容易であり、可変性が高いことも特徴として挙げられます。

無人フォークリフト

無人フォークリフト

無人フォークリフトは、日本メーカーのものと海外メーカーのもので特性が異なっています。日本の無人フォークリフトは、倉庫や工場の「省人化」、「作業の正確性」で威力を発揮します。一方、海外製のAGVタイプ無人フォークリフトは、国内メーカーの無人フォークリフトと比較し、「工程間搬送に特化」しており、近年多く活用されています。海外製は、国内製と比較し、フォークリフトとしての機能を絞り(マスト高さ制限等)、スムーズな動きも特徴としてあり、横持搬送、工程間搬送などに威力を発揮します。 どちらもコスト面でのメリットを製品によっては出せる場合があり、他作業や製品との組み合わせにより、効率的な倉庫内作業や省人化が期待できるでしょう。

導入する際に押さえておきたいポイント

上記で述べた上部空間を活用する方法は、「完全な自動化」、「システム指示」ではありません。そのため、設備が上部の保管やピッキングに適しているのか、自社の作業に合っているのかなどの十分な検証が必要となります。マテハンによる上部空間の活用は、 初期投資額が自動倉庫と比較してコストを抑えられますが、運用コストなどの実コストが効果に見合うのか確認することが重要です。

倉庫作業特性に合った構内設計の重要性

倉庫内保管、作業といっても、取り扱い製品やセンター目的により運用が大きく変わります。
【DCセンター=在庫型】においては「保管中心」、「仕分出荷量多」、「大物(パレット)荷役中心」、「小物荷役」などの目的が多いでしょう。また、【TCセンター=仕分中心】においては、「リードタイム」、「該当製品」、「EC対応」、「追加作業(ギフト・値付け)」等の目的があげられます。
倉庫作業の特性に合わせて、FOCUS・ネック箇所の認識、スループット、設備処理能力、設備導入などについて、どの部分に注力するかポイントを明確化する必要があります。その後、より具体的に、「全体動線・レイアウト設計」や「システム構成・フロー設計」、「マテハン・ロボット機器をいかに活用するか」を検討していくことが重要と言えるでしょう。

保管製品の把握・分類

保管製品の特性や単位により、同製品でも複数個所、形状での保管が必要となる場合があるため、あらかじめ、保管製品のカテゴリーやサイズ、保管(入荷)単位、出庫単位を分類・明確化する必要があります。 合わせて、保管形状(パレット保管/ケース保管/バラ保管(収納するコンテナ等必要の有無))も確認が必要です。その内容に合わせて、保管方法を「重量ラック」、「ネステナー」、「軽量・中量ラック」、「自動倉庫」等に分類していきましょう。

リプレースを考慮

保管製品や出荷形態及び環境の変化(現システムの陳腐化等)により、倉庫内設備変更やシステムリプレースは以前と比べて短いサイクルで行われる事が増えています。その視点で臨機応変にリプレースに対応できるよう、センター開設時に既にマテハン設備やシステムの「投資回収期間」を意識するほか、リプレース時に負担が少ない(可変的な)センター設計思想を持つことが、中長期的にセンターをうまく稼働、 維持させて行くうえで重要です。

まとめ

本記事では、上部空間の活用を可能にするマテハン設備の紹介と、導入にあたって押さえておきたいポイントを解説しました。設備の導入にあたっては、マテハン設備のスペックの理解はもちろん、課題の本質を理解し導入を検討することが大前提にあるでしょう。

上部空間の活用に向けて、コスト面で設備導入を断念してきたケースも少なくないのではないでしょうか。そこで、オーバースペックにならずに投資対効果が見合う設備の導入において、様々な提案を行ってきた株式会社APTを紹介します。今回紹介した商品の一部は、APT社製品としてラインナップしています。APT社は、メーカーを問わないエンジニアリングによる多種多様な提案を得意としており、貴社の課題に合った上部空間の有効活用の実現において期待できるでしょう。
上部空間に限らず、庫内空間の有効活用に課題を感じる際はぜひ、株式会社APTのご活用をおすすめします。

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