パレタイズとは?自動化のメリット、デメリットを解説
パレタイズとは、商品をパレットに積み付ける作業を指し、保管作業の効率化や輸送中の荷崩れによる破損を防止します。本記事では、物流領域に強みを持つシーアールイーが、パレタイズのメリットや積み付けパターンの種類、さらに自動化を導入する際のポイントについて解説します。
パレタイズとは
パレタイズとは、製品や荷物をパレット上に積み付ける工程を指します。荷物のサイズや形などに合わせて、パレットに積み付けることで作業効率を高めたり、輸送時の荷崩れを防止する効果があります。
パレタイズのメリット
パレタイズが持つ最大のメリットは、荷崩れ防止と作業効率の向上です。適切に積み付けを行うことで、パレット上の荷物が安定しやすく、運搬や保管中のダメージを減らします。加えて、パレットが扱いやすくなると入出荷のスピードもアップし、最終的には物流全体のコスト削減につながります。
また、輸送距離が長い場合や、輸送時の振動が大きい環境においては、パレタイズがしっかりしていることで、商品の破損リスクの抑止につながります。重量物の場合は、パレットへの負荷も考慮する必要があり、積み付けパターンの工夫や補助器具を活用して荷崩れを防ぐことがポイントとなります。
デパレタイズとの違い
パレタイズが荷物をパレットに積み付ける工程なのに対し、パレットから荷物を下ろす工程をデパレタイズといいます。どちらの作業も安全性と効率性が求められますが、デパレタイズでは特に開梱時の荷物の崩れによる破損などに注意をする必要があります。
パレタイズの種類と積み付けパターン
パレタイズの積み付けパターンにはさまざまな種類があり、荷物の大きさや形状に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。なぜなら積み方が不適切な場合、パレットの上で隙間が生じてしまい、輸送中の揺れや傾きで荷物が倒れたり破損したりする恐れがあるためです。
荷物の特性を正しく把握し、最適な組み合わせを選定することで安定感と効率の両立を図れます。ここでは代表的な組付けパターンをいくつかご紹介します。
ブロック積み(平積み)
ブロック積みは最も基本的な積み方で、荷物を同じ向きに並べて高さを揃えながら垂直に積み上げていきます。単純な構造のため作業が分かりやすく、扱いやすいのが利点です。ただし、荷物同士を噛み合わせるわけではないため、輸送時の揺れにはやや注意が必要です。
交互列積み(インターロック積み)
列ごとに向きを変えて荷物を組み合わせる交互列積みは、ブロック積みに比べて荷崩れしにくいのが特徴です。段ごとに荷物が相互に噛み合う形になるため、運搬中の安定度が高まります。ただし、荷物を常に一定の向きに回転させる必要があるため、手動ではやや時間がかかる場合があります。
レンガ積み
レンガ積みはブロックを半分ずつずらしながら上に積み上げていく方法で、建築のレンガを積む要領に近いものです。段と段の接合部がずれるため、全体として強度が高まり崩れにくくなります。重量バランスが良い上、見た目の安定感も高いため、繰り返し衝撃が加わる輸送にも適しています。
ピンホール積み(風車形積み)
ピンホール積みは四方の向きを変えながらブロックを配置し、パレット中央に空間を作り出す積み方です。風車のような配置になるため風車形積み付けとも呼ばれ、見た目にも特徴的です。中心部をあえて空けることで、書類などの小物を載せたり、補強材を入れやすくしたりする場合にも重宝します。
スプリット積み
スプリット積みは荷物を部分的に分割して積むことで、箱の高さや形状が不揃いな場面にも対応しやすい方法です。複数の列をあえて別々に構成して組み合わせるため、パレット全体の均整を取りやすくなります。特殊なサイズや形状の商品が混在する物流現場で導入されることが多い積み方です。
パレタイズの自動化のメリット・デメリット

メリット1:省人化と品質の一定化
自動化により人手に頼らず作業を進められることで省人化に加え、作業のばらつきやミスが減り、バランスの安定した積み付けを実現できます。近年では技術の進歩によりカメラを用いて画像認識や点群データを生成し、異なるSKUであっても適切に積む、人が都度判断することで行っていた点も自動化できるようになってきました。
メリット2:作業効率とスペース利用率の向上
ロボットを導入すると、連続稼働が可能となり、人員の交代要員が不要になるため作業効率が向上します。また、ロボットアームの可動範囲を生かし、限られたスペースでも効率良くパレタイズを行うことができます。結果的に、倉庫内のレイアウトを最適化することでスペース利用率も向上します。
メリット3:ヒューマンエラーの削減と安全性確保
自動化が進むと現場で発生するヒューマンエラーを減らし、同時に重い荷物を持ち上げる作業による事故やケガのリスクも軽減できます。安全装置やセンサーなどを併用すれば、さらに安全性を高めることができます。
デメリット1:初期投資と設置環境の検討
設備本体や周辺機器、その設置工事などの導入コストがかかります。ロボットセルの設置スペースを確保するために、場合によってはレイアウト変更を考慮しなくてはなりません。こうした要素を総合して導入前に投資効果を試算することが重要です。
デメリット2:運用体制づくり、スキル育成
パレタイズ自動化にあたって、現場スタッフがロボットの操作やメンテナンス技術を身につけ、トラブル発生時にも迅速に対応できる体制が必要です。加えて、操作マニュアルやトラブル対応フローの整備、定期的な教育・研修を実施し、運用面の基盤を強化することが重要です。
自動パレタイズに利用されるロボット
「パレタイジングロボット」や「パレタイザー」と呼ばれるパレタイズ用のロボットには、多関節ロボットやスカラロボットが用いられることが一般的で、製品の重量やサイズに応じて機種を選定します。小型製品なら高速で動作できるロボット、大型ケースなら高い可搬重量を誇るロボットなど、用途は多岐にわたります。近年は視覚センサーやIoT・AIを組み合わせて、さらに柔軟性を高めたシステムも登場してきています。
実際に、日用品・化粧品分野で日本最大級の規模を持つ卸商社である株式会社あらたは、AIデパレタイズロボットを活用して、パレット単位で入荷した商品を納品ケース単位で自動ケースピッキングしています。
まとめ
パレタイズではパレットの規格や庫内の運用条件に合わせて積み付けを行うことで、荷崩れのリスクを大幅に低減できます。
自動化を検討する場合は、設備投資や施設レイアウトの変更など、初期段階でクリアすべき課題が多くあります。しかし、一度導入すれば、省力化による人手不足の解消や、品質の均一化といった大きなメリットが見込めます。導入する際には、運用サポート体制やメンテナンス体制も併せて検討し、安全で効率的な物流を実現しましょう。
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